早急なDX化が求められる現在、岸田首相が新内閣発足して間もない2021年11月に、デジタル化におけるデジタル人材育成に対し3年間で4,000億円を投じる施策を発表し、また2022年10月には今後5年間で1兆円を「リスキリング」に投じると表明した。
このように「リスキリング」への注目度が高まる中、中小企業経営者はどの程度「リスキリング」に本腰を入れているのだろうか?
GDXリサーチ研究所はこのほど、中小企業の経営者1,619人に「中小企業のDXに関する実態調査 第3弾」を実施し、その結果を発表した。
中小企業経営者の約6割が、「リスキリング」を「よく知らない」と判明
中小企業経営者に、リスキリングとは何か知っているか調査したところ、 「聞いたことはあるが、よく知らない」「知らない」合わせて60.7%と約6割の中小企業経営者が「リスキリング」とは何かよく知らないという結果となった。
また、「知っており、他の人に説明できる」人は12.4%と約1割とわかった。
経営者がリスキリングを知らない、説明できないとすると、他の従業員はより一層「リスキリング」に対しての理解ができていないと推察されるので、中小企業全体として「DX推進」をより一層意識し、「リスキリング」自体を学んでいく必要があると思われる。
中小企業の9割以上が「リスキリング」ができていない現状
中小企業経営者に、「リスキリングへの取り組みや支援を行っているか」と質問したところ、「行っていないが行う予定がある」「行っておらず、行う予定もない」合わせて92.4%と9割以上が現状できていないという結果となった。
19.0%は「行っていないが行う予定がある」と予定と立てられているが、73.4%と大多数は「行っておらず、行う予定もない」と回答しており、DX人材育成に対する関心の薄さが伺え、自分ごと化できていない、あるいは資金的、人材的余裕がなく、行えない状況と推察される。
実施できているリスキリング第1位は「eラーニング、オンライン学習サービスの活用」
「リスキリングを行っている」と回答した中小企業経営者に取り組み内容を聞いたところ、どの役職、部署においても、「eラーニング、オンライン学習サービスの活用」は半数前後の企業が取り組んでおり1位となった。
その他の施策は、どの施策、どの対象においても3割を切るという結果となり、 「eラーニング、オンライン学習サービスの活用」 以外はあまり実施されていないとわかった。今後、目的に合わせて各役職、職種に合った「リスキリング」施策を組んでいくことが必要だ。
<調査概要>
・調査主体 :フォーバルGDXリサーチ研究所
・調査期間 :2023年1月10日(火)~2月10日(金)
・調査対象者 :全国の中小企業経営者
・調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数 :1,619人
出典元:フォーバルGDXリサーチ研究所調べ
構成/こじへい