エンジンの始動や電装品の作動などに欠かせないバッテリーは、一般的に2年〜3年が寿命といわれています。そんなバッテリーは、いつ寿命が訪れるかわかりにくいため、出先でトラブルになることも珍しくありません。そのバッテリーの状態を手軽に知ることができるアイテムが、シガーソケットに差し込むタイプの電圧モニターです。今回は、このシガーソケットタイプの電圧モニターが正確なのか検証します。
車のバッテリー電圧の重要性
出典:筆者撮影
そもそも車のバッテリーは、エンジンの始動や電装品の作動などに必要なパーツです。
エンジンを始動させることができなければ、走行ができなかったり、バッテリーの充電ができなかったり、電装品を動かしたりすることができません。そのため、バッテリーのマネジメントは重要です。
バッテリーの状態を見極める方法は、バッテリーの電圧が正常な値となっているのかを調べるのが一般的です。しかし、バッテリーが搭載されている位置を探して、テスターをバッテリーに繋げるのは、手間がかかるだけでなく、感電や発火のリスクを伴います。
では、手間をかけず、リスクも負わずにバッテリーの電圧を調べる方法はないのでしょうか。そこで登場するのが、シガーソケットタイプの電圧モニターです。
シガーソケットタイプの電圧モニターとは?
出典:筆者撮影
シガーソケットタイプの電圧モニターは、その名のとおりシガーソケットに差し込むだけでバッテリーの電圧をチェックできる機器です。
カー用品店やインターネット通販などで探すと、1000円ほどで手に入れることができます。しかし、レビューや評価などを見てみると「すぐに故障した」や「電圧が正確かわからない」など、様々な意見が見られます。
そこで、実際に1000円ほどのシガーソケットタイプの電圧モニターを筆者が購入し、表示されている電圧が正確なのか確かめてみることにしました。
検証方法
シガーソケットタイプの電圧モニターが正確なのかを検証する方法は次のとおりです。
1.市販の電圧モニターをシガーソケットに差し込みモニターの動作に不具合がないか確認する
2.車を点検に出してバッテリーの電圧をテスターで調べてもらう
3.テスターによる数値とシガーソケット電圧モニターの数値を照らし合わせる
上記の方法でバッテリー電圧モニターの正確性をチェックしていきます。
検証結果
車を点検に出したのは、寒さが続く2月のはじめ頃。ディーラーへ車を持ち込み、テスターでバッテリーの電圧をチェックしてもらうと12.45Vでした。
点検後、シガーソケットのバッテリー電圧モニターに表示されている数値を見てみると14.1V(エンジン始動時の値)となっています。
バッテリーは、通常時とエンジン始動時で電圧の違いがあるものの、12V〜14Vが正常な値です。このことからも、シガーソケット電圧モニターはおおむね合っているといえます。
バッテリーの電圧が低下するとどうなるのか?
出典:筆者撮影
バッテリーの電圧が低下すると、エンジンがかからなかったり、始動しにくくなったりします。また、パワーウィンドウの動作が鈍くなるなど、電装品の動作不良もバッテリーの性能低下のサインのひとつです。
出先でバッテリーによるトラブルに遭わないようにするためにも、定期的に点検したり、シガーソケットタイプの電圧モニターを使ってバッテリーの状態をモニタリングしたりすることが大切だといえるでしょう。
2021年度の出動理由1位は「バッテリー上がり」
JAFロードサービスの出動理由を見てみると、2021年度(2021年4月〜2022年3月)のトップ3は次のとおりとなっています。
1位:バッテリー上がり(40.7%)
2位:タイヤのパンク(18.6%)
3位:落輪・落込(7.7%)
上記のランキングからもわかるように、バッテリー上がりが出動理由のトップとなっています。安心してドライブを楽しむためにも、バッテリーの定期的な点検や交換は欠かさずに行うことが大切です。
目安として使えるバッテリー電圧モニター
今回の検証で、市販されているシガーソケットタイプのバッテリー電圧モニターは、ディーラーでのテスターによる数値とおおむね合っていることがわかりました。ただし、シガーソケットタイプの電圧モニターは、バッテリーに直接繋いでいるわけではないため、シガーソケットタイプの電圧モニターの数値はバッテリーの状態を確かめる目安として考えるのが良いといえるでしょう。
取材・文/齊藤優太