筆者のiPhone SE2が故障してしまった。原因は水没、というよりも「内部への水の侵入」である。
この機種にはIP67等級の防塵防水性能が与えられているはずだが、Appleの公式サイトをよく見ると「防沫性能、耐水性能、防塵性能は永続的に維持されるものではなく、通常の使用によって耐性が低下する可能性があります」と書かれている。
そして筆者は、雨降る日にレインウェアのポケットの中にiPhoneを入れてしまっていた。いつの間にか水がポケットの中に入って愛しの相棒が水浸し……という、明らかに自業自得で情けない顛末なのだが。
結果、iPhone SEシリーズの特徴であるホームボタンがまったく作動しなくなった。しかし、「だからこそ」のiPhoneレビューも可能であるということに気づいてしまったのだ。
自動的に立ち上がった「仮想ホームボタン」
ホームボタンが動かなくなった。これはSEにとっては致命傷のはずだ。
ところが、SEはホームボタンが動かないと見るやすぐさま「仮想ホームボタン」(Assistive Touch)を表示した。
これは画面上にアイコンとして表示される機能で、何と故障を検知して自動で立ち上がってくれた。なお、筆者にとってはこれが初めての仮想ホームボタン経験である。
結論から書くと、本物のホームボタンと機能は概ね変わらない。
ブラウザバックやSiriの立ち上げも、仮想ホームボタンで完結できる(当たり前だが)。本物のホームボタンと違って指の長さに合わせて画面上での位置を調整できる分、慣れれば仮想ホームボタンのほうが使い勝手がいいのかも……とすら感じてしまった。
実際、不便さはあまりなかったように思う。このあたりは感覚的な話で恐縮だが、人によっては「仮想ホームボタンのほうが使いやすい」という場合もあり得るだろう。ただし、さすがに指紋認証はできなかった。