競走馬を擬人化させた育成シミュレーションゲーム「ウマ娘」のヒットによって、近年、競馬への注目度がさらに高まりつつある。日本における競馬は、日本中央競馬会と地方競馬全国協会の2つの団体によって実施されており、このうち日本中央競馬会は「JRA」の略称で呼ばれることも多い。
そこで本記事では、JRAとはどのような団体なのかをはじめ、中央競馬の楽しみ方も解説する。競馬に興味のある方は、この機会にJRAについて理解を深めておこう。
JRA(ジェイ・アール・エイ)とは
そもそもJRAとはどのような団体なのだろうか。JRAの成り立ちと併せてチェックしていこう。
日本中央競馬会のこと
冒頭でも紹介した通り、JRAは「日本中央競馬会」のことを指す。JRAは、日本中央競馬会を英語表記した際の「Japan Racing Association」の頭文字を取ったものだ。
JRAは、日本国政府が資本金を全額出資している特殊法人。農林水産省の活動や事業を助ける外郭団体に位置づけられ、農林水産大臣の監督下で運営されている。
JRAの成り立ち
JRAの成り立ちは、日本での競馬主催団体の歴史に遡る。1923年、競馬に関する法律「競馬法」が定められ、競馬が大衆的な娯楽として人々の間で身近な存在となる。1936年に競馬法が改正されるまでの間、全国各地に競馬主催団体が存在する状況だったが、この法改正を機に、競馬主催団体が日本競馬会に統一されることとなった。
さらに、1948年には「新競馬法」が制定され、競馬の主催団体が日本競馬会から国に変わる。しかし、国が賭け事の運営を行うことに対する国民から批判の声も多く、1954年に新競馬法が改正され、農林水産省の監督下で運営される特殊法人として日本中央競馬会(JRA)が誕生し、競馬の主催団体となった。
JRAの活動
JRAの成り立ちについて理解が深められたら、次にJRAが行っている主な活動内容を見ていこう。
1. 中央競馬の開催、運営
土日を中心に競馬レースを開催し、馬券の発売や払い戻しによる売上・支出管理を行っている。運営している競馬場の数は、全国で10か所(函館、札幌、福島、新潟、中山、東京、中京、京都、阪神、小倉)だ。
2. 競走馬の養成
購入した仔馬をJRA所有の育成牧場でトレーニングさせ、競走馬として養成をしている。なお、トレーニングを積んだ馬たちは、デビュー前に馬主に売却されるため、JRA所有のまま競走馬としてデビューすることはない。
3. 騎手や調教師の養成
JRAの管理する競馬学校で、中央競馬のほとんどの騎手を育成している。入学した学生たちは競馬学校で3年間の学校生活を過ごし、騎手免許試験に合格すると、JRAから免許が交付される。
また、JRAが実施する試験に合格することで調教師免許の取得も可能だ。
4. 開催するレースや中央競馬の周知
レースの告知やWebサイトの制作・管理を行うことによって、中央競馬の周知を行っている。また、JRAの子会社である「中央競馬ピーアールセンター」は、競馬総合月刊誌「優駿」を通じて競馬の魅力を伝えている。
5. 関係施設の管理
全国各地にある場外勝馬投票券発売所、茨城県美浦村と滋賀県栗東市にある現役競走馬用のトレーニングセンター、デビュー前の仔馬のトレーニング用の日高育成牧場(北海道)や宮崎育成牧場(宮崎県)などの関係施設を管理している。
6. その他
社会貢献として、馬主の団体である日本馬主協会連合会の運営費を負担し、2019年には3,205億円を国庫に納入している。負担した運営費は、各レースの上位3頭の馬主が所属する馬主協会に支給される「競走協力金」に充てられている。また、国庫に納入したお金は畜産の発展や社会福祉へ役立てられている。
JRAの競馬を楽しむには?
最後に、JRAが運営している中央競馬の楽しみ方を2つ紹介しよう。
1. 即パットで馬券を購入しよう
1つ目の楽しみ方は、馬券を購入し競馬に参加することだ。JRAインターネット投票サービス「即PAT」を使えば、競馬場に足を運ばなくても、パソコンやスマートフォンを使ってどこからでも馬券を購入することができる。指定銀行のいずれかの口座を持っていればすぐに「即PAT」に登録が可能だ。なお、購入した馬券の結果は、JRAホームページの「競馬メニュー」の「レース結果」で確認できる。
即パットでネット投票し、馬券を購入する場合の注意点は以下の2つ。
・「即PAT」への加入手続きが行えるのは、ネット投票で馬券が発売されている時間帯のみ。
・「即PAT」での馬券購入前に、自分の銀行口座からJRAのインターネット投票システムへ馬券購入資金を入金しなければならない。
2. インターネットで席を予約して見に行こう
2つ目は、実際に競馬場に行って生で競馬を見る楽しみ方。あらかじめ指定席を予約し、スムーズに競馬を見に行けるようにしておこう。JRAが運営する「指定席ネット予約」のサイトで一般会員登録を行いログイン後、指定席の予約が可能だ。予約後は、公的機関発行の写真付き身分証明書とQRコードの2点を提示すれば、競馬場の予約指定席引換窓口で指定席章を発券できる。
インターネットで競馬場の指定席を予約する際の注意事項は以下の3つ。
・20歳以上でなければ一般会員登録ができない。
・一人一会員登録制。
・指定席の予約は会員登録された本人のみが有効。
※データは2023年4月上旬時点のもの。
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文/編集部