スマホを幼い頃から持ち、当たり前のようにインターネットでつながる子どもたち。しかし、多くの親は安易なつながりにリスクを感じ不安を覚えます。
総務省によると、2020年における個人のインターネット利用率は、6歳から12歳の児童も8割を超える数値となっています。
SNSを子どもたちに使うな……とは、なかなか強く言えなくなっている今、安心して子どもたちに手渡せるサービスはないものでしょうか?
SNSじゃない「ソーシャルサークル」という考え方
シンガポールを中心に世界10か国以上で、子ども向けのIOT機器を販売する注目の会社があります。myFirst.tech社 ジージェーヨン代表取締役は、同社を2017年に設立。以来、単なるおもちゃを提供するのではなく、テクノロジーを子どもたちに与える会社として活動しています。
myFirst.tech代表取締役 ジージェーヨン氏
そのため、テクノロジーのもたらす不要な危険から、子どもたちの暮らしを守るという意識は高く、常に細心の注意を払ってきました。そんな同社が開発したのが、子ども用のSNSアプリ「myFirst Circle」です。
このアプリの最大の特徴は、〝考え方〟でしょう。SNSとは「ソーシャルネットワーキングサービス」を意味しますが、myFirst Circleは「ソーシャルサークル」という考え方を進めています。
どういうことかと言うと、子どものつながりの中心には家族があり、その周辺に友だちや知り合い、ご近所……といった関係があり、親がしっかりとインターネット上での子どものつながりを守るという発想です。
日本は〝ネットいじめ〟という言葉が示すように、子どもがSNSなどの脅威にさらされることがありますが、諸外国の子どもたちもリスクを抱えています。
例えば、ニュージーランドでは家に突然、「ボクが○○ちゃんのお友だちだよ!」と、小学生ほどの我が子に初老の成人男性が訪れるという政府広告で、SNSのリスクを警告していたり、アジア諸国でも、娘の友だちが家に訪れて「○○ちゃんのネットでの暴走は目に余る」と、親にとっては青天の霹靂なクレームが向けられるといった内容の広告が配信されるなど、SNSを巡るトラブルは尽きないようです。
ジージェーヨン氏も我が子を育てる上で、SNSトラブルから守るために日々悩んでいたそう。その解決策として、「ソーシャルサークル」=myFirst Circleを1年かけてスタッフと開発したのです。