早く交換しよう!
筆者が特に驚いたのは、「スクリーンショットの操作もできる」という点。
ホームボタンのあるiPhoneの場合は「電源ボタン+ホームボタン」の同時押しで操作するわけだが、それは仮想ホームボタンでも一切変わらない。知識としては予め知っていたから、いざやってみると「本当にスクショできるんだ!」という不思議な感動が込み上げてきた。
さて、この時点で筆者のSEは画面内部にも水が浸透してしまっている状態だ。それだけではなく、何と前後カメラのレンズにも水滴が。
この状態で写真を撮ると、景色がほんのり霞がかったようになり幻想的な画になる。
上の写真はまったくの未加工である。こんな素敵な写真を撮れるのだから、読者の皆さんもぜひiPhoneを水没させてみて……などとはもちろん書けない。
また、このような状態の端末を長く使っているわけにもいかない。一度水に浸っている以上、この先の動作は保証の限りではないのだ。
まずは重要なデータを救出し、そのあとでSIMカードを取り出す。同時にAppleCare+に加入しているかどうかを確認し、加入していればApple製品修理対応店へ哀れなSEを持ち込む。
が、修理はしない。新品に交換してもらうのだ。費用は1万2,900円。
今回の教訓
こうして筆者のSEは新品に置き換わったわけだが、此度の水没騒動でいくつかの教訓を学んだ。以下に箇条書きすると、
・防塵防水性能を持っているiPhoneだが、水没をまったく問題にしないというわけではない
・ホームボタンが故障した場合、仮想ホームボタンが自動で立ち上がる
・筐体内部への水分の侵入後も、しばらくは問題なく動作することがある(必ずしも無事というわけではない)
・が、それはあくまでも一時的で、早めに新品交換するべき。Apple Care+への加入は必須!
嬉しいことに、もしも修理対応店に該当機種の在庫があれば、契約書類へのサイン直後に交換してくれる。筆者の場合も、窓口のスタッフに最初に話しかけてから1時間足らずで新品のSEを持ち帰ることができた。
「IP等級」を過信しない
もっとも、一番いいのは「水没を避けること」である。
IP67等級の「7」とは「一時的に水中に沈めた場合でも機器が影響を受けない」ということだが、一方でAppleの公式サイトにはこう書かれている。
・iPhone を着用したまま泳ぐまたは入浴する
・iPhone に水圧が強い水や流速が大きい水をかける (たとえば、シャワー、ウォータースキー、ウェイクボード、サーフィン、ジェットスキーなど)
・iPhone をサウナやスチームルームで使う
・iPhone を意図的に水没させる
・推奨される温度範囲外、または極度に湿度の高い条件下で iPhone を動作させる
・iPhone を落とすなど、衝撃を与える
・iPhone を分解する (ネジを外すなど)
注目すべきは、上の2つ。iPhoneと共に泳いだりバスタブに浸かったりジェットスキーをしたりという人はあまりいないかもしれないが、「一緒にシャワーを浴びてしまった」なら案外よくあるのではないかと筆者は考えている。
が、どうやらそれはよろしくない行為らしい。そしてSEより防水等級の高い最新ナンバーのiPhoneも、そのあたりは同様。
スマホにとって、やはり水は大敵のようだ。
【参考】
iPhone 7 以降の防沫・耐水・防塵性能について-Apple
取材・文/澤田真一