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2025年度から共通テストに加わる新科目「情報I」とそれを取り巻く教育現場の実情

2023.04.10

教育現場は教科「情報」の実装でどう変わる?

教科「情報」追加の背景には、プログラマーの数を増やしたいという思惑があると勝田さんは語る。

「改訂後の学習指導要領では、小学校からコンピュータの扱い方やプログラミングの基礎的な考え方などについて学びます。そして中学校や高校でプログラムを組むことができる人材を育成し、次代を担うIT人材を輩出できる環境を整えたいと政府は考えているのではないかは思います」

こうして始まった教科「情報」だが、新渡戸文化高等学校ではカリキュラムに沿った授業に加え、クリエイターをゲストティーチャーとして招くことがあるという。

「情報の科目は他の科目よりも実学的な側面が大きいと思います。我々教師がカリキュラムに沿って教えることが大事ですが、実際に現場で活躍している方から学ぶ機会も生徒にとっては重要だと考えています」

過去にはパルコのショーウインドウを手掛けるデザイナーを呼び、仕事におけるデザインの考え方について授業を行ったことがある。

「情報Ⅰ」について、我々親世代はどのように向き合えば子どもの成長に繋がるのだろうか。「家庭でも学校でも、情報やツールに”フタ”をしないことが重要」だと勝田さんはアドバイスする。

「スマートフォンやSNSは、使い方を誤ると思わぬ危険が及ぶツールではあります。だからといって全てを親の制御下に置いてしまうと、子どもがいざ成人してその枷が外れた際、ツールとの付き合い方が分からず、かえって苦労してしまうということが懸念されます。学校の現場でも、私以上にツールを使いこなしている生徒がいますが、他の生徒と足並みを揃えることはしていません。一緒に面白がることで、生徒の力を伸ばそうという姿勢を大事にしています」

AIやロボット技術など、情報をとりまく環境はこれからも劇的な変化を遂げ続けるだろう。だからこそ「情報Ⅰ」は単なる1授業科目というだけにとどまらず、人生におけるスキルとして役に立つ。それを経験していない我々大人にとって必要なことは、子どもの可能性を広げるために、同じ目線に立ち、共に学ぶ心構えなのかもしれない。

勝田浩次/新渡戸文化学園中学校・高等学校の情報科教員として勤務。プロジェクトデザインチームのチーフとして、学内のイベントや、総合的な探究の時間に関わる。2021年からは教職を務める傍ら、教育コンサルタントとして、1人1台端末の活用や新コース開設のサポートなどの支援も行っている。Apple Distingished EducatorとしてSTEM教育研究会を立ち上げ、活動中。Google Educator Group Sakaiのリーダー。

取材・文/桑元康平(すいのこ)
1990年、鹿児島県生まれ。プロゲーマー。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務などを経て、2019年5月から2022年8月まで、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド・ライゼストに所属。現在はフリーエージェントの「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動中。代表作に『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』(小学館新書)。

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