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ジムカーナ、デート、ゴルフも行けるトヨタの2シータースポーツ「コペン GRスポーツ」

2023.04.12

■石川真禧照のK-CAR徹底解剖

 現在の「コペン」は、ダイハツが2022年に発売した軽自動車の2シータースポーツ。2014年にフルモデルチェンジを行ない2代目を発売している。トヨタとダイハツの関係は、2002年にトヨタがダイハツに小型車の生産を委託したことに始まる。その後、小型車を中心に関係が深まって、トヨタの小型車の多くをダイハツが開発・生産しており、トヨタにOEM供給するモデルが増えている。「ルーミー」「パッソ」「ライズ」などは、まさにダイハツ製だ。

 そのトヨタが目をつけたのが、軽スポーツカーの「コペン」。GRブランドのエントリーモデルとして「コペン」をベースに独自のチューニングを施したモデルを4代目(ローブ、エクスレイ、セロに次ぐ)として3年前に発売した。ダイハツも同じモデルを販売している。

「GRコペン」のベースになったのは、ダイハツ「コペン」のベースモデルである「ローブ」のボディー。とは言っても、ヘッドライトの形状にはじまり、フロントグリルやリアバンパーなどのデザインはGR専用。ボディー側面の形状にも整流効果を持たせている。空力抵抗の軽減はさらにボディー床下面の風の流れも整えたことで、ベース車両の「ローブ」より車体にかかる揚力を約10%抑制している。これにより、接地性や直進安定性が向上したという。

 ボディーそのものも剛性アップのために床下面に補強材を追加している。さらにショックアブゾーバとバネを刷新し、路面との接地感を向上させている。室内もGR専用パーツがいくつか見受けられる。

 まず、目につくのは、レカロシート。ハイパックのホールドのよいシートだ。ハンドルはMOMO社製のグリップはやや太めで、小径のスポーツハンドルだ。ドアを開けて、運転席に座る。目の前にはピアノブラック調のセンターメータークラスター、ドアグリップが備わっている。メーターは自発光式3眼メーター。エンジン回転計は9000回転までで、7500回転からがレッドゾーンに設定されている。

 パワーユニットは直列3気筒DOHC、0.658ℓのガソリンターボ。64PS、92Nmの性能を誇る。ミッションは5速マニュアルと6速マニュアルモード付きCVTが選べる。

 試乗したのは後者。ハンドルと一体となったパドルシフトも備わっている。ドアを開け、低い位置のシートに座る。コクピットはタイト。ヘッドスペースは身長170cmクラスだと、天井ギリギリになる。やや閉所感あり。室内スペースは大人2名にはミニマムサイズといえる。デートカーとしてはいいかもしれない。

 やや重めのハンドルを操作しながら、走り出す。直進性が強めなのは、GRチューンの味付け。乗り心地はかなり硬め。ソリッドなゴツゴツとした動きも伝わってくる。車速を高めていくと、ゴツゴツとした動きも伝わってくる。荒れた路面ではハネ気味。

 表現はむずかしいが、ボディ剛性を高めたことで、カチッとしすぎてしまった、という感じ。「GRコペン」でのロングドライブは、肉体的にキツい。ジムカーナやサーキット走行用のホビーカーとして割り切った使い方をしたい。もともと「GRブランド」はそっちを目指しているのだ。

 こう割り切ってしまうと「GRコペン」は楽しい。カーブでのハンドルの切りこみは抵抗があり、戻しも強め。かなり重い操舵力。力での戦いだ。それはカーブの曲径がきつくてもゆるくても同じ。常にハンドルは重めのスポーツモード設定だ。

 ちなみにパドルシフトを使ってのマニュアル走行では、各ギアで5000回転まで引っ張ると1速35、2速50、3速70km/hに達する。0.658ℓのガソリンターボエンジンは7000回転まで使えるので、コンペティションでは4速まで使えば十分走りを楽しむことができる。重めのハンドルと戦っているときに、パドルシフトは助かる。

 100km/hは6速3800回転、5速では4500回転に達する。ターボトルクは3000回転からグンッと伸びるので、Dレンジをキープしていても、スポーツ走行は楽しめる。足回りだがBBS製のアルミホイールは純正。タイヤはBSの「ポテンザRE050A」、165/50R16を装着していた。

「GRコペン」のルーフはカーボン調のハードルーフ。フロントのルーフロックを2か所解除し、センターコンソールのスイッチを引くだけで、約20秒でルーフが折り畳まれて、トランクに収まる。開閉はクルマを停止させないと行なうことはできない。ルーフをトランクに収納した状態でも、トランクはスポーツバッグぐらいは収納できる空間は確保されている。

 さらに信じられなかったのは、ルーフを閉じた状態なら、ゴルフバッグが1セット収納できること。「GRコペン」に乗って、ゴルフに行くことができる。このサイズの2人乗りスポーツカーで、これができるのは、日本車だけ。ここでも、あらためて日本メーカーの軽自動車づくりの凄さを実感した。

・関連情報
https://toyota.jp/copen/

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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