打ち合わせやミーティングの場面で「これは決めの問題だ」と言われて困惑した経験はないだろうか。ビジネスにおける話し合いの多くは、そもそも何かを決めるために行われることが多いため、「決めの問題」が持つニュアンスは、言葉そのものを知らないと正確な意味をつかみにくい。
そこで本記事では、「決めの問題」の意味と使い方を解説する。特に上司など年配のビジネスパーソンが使用する傾向があるため、相手の言わんとしていることを誤解しないためにも、しっかりと意味を押さえておこう。
「決めの問題」の意味とは?
決めの問題の読み方は「きめのもんだい」。複数の選択肢のうち、どれを選択しても大きな差がなく、意思決定者の一存で決めてしまって良い事柄を指す。選択の決め手には欠けるが、保留して慎重に検討するよりも、一旦決定して先に進んだ方が良い場面などで使われることが多い。
ビジネスにおける決断の重要性を示す「決めの問題」という言葉
ビジネスでは大きな問題から小さな問題まで、いくつもの選択や決断を求められる。「決めの問題」という言葉が表現しているのは、優先順位の低いことや影響力の小さい問題に対しては、暫定的にでも結論を出して進めてしまった方が良いという「決断の重要性」だろう。
例えば、上司や取引先から「決めの問題」と言われた場合、論点となっている事柄は相手の最重要事項ではないのだと理解した上で、可能であれば、「では、何を重要とみなしているのか?」という具合に考えを広げていくと、仕事の精度を高める上で役に立つはずだ。
「決めの問題」を使った例文
先述の通り、「決めの問題」は会議など、何かを決めるための話し合いの場面において以下のような形で使用される。
「ここは決めの問題でいいだろう」
「3つほどやり方がありますが、決めの問題かと思います」
「決めの問題だから、これ以上時間をかけてもしょうがない」
「決めの問題」を別の表現で言い換えるなら?
ビジネスの一側面をよく表している「決めの問題」だが、言葉の意味を知らない相手に正確なニュアンスを汲んでもらうことは難しいため、よりわかりやすい言い換え表現を知っておくと便利だ。
「決めの問題」の類語・言い換え表現
「決めの問題」を端的に言い表す類語は存在しない。そのため、言葉のニュアンスを正確に伝えたい場合は、「どの方法でも大差ない」「一旦これで決めてしまおう」「この部分は重要ではないので適宜決めてしまって良い」といった具合に、「決めの問題」の言葉の意味をそのまま説明するのがおすすめだ。
おっさんビジネス用語としても知られる「決めの問題」
「決めの問題」は、特に中高年のビジネスパーソンに使用者が多いことから、俗に「おっさんビジネス用語」と呼ばれる。似た意味の言い換え表現が少ないこともあり、ビジネスシーンで幅広く使われているため、新入社員などは初めて聞くと意味がわからずに戸惑いがちだ。若手を指導する立場の中堅以降のビジネスパーソンは、簡単な言葉の説明を添えるなどして、相手と円滑なコミュニケーションを取れるように工夫しよう。
一方、「決めの問題」を初めて聞く若手のビジネスパーソンも「おじさん言葉」と色眼鏡で見て済ませるだけでなく、その言葉が暗に示している「タスクに優先順位をつけることの重要性」や「仕事におけるスピード感の大切さ」などにも目を向けてみると、社会人としての気付きを得られるのではないだろうか。
「決めの問題」を英語で言うなら?
「決めの問題」を英語で言いたい場合、言葉の意味を端的に表現する英単語は存在しない。そのため、「It is a matter of decision-making.(意思決定の問題)」のようにセンテンスで表現すると良いだろう。「そちらで決めてもらって良い」というニュアンスを出したい場合は、「I’ll leave it to you.(それはあなたにお任せします)」や「We leave the decision up to you.(あなたに決断を委ねます)」などがおすすめだ。
文/編集部