最短時間で最大の成果を出す法則を数々編み出した木下勝寿さん。時間が足りない、がんばっても目標達成できない……と嘆くビジネスパーソンに、150倍の成果を出せるヒントを伝授。
北の達人コーポレーション
代表取締役社長
木下勝寿さん
1968年神戸生まれ。リクルート勤務を経て、2002年にeコマース企業「北の達人コーポレーション」を設立。一代で時価総額1000億円企業に育てた。著書に『時間最短化、成果最大化の法則』(ダイヤモンド社刊)などがある。
成果の上がる考え方のクセを身につける
仕事の成果はスキルで上がると考えられてきたが、短時間で成果を出すには思考アルゴリズムが重要というのが北の達人コーポレーション代表の木下勝寿さんだ。
「スキル差は最大で3倍程度しかありませんが、思考アルゴリズムの差は最大50倍にも上り、これにスキルを掛け合わせると150倍もの大差となります」
思考アルゴリズムとは、「考え方のクセ」のこと。例えば、困難な仕事に直面した時、「無理だからやめよう」と考える人は成功確率0%だが、「やってみよう」を考える人には数%の成功確率がある。両者が同じスキルでも、成果の上がらない考え方のクセを持つ前者と、上がる考え方のクセを持つ後者では、成果を出せる可能性が確実に変わってくるわけだ。
「クセを変えることは難しい。そこで、デキる人の思考アルゴリズムをもとに、脳にインストールすることで、誰もが短時間で成果を出せる法則にしました」
ここでは8つの法則を使い、木下さんにビジネスパーソンの仕事の悩みを解決してもらった。
仕事の悩みに年代は関係ない。最近では管理職となったビジネスパーソンも、「部下の育成」や「チーム・部門の運営」など、会社から求められる仕事の成果を達成するため、様々な悩みを抱えている。
Q 部下のミスが多いのですが、どうしたら改善できますか?
ジョハリの窓の法則
ミスの直らない人は、ミスをミスと認識していません。こうした欠点の克服に役立つのが、自分と他人の認識のズレを理解できる心理学の手法「ジョハリの窓」です。5、6人がチームとなり、他者から指摘される自分の欠点を認識することを目的としています。チーム全員から「ミスが多い」と指摘されると本人もようやくその欠点を自覚でき、改善の糸口となっていきます。
Q チームをうまく率いることができません
後天的リーダーの法則
管理職に求められるのは、部下の育成と仕事で成果を出すことで、部下を率いることではありません。人望を集める必要はなく、各メンバーに仕事をきっちり振り、遅れている部分をサポートすれば十分です。リーダーには先天的と後天的があり、社会人になって初めてリーダーになった人はほぼ後者。先天的リーダーを真似るより、仕事で成果の出せるリーダーを目指したほうが評価につながります。
Q 仕事量が多すぎて、回しきれません!
