「はるか」「くろしお」の大阪駅乗り入れで奈良・和歌山方面からの空港アクセスが便利に
JR西日本の関西空港アクセス特急「はるか」、紀勢線方面の特急「くろしお」、おおさか東線方面の電車が初めてJR大阪駅に乗り入れる。関西一のターミナルに新たな役割が誕生し、いっそうの発展を遂げるのは間違いなさそうだ。
【Point】うめきたエリアの大規模施設は2024年夏に先行街開き!「グラングリーン大阪」
2027年の全体オープンを目標とする「グラングリーン大阪」は北街区と南街区とに分かれ、賃貸棟・分譲棟・都市公園で構成される。賃貸棟は商業、ホテル、オフィス、イノベーション創出を目的とした中核機能を有し、分譲棟は住宅となる。北街区のホテル、商業施設および都市公園の一部が2024年オープン。
世界最大級の都市公園を備えたグラングリーン大阪が大阪を変える
2000年代初めまで、大阪駅北側の約24ヘクタールの敷地には梅田貨物駅が広がり、貨物列車が発着していた。今とは異なり、東海道支線は大阪駅から離れていて、関空アクセス特急「はるか」や紀勢線の特急「くろしお」は特急ながらも関西一のターミナル駅であるJR大阪駅を素通りしていたのである。
その後、梅田貨物駅の移転が行なわれ、「うめきたプロジェクト」として、跡地の再開発が本格的にスタートした。大阪駅北側に存在する三角形状の敷地は東西に分割され、まずは東側の約7ヘクタール分から整備が始められた。その〝第1期〟の再開発としてグランフロント大阪が2013年にオープンしている。
それから約10年、「うめきたプロジェクト」の〝第2期〟が進行し、東海道支線の移設と地下化とで今年の3月18日にうめきた新駅が開業する。これまで停車しなかった「はるか」「くろしお」が停車することになり、奈良方面から続くおおさか東線も新規でJR大阪駅に乗り入れることとなった。特に大阪~関西空港間の所要時間は以前よりも20分早い47分と、空港アクセスが大幅に向上した。さらに、新駅ホームには日本初の技術を搭載した、顔認証改札機などの設備が大阪駅のスマートシティ化を推進している。
そして2024年夏、開業するうめきた新駅の地上部分に、「グラングリーン大阪」が一部先行オープンする。新たな街の開発目標は「『みどり』と『イノベーション』の融合拠点」。その最大の特徴は中央にある約4.5ヘクタールもの広大な「(仮称)うめきた公園」だ。
「都市公園としては世界最大級の規模を誇ります。大阪駅周辺は比較的緑が少ない街でしたが、今回の民間開発分9ヘクタール中、8ヘクタールを緑化しています」とUR都市機構・南谷敬さんは語る。
公園の南北には分譲マンションやホテル、商業施設などに加え、「(仮称)ネクストイノベーションミュージアム」という新しい製品や技術などを体験できる施設を併設。2025年に万博も控えている大阪は、日本最先端のイノベーションシティに生まれ変わる。
開業後はこんな風景に(2024年頃のイメージ図)
グラングリーン大阪の中心は「(仮称)うめきた公園」(上)で、写真は南公園だ。下は南街区で奥側左が東棟、同右が西棟である。