必要最小限のものだけで暮らす「ミニマル思考」のインフルエンサーたちの生活術には、学ぶところがある。今回、ライフスタイル別に、その目的・手法はどう異なるのか話を聞いた。自分にもできる、QOLの上げ方が見つかるはずだ。
家事、調理の時間を徹底的にミニマル化して子供たちと過ごす時間を増やす!!
4人家族
ちゃんさん
専業主婦の妻と3歳の長男、0歳の長女の4人家族。夫婦ともにストイックなミニマルライフを送り、収入の6割はiDeCoやつみたてNISAなどに満額投資している。
ちゃんさんのある月の家計簿
リビングにある家具はダイニングテーブルのみ。テレビやオーディオ機器などのいわゆる〝黒モノ家電〟は一切なく、壁にある観葉植物が唯一の装飾品。決して広くはない間取りだが開放感があり、まるで引っ越しする前の空き部屋のようだ。
ちゃんさんいわく「寝るだけの部屋」なので、寝室にあるのは布団のみ。子供は19時に就寝するので、照明も取り付けていない。
〝戦略的な選択〟による集中したミニマル生活
普段の家事や出費を徹底的に見直し、夫婦ともどもミニマル化した生活をインターネット媒体「note」を通じて発信しているちゃんさん。だが以前は高い維持費が必要となるクルマやバイクが趣味で、パートナーにもマンガなどの収集癖があったという。
「最初にミニマルライフに目覚めたのは私のほう。子供が生まれたことで、将来の教育費を貯めたいと思ったことがきっかけでした」
まず手をつけたのは、パートナーのマンガ。メルカリやリサイクルショップで売ることで「お金になる」という成功体験を積み上げていった。
「妻の意識改革は焦らず少しずつ、時間をかけてやりました。一方私もコロナ禍により外出ができなくなったことで、唯一の趣味だったクルマとバイクを手放しています」
大好きな趣味を手放し、ストイックにミニマル生活を追求する。なぜそこまでがんばれるのか。
「我々は自分の趣味を完全に諦めたわけではないんです。今は子育てと資産を貯めることに集中して、将来は大好きな趣味に立ち戻る。その選択を戦略的に行なっているからこそ、今はがんばれるんです」
「○○で当たり前」その聖域を常に疑う
発信される独自の節約術の中でも、とりわけ特殊なのが食事のルールだろう。例えばメインのおかずは「よだれ鶏」か「親子丼」の2択のみ。夫婦はもちろん、子供の食事も毎日ほぼ同じだ。
「『毎日同じものを食べていたら飽きる』という人もいると思いますが、本当にそうなのでしょうか。私はミニマル生活において〝聖域を疑う〟ことを大事にしています。この食事は土井善晴さんの本『一汁一菜でよいという提案』を参考にしていて、日本人は昔からお米と味噌汁ともう一品で生活してきたので、飽きないと。実際にやってみたら本当に飽きないし、子供も残さずに食べてくれます」
ちゃんさんの子育てにおいて〝聖域を疑う〟という信念は、様々なところに生かされている。
「『子供がいたらテレビがあって当たり前』ではなく、本当に子供にとって必要なものは何なのか? その本質を常に考えています。だからこそミニマル生活によって得られた時間を有効活用し、読書などによって教育をはじめとする子育ての勉強がしたいんです」
家事のミニマル化
毎朝定時に洗濯&乾燥を完了させる
起きたら洗濯・乾燥が完了しているよう、洗濯機のタイマーをセット。完了したら洗濯機から取り出した衣服をそのまま着用することで、収納の手間も省くことができる。
皿を洗う時間を無駄と判断
1回の調理時間を20分以内に収めることを目標とするちゃんさんは、皿を洗う時間も省きたい。食洗器を使うことで家事の生産性が格段に向上し、時間の節約に。
〝湯シャン〟にして浴室掃除をラクに
お湯だけで髪を洗う〝湯シャン〟を採用。節約になるのはもちろんだが、シャンプー類を排除することで浴室が汚れにくくなり、掃除がラクになるのがメリットだという。