コロナ禍の影響で125ccが注目される
日本の二輪車の免許区分は、50ccまで乗れる原動機付自転車免許、125ccまでの普通自動二輪免許(小型限定)、400ccまでの普通自動二輪免許、400cc超の大型自動二輪免許に分かれている。どれも教習所で取得できるため、バイクに乗りたい人は400ccまで乗れる普通自動二輪免許か、制限のない大型自動二輪免許を狙う。
それではなぜ、いま125ccが注目されているのか。原動機付自転車なら普通運転免許で乗れるのだが、公道での制限速度が30km/h以下であること。二段階右折が必要な交差点があること、二人乗りができないというデメリットがある。125ccであればクルマと同じ法定速度で走行できる。二人乗りも可能。コスパから見ると自動車重量税はかからず、軽自動車税は2400円、自賠責保険料は50ccと同じで年間7070円と維持費が安い。また車両価格も安く、もちろん中古車も割安だ。デメリットは高速道路と一部の自動車専用道路や陸橋などが走れないこと。普通自動車免許を持っていれば学科免除で、教習所に行けば最短2日間で免許が取得できるという手軽さも見逃せない。
コロナ禍で公共交通機関よりも個人での移動が好まれ、小回りの得意な125ccの小型二輪がタイパとコスパのいい乗り物として注目されている。私には125ccは実用車というイメージが強かったのだが… 3月24日~26日に東京ビッグサイトで開催された「東京モーターサイクルショー2023」にて、実用車ではないカッコイイ125ccを探してみた。さらに充電池とモーター駆動のEVバイクもチェック。
ヤマハが125ccを一気に3モデル発表
ヤマハは「125ccから広がる新しい日常」と題して3モデルを日本初公開した。全車詳細は未発表だが海外で発売済みのモデルからの予想も踏まえて紹介してみよう。まずは往年のRZを思わせるカラーリングの「XSR125」が渋い。スポーツヘリテージシリーズのXSRの末っ子ということで、そのスタイリングはXSR700の流れをくんでいる。フロントは倒立フォークを採用、丸目のヘッドライトがトラディショナルな雰囲気を醸し出す。エンジンは水冷単気筒OHC4バルブと思われる。
2台目はネイキッドでアップハンドルのMTシリーズに加わる「MT-125」である。アシスト&スリッパークラッチにトラクションコントロールなどの走りを充実させる装備を搭載。エンジンは2気筒とはいかず、水冷単気筒なのでトルクフルな走りが期待できそうだ。フロントライトはシリーズに共通する小型LEDが搭載された。メーターは5インチのカラー液晶で、専用アプリによりスマホとの連携できるタイプに見えた。
3台目はスーパースポーツの「YZF-R125」である。走りを追求したシリーズで、兄貴分にはサーキット走行を想定した「YZF-7」が控えている。セパハン、フロント倒立フォーク、リアモノサスペンション、オプションでクラッチを握らなくても素早く変速できるクイックシフター、ABS、トラクションコントロール。水冷単気筒エンジンは可変バルブタイミング機構が組み込まれているようだ。
価格発売時期などの詳細は未発表だが、ヨーロッパやアジアで売れ筋モデルばかりなので日本に登場すれば、ストリートでも目立つ存在になるに違いない。
凝ったカラーリングの「XSR125」は乗りやすいポジションでタンデムも楽しそうだ。メーターは丸形のデジタルで欧州モデルはシフトポジションインジケーター付きだ
メーカー発売予定のアクセサリーでカスタマイズした「XSR125」。ビキニカウルとシングル風シートがカフェレーサー気分を盛り上げる。スポークホイールも発売して欲しい
アクラポビッチのマフラーとスモークのフロントスクリーンなどでカスタマイズした「MT-125」。125ccと言えばカスタムパーツが見つからず苦労したものだが、メーカーが純正で用意してくれば、取り付けなども含めて安心できる
軽さを武器に軽快なフットワークが期待できる「YZF-R125」。LEDポジションライトが埋め込まれたフロントカウルが素晴らしい。155ccの「YZF-R15」も発表された