ピッパの法則
ピッと思いついたことをその場でパッとやると、タスクが滞らず、次々にこなしていけます。仕事の優先順位づけといったタスク管理をする前に仕事が終わっているので、キャパは10倍に増えていきます。日常の中で3週間だけこの「ピッパ」を実践してみてください。スキルが身につけば驚くほど早く仕事が回っていきます。
Q 目標を立てても、なかなか達成できないのですが
理論上成功する設計図の法則
目標を達成できる人は、初めに達成というゴールまでの設計図(案)を描いて前に進み、状況により、途中で別に用意した設計図に変更しながらゴールを目指します。成果の出ない人は設計図を書かず、感覚だけでゴールを目指そうとします。奇跡的にゴールしてハイ達成する月もありますが、通常は壊滅的な達成率しか上げられません。この差に気づけば、あなたも成果を出すことは可能です。
Q 一生懸命やっているのですが、成果が出ません
原因解消思考と最終目標逆算の法則
そもそもやり方が間違っているから成果に結びつかないんです。解決方法は2つ。まずはうまくいかない原因を解消すること。もうひとつは、どんな成果を出したいか、最終的な目標を具体化し、到達の方法を逆算して考えることです。やっていることと目標がズレているといつまでも成果は期待できません。原因解消と最終目標逆算を考えるクセをつけてみてはいかがでしょう。
Q 仕事の優先順位をつけるのが苦手です
優先順位のダブルマトリックスの法則
まず仕事を緊急度と重要度に分けましょう。初めに「緊急度も重要度も高いタスク」をすぐ終わるもの順に行ない「緊急度も重要度も低いタスク」は最後に回します。緊急度より重要度を優先したほうが成果は上がるので2番目に「重要度が高く緊急度の低いタスク」、3番目に「重要度が低く緊急度は高いタスク」をやるといいですね。
Q 新しいことに挑戦したいけれど、失敗するのが怖い
成功率70%でチャレンジの法則
新しいことを一か八かでやるのは無謀ですが、絶対にうまくいくまで待っているといつまでも実行できません。そこで成功率が70%に達するまで徹底的に調査を行ない、失敗が生活の致命傷にならないことを前提に「70%の確率でうまくいく」と判断した時点でチャレンジしてみましょう。失敗しても経験になるので、経験を積むことで、新しい挑戦の成功率は80%、90%に上がっていきます。
Q ルーティーンの仕事をしていてスキルアップできません
年代別ステップアップの法則
身につけておくスキルは年代ごとに変わってきます。大きくは4つあり、入社から5年の一般社員やリーダークラスは「業務スキル」、10~20年の管理職クラスは「チームマネジメントスキル」と「未知問題の解決スキル」、経営者になると「仕組みをつくるスキル」を求められます。キャリアアップを目指すうえでもこの4大スキルは重要です。
取材・文/安藤政弘 撮影/黒石あみ イラスト・グラフ/フジノマ
DIME5月号の特集は「ミニマルライフ&ギア100」「鉄道新路線」「最新防犯家電」、特別付録は電子メモパッド付き計算機
DIME5月号の特別付録は、ミニマルサイズの超便利グッズ、「5インチ電子メモパッド付き計算機」。外出先や仕事中に、ちょっとした計算が必要になったり、メモをとる必要が生じたりすることは多いはず。そんな時に重宝するのが、小さいけど便利なこの付録。折りたたみ式の手帳型ガジェットで、片側に12桁表示の電卓、片側に約5インチの専用ペン付き電子メモパッドを搭載。
サイズは、シャツの胸ポケットに収まるコンパクトサイズで軽いのが特徴。落ち着いたブラウンカラーのボディーは、マットな質感で、見た目もお洒落。ジャケットやパンツのポケットに入れるのもよし、エプロンのポケットに入れておくのもよし、バッグにしのばせておくのもよし、デスクやクルマの収納に入れておくのもよし、いくつあっても便利なアイテムであること間違いなし。ミニマルなライフスタイルを好む人も、そうでない人もぜひこの便利なアイテムを活用してみてほしい。
■第1特集 タイパを上げる!ミニマルライフ入門
四角大輔、アブラサス南和繁社長、精神科医Tomy、人気インフルエンサーたちが実践する超時短&効率化のミニマル思考術を大公開! 仕事のパフォーマンス、暮らしの満足度、メンタルの充実度が劇的にアップするヒントを徹底解説!!
”タイパ”がトレンドの今、ビジネスパーソンは「ミニマル思考」に注目したい。仕事効率が上がるだけでなく、シンプルに心地よく暮らすための新キーワードだ。この春、ライフスタイルを一変させよう!
■第2特集
PC、ガジェット、家電、バッグ、ビジネス小物 春の新生活ベストバイ64
■第3特集
開業ラッシュの2023年、通勤・出張はこう変わる!鉄道新路線&新駅<2023>徹底解剖!
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※電子版には付録は同梱されません。