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乗ってわかったホンダのコンパクトSUV「ZR-V e:HEV Z 4WD」の実力

2023.04.09

ヴェゼルに次ぐホンダの新作クロスオーバーモデルがZR-Vだ。プラットフォーム、エンジンなどを、走りに定評ある最新のシビックから受け継ぎ、スタイリッシュなボディを纏う、北米、中国でも現地生産で展開するグローバルモデルである。

プラットフォームなどを共用するシビック

ZR-Vのヴェゼルや日本市場では今はなきCR-Vとのパッケージ比較については、この@DIMEですでに報告済みだが、今回はハイブリッドの新開発スポーツe:HEV(ホンダSUVに初搭載)、ガソリンターボモデルが揃う中の、最上級、最高価格グレードとなる、車両本体価格376・86万円のe:HEV Z 4WDの試乗記をお届けしたい。

ZR-Vに接してまず目を引くのが、フロントグリルの精悍なカッコ良さだ。某欧州高級車に似ているとの声もないでもないが、素直にカッコいいと思わせてくれるのだから、それでOKだ。ヴェゼル以降、ホンダのエクステリアデザインはトンネルを抜けた・・・なんて思ったりする。スーパープラチナグレー・メタリックのボディカラーは実にZR-Vに似合っている。

パワーユニットは2Lエンジン141ps、18.6kg-mに184ps、32.1kg-mのモーターを加えたハイブリッドシステム、スポーツe:HEVだ。そう、プラットフォーム、そしてパワーユニットもシビックのスポーツe:HEVモデル譲りとなる(スペックはまったく同じ)。ちなみにFFのみのシビックスポーツe:HEVモデルの車重は1460kg。このZR-V e:HEV Zの4WDモデルの車重は1630kg。つまり170kg重い。ZR-Vのスポーツe:HEV Z FFモデルだと1580kg。こちらでもシビックにくらべ120kg重いことになる。

そんなZR-Vに乗り込めば、まずは本革シートが標準となるインテリアの上質感に唸らさられる。パンチングメタルの空調アウトレットなどはシビックそのものと言っていいのだが、インパネを含むほとんどの部分がソフトバッドで、ボタン式CVTセレクターや、センターコンソールがブリッジ形状になっていて(左右にUSBあり)、その下が便利な収納になっているなど、質感と使い勝手の良さの両立が際立っている印象だ。

前席のドライビングポジションは、「セダンライクに乗車姿勢」をコンセプトとしているためか、パワーシートを最下端にセットすると、身長172cmの筆者だとヒップポジションに対してインパネ、フロントウインドーがかなり高い位置となり、もちろん、ボンネットは視界に入らず、沈み込んだドライビングポジションとなる。ヴェゼルでは、前席を最下端位置にして運転して違和感のないドライビングポジション、良好な視界が得られたのだが、このZR-Vのパッケージングの考え方は、高身長の人でもドライビングポジションを取りやすいとも言えそうだ(上下の調整幅が大きい)。で、筆者はパワーシートのハイトコントロールを、例外的にグイーンと上方にセットして、やっとボンネットが視界に入るドライビングポジションを得ることができた。

あのハイブリッドスーパースポーツのホンダNSXから採用されたボタン式CVTセレクターをDレンジにセットして走り出せば、パワーステアリングはステップワゴンがそうであるように、同クラスのライバルに対して重めのズシリとしたアシスト、操舵フィールが特徴的だ。

ドライブモードはECON(ホンダ流のエコモード)、NORMAL、SPORT、そしてホンダ国内初のSNOWモードの4種類。NORMALモードでの走り出し、加速感は、あの感動的に気持ちいい走りを見せるシビック(FF)のテイストとは結構違う。たしかにスムーズで、バッテリーに余裕があればEV走行だから静かなのは当たり前で、粘り強くEV走行を行ってくれるのだが、低速域、登坂路では良く言えば重厚な加速感、言い方を変えれば184psものモーター出力、軽快さを感じにくい加速フィールとなる。繰り返すが、同パワーユニットを積むシビックに対して170kg重いのだから、これは致し方ないところだろうか。ECONモードではさらに穏やかな走りになる。

とはいえ、CVTにしてATのようなステップ変速感をもたらすリニアシフトコントロールが威力を発揮しだす、アクセルペダルを深く踏み込んだ領域、あるいはドライブモードをSPORTモードセットした時には力強くストレスのない痛快な加速力を味わせてくれることになる。当然、そこではエンジンが始動(高速走行でも基本的にエンジンモードになる)。その際のサウンドは、シビックのようなスピーカーから発せられる合成音システムこそ採用されていないものの、さすがホンダのパワーユニットだけあって、快音をうるさすぎない程度に聴かせてくれるからゴキゲンだ。また、山道でメタル製減速セレクターを多用すれば、活発な走りも味わえる。欲を言えば、日常域、低速域でも走りの力強さ、スムーズさ、軽快感があればなおいい感じになると思ったりする。そのあたりは、このあと試乗する、スポーツe:HEV Z 4WDに対して50~90kg軽量なスポーツe:HEV FFモデル、ガソリンターボモデルに期待したいところである。

筆者の愛車にも履いていて大満足の、ヨコハマタイヤ史上、もっとも静粛性に優れたと称されるハイパフォーマンスコンフォートタイヤのヨコハマADVAN dB V552(225/55R18)を履く乗り心地は、ドシリと硬めかつしっかりしていながら、路面や段差へのあたりがマイルドで、荒れた路面でのショックの吸収性も良く、なかなか快適。高速域でのフラット感も文句なしである。

そして操縦性はまさにホンダ流。操縦感覚は穏やかに躾けられているものの、サスペンションストロークが抑えられ、カーブや山道での車体の傾き、ロール感は最小限。ステアリングを切ったぶんだけ応答遅れなく、素直に向きを変えてくれるあたりも好印象。そのため、人車一体感があり、想像以上に走りやすいと感じさせてくれるのだ。

ちなみにこのZR-Vの4WDシステムはトヨタのE-FOURのような電気式ではなく、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトの恩恵で、後輪にプロペラシャフトを介して大トルクをダイレクトにつなぐ構造を採用。最低地上高190mm、新設定のSNOWモードも備わり、このe:HEV 4WDモデルは、ダートや雪道を含む悪路、路面の走行機会が多い人にとって最適なZR-Vになるのではないだろうか。

このあと、ホンダZR-Vのスポーツe:HEV FFモデル、ガソリンターボモデルの試乗記をお届けしたい。

ホンダZR-V

文・写真/青山尚暉

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