電気代の請求金額は、毎月の使用電力量をもとに算出されている。「使用電力量」は、その名の通り、使用した電力量を表すが、よく似た「消費電力」との違いがわからない方も多いのではないだろうか。
そこで本記事では、使用電力量とは何かをはじめ、使用電力量をもとに電気代を計算する方法についても解説する。日常的に取り組める電気代の節約方法も併せて確認しておこう。
使用電力量とは
まず、使用電力量とは具体的に何を表すのか、また、使用電力量の確認方法を見ていこう。
消費した電力エネルギー量のこと
先述の通り、使用電力量とは、どのくらいの電力を使ったかを数値で表したもの。「決められた時間あたりの消費電力(kW)×時間(h)」の計算式で求めることができ、1時間あたりに使用した電力量は「kWh」という単位を使って表す。
例えば、1000W(1kW)のエアコンを2時間使用した場合の使用電力量は以下の計算式で求められる。
【計算式】1kW(1000W)×2hr=2kWh
消費電力との違いは?
使用電力量とよく似た言葉に「消費電力」がある。この消費電力は、1秒間動かすのに必要な(消費する)電力の大きさを指すもので、「W(ワット)」の単位を用いて表される。先に紹介した使用電力量が「実際に消費した電力量」を表すのに対して、消費電力量は「(電化製品を)動かすのに必要な電力量」を意味し、両者は似て非なるものだ。ちなみに、家庭で使用される主な電化製品の消費電力は以下の通り。
・エアコン(10畳用):冷房580W(立ち上がり時1400W)、暖房660W(立ち上がり時2000W)
・冷蔵庫(450ℓ):250W
・洗濯機(縦型):400〜500W
・洗濯乾燥機(ドラム型):洗濯時200W、乾燥時1300W
使用電力量の確認方法
月々の使用電力量は、電力会社が発行する検針票に記載されている。また、最近では従来のアナログ式の電力計に代わり、デジタル式の「スマートメーター」と呼ばれる電力計を備えた住宅も増えている。併せて専用のシステムを導入することで、スマホなどのデバイスからリアルタイムで使用電力量の確認が可能だ。
使用電力量から電気代を計算する方法
使用電力量から電気代を計算したい場合、「基本料金+電力量料金(1時間あたりの消費電力(kw)×使用時間(hr)×料金単価/kwh)」の計算式で求めることができる。
※実際には、この計算式で求めた電気代に、基本料金や燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金などが加算された金額が請求される。
普段からできる電気代の節約方法
電気代の値上げに関するニュースを目にする機会が増え、少しでも電気代を安く抑えたいと考える方も少なくないはず。実は、日々の生活の中でのちょっとした工夫によって電気代は節約できる。最後に、効果的な電気代の節約方法をチェックしておこう。
待機電力の消費を抑える
無理なく習慣的にできる節約方法としては、まず使っていない家電の待機電力消費を抑える方法が挙げられる。
電化製品の中には、使っていなくてもプラグを挿しているだけで待機電力を消費してしまうものがある。使っていないオフシーズンの電化製品があれば、プラグを抜くことで待機電力の消費を防ぐことが可能だ。また、いちいちプラグを抜くのが面倒な方は、スイッチ付きの節電タップを使うのもおすすめ。
消費電力が大きい家電の使い方を見直す
一般的な家庭で使用されることの多い家電の中でも、エアコン、冷蔵庫、照明器具は消費電力が大きい傾向にある。これらの家電の使い方を見直すことで、電気代の削減に繋げることができる。それぞれの主な節電方法は以下の通り。
【エアコン】
・設定温度を夏は28度、冬は20度前後に調節する
・サーキュレーターを活用して、室内の空気を循環させる
・室外機の周りに物を置かないようにする
【冷蔵庫】
・庫内の温度設定を強から「中」や「弱」にする
・ドアの開閉回数を減らして庫内の温度を上げないようにする
【照明】
・LED電球に交換する
・電気のこまめな消灯や消し忘れに気を付ける
省エネの電化製品に切り替える
最近は、省エネ機能が充実した家電も増えてきている。長く使用している家電があれば、省エネ家電に買い替えて、使用電力量を抑えるのも一つの手だ。
電力会社の見直し
2016年の電力自由化によって、消費者が自由に電力会社・料金プランを選択できるようになった。家庭のライフスタイルに合った電力会社・料金プランを選ぶことは、無駄な支出を抑えるきっかけになる。
最適な電力会社を選ぶためにも、まずは、普段の使用電力量を計算して、どの家電にどれくらいの電力を使うか把握することが重要だ。
※データは2023年4月上旬時点のもの。
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文/編集部