近年注目が集まる「スマートホーム」だが、具体的にはどんな企業がサービスを提供しているのだろうか?
LIVING TECH協会と、スマートホームに関する事業開発のコンサルティングおよび伴走支援を行うX-HEMISTRYはこのほど、「スマートホームカオスマップ第1版」を公開した。
本カオスマップは、ユーザーの生活の中にある「スマートホーム」というソリューションを12のジャンルに分け、のべ250社をマッピングしたものだ。
なおここでの「スマートホーム」は、「モノとモノ」「モノとコト」がネットワークで繋がり、機能やサービスがアップデートされることで、一人ひとりにフィットした暮らしが実現できる住環境、を指す。
「スマートホームカオスマップ第1版」におけるジャンル別のトレンド
①Smart Lighting(スマート照明)
スマート化の利便性さを感じやすい照明は、需要が高くプレイヤーも多数。スマホのようなタッチディスプレー型壁スイッチも人気。効率的操作で節電効果も期待。
②Energy Management(エネルギーマネージメント)
ヨーロッパでは以前から関心が高いエリア。北米では盛り上がりに欠けていたが昨今、注目の領域になってきている。
③Access Contro(入退管理)
他社のシステムにも繋がることを前提としたオープンな仕様になっていることが一般化。一時利用しやすいデジタルキー提供のトレンドに加え、今後、新たな施解錠手段や標準化が進みそうな領域。
④Smart Home Security(スマートホームセキュリティー)
セキュリティ+スマートホームは王道の訴求方法。堅実にシェアが伸びておりDIYで設置する商品も多数。
⑤Insurance(損害保険事業者)
IoTによる住設機器不具合の早期発見で保険金の支払いを低減することができるため、損保が漏水センサー等を保険にセット販売したり、利用を前提に保険料を割り引くということがトレンドに。
⑥Luxury Smart Home(富裕層向けソリューション)
富裕層向けのスマートホームが米国を中心に普及。シアタールームやAVとの連携が特徴で利用料も高額だが需要あり。
⑦Support(設置設定サービス)
スマートホームの普及に合わせ、有償でも設置や設定をして欲しいという層からの需要が増加。月額固定型のサービスやC2C型のプラットフォームなども登場。
⑧Smart Appliance(スマート家電/ネットワーク家電)
欧米では繋がる家電が当たり前に。データを分析してAIが自動で設定する、節電するなど先回りした家電がトレンド。
⑨Smart Apartment(スマート住宅)
北米で急伸するソリューション分野。当初は戸建てが盛況だったが、集合住宅でも加速。物件内覧も非接触で済むなど、物件販売における効率化のみならず、物件の管理コストを下げたり、価値を上げるためにも有効と考えられている。上場企業も出てきており、北米市場では、もはや新築住宅のスマート化は当たり前になりつつある。
⑩Home Automation(ホームオートメーション)
DIYが中心のラインナップやAPI提供などを行うプレイヤーが多数でているが、各社順調に成長。
⑪Telco(通信)
通信サービスはコモディティ化が進み、映像サービスはインターネット回線を通じてコンテンツを配信するOTTストリーミングで多様化している。電話サービスは衰退が進んでいるため、スマートホームは差別化サービスとして注目。
⑫Standards/Alliance 標準規格/団体
遂にリリースされたCSAが標準規格/団体化したmatter、世界の家電メーカーが手を組んだHome Connectivity Alliance、セキュアにハンズフリーな生活を実現するFiraに注目。世界が手を握って天下統一に進む中、日本陣営は出遅れているか。
出典元:LIVING TECH協会
構成/こじへい