6割が保険適用開始で不妊治療を行う判断に影響があったと回答
この数年は妊娠を考えている人にとって、変化の激しい期間であった。コロナ流行と保険適用の開始で、妊活事情はどのように変わったのだろうか。
リクルートが企画制作する妊娠・出産情報誌『ゼクシィBaby妊婦のための本』は、ママたちの決断や本音、保険適用開始による不妊治療の状況について調査を実施した。
コロナの流行で妊活時期は変化した?76%の人の時期は変わらず
Q.コロナの流行で妊活の時期について意識はどう変化しましたか?
コロナの流行で妊活の時期について意識に変化があったかを質問したところ、「変わらない」が75.9%となり、「流行前から妊活していて中止したくなかった」や「家族計画優先でコロナ流行は関係なかった」などの意見が聞かれた。
また、「時期を早めた」理由としては、「プライベートで外出しづらくなったので、妊娠・出産にちょうどいいタイミングだと思ったから」、「時期を遅くした」理由としては「コロナの影響で結婚式を延期したので、妊活も遅くなった」などの意見も見られる。
一般不妊治療、生殖補助医療で保険適用がスタート!保険適用で不妊治療の意識はどう変わる?
今まで不妊治療に保険適用されていたのは、検査・原因疾患への治療のみであったが、2022年4月より政府の少子化対策として、不妊治療にかかる費用の保険適用範囲が広がった。
新たに保険適用となったのは、一般不妊治療(タイミング法、人工授精)と生殖補助医療(体外受精、顕微授精、凍結胚融解移植、男性不妊の手術)。 今回の保険適用で、必要な条件を満たせば生殖補助医療の治療費は原則3割負担になる。
対象年齢は、治療開始時点で43歳未満の女性で、保険適用回数は年齢によって変わる(40歳未満の場合は1子ごとに通算6回まで。40歳以上43歳未満の場合は1子ごとに通算3回まで)。ちなみに一般不妊治療(タイミング法、人工授精)は年齢制限、回数制限はない。
3割負担となることで、経済的負担が少なくなるというメリットがあるといわれている。そこで、保険適用が不妊治療を行うかどうかの判断に影響したかを聞いたところ、「はい」と答えた人が60.2%に上った。
Q.保険適用が不妊治療を進めることへの意識に影響しましたか?
保険適用されたことで不妊治療を行う判断に影響があった理由としては、「保険適用になって治療開始に踏み切れた」や「保険適用で、夫婦でチャレンジしようと決めた」、「治療にいくらかかるか分からなかったので、保険適用されてから前向きに考えられた」などの声が聞かれた。
一方で保険適用になっても不妊治療を行う判断に影響がなかった人からは、「不妊治療をしている途中で保険適用になりましたが、検査費用や薬代は高いままなのであまり影響を感じなかった」という意見も。
国や自治体から他にどんなサポートがあれば良かった?
不妊治療の保険適用以外に、他にどんなサポートがあれば、妊娠出産にもっと積極的になれるかも聞いたところ、大きく分けて「産後の育児・助成金サポート」、「妊娠中の助成金サポート」、「休暇の取得など社会の変化」、「長期的なサポート」に関する意見が多く聞かれた。
医療が逼迫する中での入院・出産には不安な気持ちもあったと思うが、妊活への意識についてコロナ禍の影響は想像していたよりも少なかったようだ。
不妊治療の保険適用開始については、6割の人はポジティブな影響を受けていた。妊娠を考えている人は、まずは保険適用でどのような妊活ができるのかを具体的に医師に相談してみよう。
調査概要
調査時期:2022年11月4日~9日
調査対象:『ゼクシィ Baby』会員 妊婦・0カ月~2歳までのお子さまをお持ちのママ3,753人
調査方法:WEBアンケート
関連情報:https://zexybaby.zexy.net/article/contents/0163/
構成/Ara