幅広いプロトコル・I/Fにより屋外撮影の可能性を拡大
パナソニック コネクトは、屋外対応4Kインテグレーテッドカメラ「AW-UR100」を開発。2023年度第2四半期より発売を開始する。
このカメラは4K/60pに対応した撮影性能とD.I.S.S.(Dynamic Image Stabilizing System)を搭載することで、大型スタジアムのような大規模な会場でも高精度な撮影を実現。クロッピング機能によって決定的な瞬間を撮り逃すリスクを軽減できる。
さらに沿岸地域の空港・倉庫街や大型船からの映像撮影、豪雪や台風時のライブ中継など、厳しい屋外の環境に耐えうる堅牢性も保持。柔軟で効率的なシステム構築を叶える幅広いプロトコル・I/Fは、屋外撮影の可能性を拡大する。
同社では今回の発表に際して、「撮り逃しや撮影ミスなど、あらゆるリスクが考えられる屋外での映像撮影時でも、お客様に安心して現場に臨んでいただける信頼感をご提供します」とコメントしている。
開発の背景〜屋外での映像制作現場の課題の解決に向けて
近年、インターネットやスマートデバイスの普及による映像視聴スタイルの多様化が進み、ライブ配信を含む映像制作需要が拡大している。
特にコロナ禍による影響を大きく受けた屋外ライブエンターテイメント業界では、オンラインとオフラインのハイブリッド形式のイベントが増加。
5Gなど大容量・高速通信の拡大、そして「映像活用の一般化」によって、目の肥えた視聴者の期待を上回るクオリティや、飽きさせないための新しい映像体験・表現・演出の提供を限られた予算の中で提供していくことが常に求められている。
また、遠隔操作が可能なリモートカメラの用途や活用場面も近年拡大傾向にある。
そのため天候や気温などの気象状況に影響される屋外での撮影など、スタッフによる撮影が難しい過酷な環境での撮影・映像中継には、様々な屋外環境に対応できる筐体の堅牢性と、どんな場面でも高精度な撮影を可能にする機能性が必要だ。
人手不足や働き方の変化に伴いIP伝送を用いたリモートでの映像制作・オペレーションへの転換も加速しており、映像の品質の確保と撮影現場の効率化の両立が映像制作現場の大きな課題となっている。
このような、屋外での映像制作現場の課題の解決に向け、同社は筐体の高い堅牢性と高精度な撮影機能を両立した新製品「AW-UR100」を開発。
その主な特徴は以下のとおり。
大規模な会場でも見せ場を撮り逃さない高精度な映像撮影
大きなスタジアムや音楽フェスなど、大規模な会場で様々なアングルから撮影を行う際、どの位置のどの場面でハイライトシーン撮影のチャンスが来るかはわからない。
そこでAW-UR100は水平74.1°の広角レンズ搭載で広範な撮影範囲を確保。4K/60pに対応し、24倍の光学ズーム、10倍のデジタルズームも可能だ。
光学式画揺れ補正(O.I.S.)、電子式ROLL補正(E.I.S.)、パンチルト式画揺れ補正(D.I.S.S.:Dynamic Image Stabilizing System)の3つの揺れ補正の搭載により画揺れのリスクも軽減。
設置環境を問わずに高精度な映像撮影が可能なので、大規模なスタジアムなどの会場を俯瞰的に撮影しながら、ハイライトシーンをしっかり狙うことができる。
過酷な環境下でも撮影し続けられる堅牢性
空港でのニュース映像撮影や海沿いの倉庫街での映像中継、大型船からの映像撮影といった塩害の影響を受けやすい環境や、雨・風・雪・紫外線の影響を受けやすいライブ中継映像の撮影環境にも耐えることが可能。
黄砂や飛砂を防ぐ密閉性も担保したほか、マイナス15℃の極寒環境でも暖めることで着霜・着氷・結露を防止するデフロスターや、過酷な環境下の運用においても、レンズ部をクリアに保つワイパーも搭載している。
さらに防水防塵試験や塩害噴霧試験など、屋外でのあらゆる使用環境を想定した様々な証実験を実施。気候や環境の影響を受けずに撮影し続けられる確かな堅牢性を実現した。
豊富なIFによるシステム構築の柔軟性
屋外での映像撮影の多様化に伴い、AW-UR100は3G-SDI、12G-SDI、Fiberなど主要なベースバンド伝送に対応できる映像伝送IFを搭載。NDIやSRTなどの多様なIPプロトコルにも対応。FreeDにも対応しているので、AR/VRシステムの構築も可能だ。
撮影環境や既存の映像制作システムに合わせられる柔軟性も備えており、録画・編集・配信など設置環境や目的に合わせて幅広く活躍が期待できる。
関連情報
https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services/proav_remote-camera-system/lineup/aw-ur100
構成/清水眞希