東京〜敦賀間を走る予定の北陸新幹線E7系は〝新幹線のファーストクラス〟と呼ばれる「グランクラス」も人気だ。
【2024年春開業】北陸新幹線 金沢~敦賀間延伸
北陸新幹線は「全国新幹線鉄道整備法」に基づき、昭和48年に計画が決定した整備新幹線のひとつだ。半世紀以上の時を経て、2024年春をめどに石川県金沢から~福井県敦賀までが開業する。
北陸/東海道新幹線で広域の環状をつくる
現在は距離的にも近い、関西地方とかかわりの深い福井だが、2024年の延伸後は関東圏との連携も強化されていく。2030年中頃の完成が予想される敦賀~新大阪開業後は、ビジネス利用はもちろん、観光需要でも金沢や福井を観光した後に京都に寄って東京に帰るといった観光ルートの需要も生まれるかもしれない。関東・北陸・東海・近畿がつながる新幹線ネットワークの経済効果ははかり知れない。
延伸による福井県の経済効果は約309億円が予想される
金沢~敦賀間の北陸新幹線延伸は、8年前の金沢ブームに続く〝福井ブーム〟の到来になるだろうか。日本政策投資銀行によると2015年に開業した北陸新幹線(長野~金沢間)は、開業1年で678億円の経済効果があり、今回の延伸でも福井県に約309億円が見込まれている。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは言う。
「まず東京から福井方面へのアクセスが劇的に向上します。これまでは金沢経由もしくは米原経由で在来線に乗り換える必要がありましたが、これからは東京から一本で行けるので、観光やビジネスが盛んになるでしょう。また、北陸は豪雪地帯のため、飛行機だと欠航になることもありますが、新幹線は雪での運休の可能性が低いので1年を通して人を受け入れることができます」
政府が地域経済振興のために計画した整備新幹線である北陸新幹線は将来的には大阪まで延伸する。すでにルートも大まかに決まっており、敦賀~小浜~京都~松井山手~新大阪となる。
「東京から新大阪までが大きな環状の新幹線ネットワークでつながります。各都市のアクセス向上はもちろん、どちらかの路線が運休してしまった時の代替手段としても期待できます。しかし、着工はまだ始まっておらず、開業は早くても2030年中頃でしょう。それでも完成すれば日本経済や該当地域への影響は大きいと思われます」
北陸エリアの足として選択肢が広がる
所要時間でいえば、米原駅から敦賀に入るほうが早く到達する。しかし乗り換えの手間がかかるため、多くの場合では北陸新幹線ルートが選ばれるだろう。とはいえ東海道新幹線ルートも一定数の需要が残ると予想される。