コロナ禍が一段落した2022年。2020年~2021年には「巣ごもり需要」で伸長したと考えられる玩具の販売額だが、昨年はどのような変化が生じたのだろうか?
GfK Japanはこのほど、全国の家電量販店、総合量販店、インターネット販売における2022年(1-12月)の玩具販売動向を発表した。
なおここでの「玩具」とは、テレビゲーム関連商品、ホビー関連商品、雑貨等を含まない純玩具を指す。
玩具販売動向
2022年(1-12月)の全国の家電量販店、総合量販店、インターネットにおける玩具販売は金額前年比5%増となった(図1)。
大分類別にみると、ゲームの金額伸長が玩具全体の伸びをけん引した。特に大分類ゲームに含まれるトレーディングカードは、コロナ禍の2020年以降需要が急増したが、2022年も「ポケモンカードゲーム」が好調に販売を伸ばしたことや「ワンピースカードゲーム」が新たに展開されたことで、金額が底上げされた。
SNSなどで話題となることも多かった「ルービックキューブ」も、大分類ゲームのプラス成長に貢献する金額伸長がみられた。大分類ゲームが玩具全体に占める金額構成比は、前年同期から4%ポイント拡大し約3割に達した(図2)。
2020年に社会現象ともなった「鬼滅の刃」の盛り上がりが一服した一方で、基礎玩具では「パウ・パトロール」、男児玩具では「トミカ」や「スーパー戦隊シリーズ」、女児玩具では「おせわだいすきメルちゃん」など、金額が二桁成長となる好調キャラクターがみられた。
基礎玩具は若干のマイナス成長にとどまり、男児・女児玩具は2021年よりも金額下落率が改善した。ぬいぐるみにおいては、「ポケットモンスター」「ちいかわ」「星のカービィ」などの金額増加がプラス成長に寄与した。
平均価格の動向
トレーディングカードなど単価の低い商品が占める比率が拡大したことから、大分類ゲームの平均価格が低下しただけではなく、純玩具全体の平均価格も前年比15%減と大きく低下した(図3)。
多くの食料品や日用品と同様に、玩具においても2022年は原材料費や物流コストの上昇から相次いで価格改定が実施され、商品単位でみると前年より高い実勢価格の商品が多くみられた。
ただし、ミニカーなど低単価商品の販売が伸びた男児玩具、電子知育玩具などが含まれる高価格帯比率の拡大傾向が高止まりした基礎玩具においては、単価上昇分が相殺され、ほぼ前年並みの平均価格にとどまった。
出典元:GfK Japan
構成/こじへい