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学んだ経験が資産になる!Web3が実現する「Learn to earn」の現状と課題

2023.04.10

「X to Earn」の浸透を加速させるプラットフォーム「アニカナ」

今回の実証実験にて技術提供を行ったレヴィアスの代表、田中慶子氏は、新たなWeb3.0プラットフォーム「アニカナ」を生み出し、その発展、適正化を目指すため、一般社団法人日本アニカナ業協会を設立した。

●「アニカナ」とは?

アニカナとは、ブロックチェーンを活用したあらゆる体験や経験をデータ化することで、経済的価値に変換する仕組みためという。

田中氏によれば、現状、X to Earnは日本の一般消費者を対象としたサービスとしてはほとんど利用されていないという実態があるが、その大きな理由の一つとして、一般ユーザーにとってX to Earnを活用したサービスを利用することのハードルが非常に高いことが挙げられるそうだ。

「最初にメタマスクという暗号資産に関するウォレットをダウンロードし、次に海外の暗号資産取引所に口座を開いたうえで、サービスで獲得した暗号資産を日本円と交換可能なビットコインなどの暗号資産と取引して…といったように、もはや暗号資産に詳しい人でなければX to Earnを活用したサービスを利用しきれないものとなっています」(田中氏)

それなら、暗号資産ではなく現金やクレジットカードで経済的な変換を行うサービスを行えばいいのでは、と考えるが、そう簡単にはいかない。

「現金やクレジットカードを利用することには、資金決済法、賭博罪、社会通念上の良俗性などの大きな壁がいくつも存在します。こうした障壁が存在することから、現状ではX to Earnを活用したサービスが普及できないあるいは普及しにくい状況となっています」(田中氏)

こうした課題を解決するWeb3.0プラットフォームがアニカナだ。

「アニカナを活用すれば、これまでにないアルゴリズムを用いることで、現行の日本法の枠組みの下、法定通貨によるX to Earnを実現でき、これまで難しかった様々なサービスやプロダクトも実現できるようになります」(田中氏)

「Learn to earn」の現状課題と今後

今回の実証実験でも取り上げられたLearn to earnは、アニカナといったプラットフォームを通じて今後、日本に浸透していく可能性がある。日本が今抱える「学び」についての現状課題とは? 田中氏に聞いた。

「Learn to earnは、学んだ成果を経済的価値に変換し、対価(お金)を獲得することができるという新しい仕組みであるため、まだまだ認知されておらず、普及という面ではこれからです。また、学びを通じて対価(お金)を得るということに対して教育機関等にやや抵抗感があるという実態もあります。

これからの社会は、テクノロジーの発展やデジタル化によって、単純な学歴よりも将来に向けて学ぼうとする意思や行動、新しい技術を効果的に活用するスキルや経験などが求められることになります。Learn to earnを活用して、どの様な人材育成フローが実現できるのか、今後、様々なユースケースが必要となると考えています」(田中氏)

Learn to earnが日本で拡大することにはどのようなメリットがあるだろうか。

「学びや学習に対しての『新しい仕組みの創出』が期待できませ。

私の学生時代は、学校や親から『勉強しないと世間から遅れを取る』というイメージを与えられていた気がします。時代がそういう時代だったので良し悪しの話ではないですが、当時、私はそのとき流行りの参考書や勉強方法に合わせて勉強していました。学習塾にも通っていましたが、月謝に見合う結果を出さないといけないという勝手なプレッシャーとも戦っていた気がします。勉強が楽しかったかというと苦痛だったのかもしれません。好きや得意、苦手や不得意など関係なく、とりあえず体裁を整えて世間から良い評価を得ることが学習の正しさでした。だから、徹夜で暗記するやっつけ仕事のようなことも日常茶飯事でした。そこには残念ながら、学習の楽しさとか、自ら学びたいとか、そういったものはありませんでした」(田中氏)

これらの課題解決のために、アニカナはどのように寄与するだろうか。

「アニカナを活用したLearn to earnでは、このような課題のいくつかはクリアできると考えています。Learn to earnの最大の特徴は、学びや学習した体験結果が対価(お金)となって自分自身に返ってくること。これは新しい仕組みと言えます。まだまだユースケースの検証は必要ですが、10代や20代のこれから未来を担う人たちとって、新たな学習へのモチベーションとなると思っています。

また学習へのモチベーションが高まれば、『自分は何が好きで得意なのか?』『もっとこの分野を追求したい!』など、自分自身で気づくことで、学習の方向性やスタイルを自分で決めていくことができるようになると考えています。

今後はさらにスマートフォンやタブレットなどが学習とは切り離せない時代となっていきます。アニカナを活用したLearn to earnは、最先端のITの世界を日常で触れることになり、学びや学習といった体験や経験が、頑張った結果として対価(お金)となる。こうした一連の流れを通じて、金融庁が掲げている『貯蓄から投資へ』という金融リテラシー向上の一翼を担うものと思っています」(田中氏)

健康データが価値になる「Health to earn」は若者に響くか

Learn to earnの他に、日本で浸透しそうなX to earn分野は何か。田中氏は次のように答える。

「その他には、『Health to earn(健康)』『Eat to earn(食べる)』『Shopping to earn(買い物)』『Song to earn(歌う)』など様々な分野での活用が考えられます。

その中でも『Health to earn』は日本の課題解決につながると考えます。厚生労働省の統計では平均寿命と健康寿命の差が約10年あるというデータがあります。仮に、この10年の差を、健康寿命を延ばすことで埋めることができたのならば、日本の医療費の削減につながります。

特に50代、60代の方は、世代的にも健康意識が高い傾向があるので、こまめに病院に行ったり人間ドックなど受けたりされていると思いますが、若い20代、30代の方はどうでしょう。この世代の平均年収は、厚生労働省の調査では、20代で250万円~300万円、30代で330万円~360万円というデータがあります。こうした収入状況で、さらに仕事や子育てなど多忙な日々を送る世代でもあるのに健康へ意識が向くでしょうか? 『まだまだ若いから大丈夫だし、お金もかけたくない』というのが本音だと思います。

その課題を解決する方法の一つとしてHealth to earnが役立ちます。健康診断、日々の運動、毎日の食生活など自分自身の健康に関する体験結果をデータにすることで対価(お金)がもらえるのです。娯楽的要素も入れられるのでゲーム感覚で、楽しく健康管理へのマインドセットが図ることができるでしょう」(田中氏)

今後は、さらにWeb3.0が現実の仕組みとして実装されていく中で、特にX to earnを通じた経済行動の発展が期待される。当面、そのサービスの仕組みや法的規制の障壁との折り合いをどうつけていくかが課題となりそうだ。

【取材協力】

田中 慶子氏
レヴィアス代表取締役、一般社団法人日本アニカナ業協会理事長
光通信にてトップセールスを達成後、スタートアップ起業を経験。プレミアム・インベストメント&パートナーズで不動産関係大手の会長からの依頼を受け、その経験・ノウハウを活かして立ち上げた会社が、田中氏が10年余にわたり代表取締役を務めてきたアスグラッド・コミュニケーションズ。同社では、不動産業と再生可能エネルギーに関する事業を展開している。

【参考】
ワークアカデミー プレスリリース
アニカナジャパン

文/石原亜香利

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