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話題の最新ボールパーク「ES CON FIELD HOKKAIDO」を陰で支えるパナソニックの最新照明技術

2023.04.05

北海道北広島市で2023年3月に開業した北海道日本ハムファイターズの新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコンフィールドHOKKAIDO、以下、エスコンフィールド)」には、パナソニックグループのスタジアム照明、映像制作プラットフォームをはじめとするスポーツソリューションが多数採用されている。今回は、その概要を紹介していきたい。

「世界がまだ見ぬボールパーク」実現をサポート

エスコンフィールドは、敷地面積5ヘクタール、収容人数は3万5,000人。掘り込み式フィールドから地上4階まで観客エリアが広がる日本初の開閉式屋根付き天然芝球場だ。

フィールドを見渡せる360度型のコンコースや、世界初の球場内温泉・サウナ、フィールドが一望できる日本初の球場内ホテルなどがあり、さまざまなシチュエーションで新しい観戦体験を楽しめる。

このエスコンフィールドを核にした「北海道ボールパークFビレッジ(以下、Fビレッジ)」において、パナソニックグループは、ファイターズ スポーツ&エンターテイメント(以下、ファイターズ)をクライアントとし、数多くのパートナーとも足並みを揃えながら、開業に向けて着々と準備を進めてきた。

Fビレッジでは、宿泊施設や商空間、農業学習施設、認定こども園、レジデンスなどを設けた持続可能な街づくりを目指しており、野球観戦に加え、地域社会の活性化や社会への貢献につながる“共同創造空間”の実現を推進している。

このいわば新しい「街づくり」とも言える取り組みにおいて、中心となるスタジアム、エスコンフィールドは「これまでにない観戦体験」の実現を目指し建設が進められてきた。

パナソニックグループでは主に競技・演出照明の設置、KAIROSを軸とした総合演出システムの導入により、新たな観戦体験の提供や、選手と同じ目線の高さで観戦できるプレミアムな空間「Panasonic CLUB LOUNGE」でのパナソニック製品の体験など、多様な観戦スタイルの実現を目指すことで、「世界がまだ見ぬボールパーク」としての価値向上に貢献している。

グループの顔として窓口を一本化

そんな大型案件全体の営業を取り仕切ったのが、パナソニック株式会社(以下、パナソニック) エレクトリックワークス社の馬杉道裕氏だ。

パナソニック エレクトリックワークス社 マーケティング本部 北海道電材営業部 電材営業開発部 馬杉道裕氏

「北海道で電気設備資材の市販営業・開発に携わる中で、スタジアム建設のお話を伺ったのが2016年のことです。私自身、高校まで野球をやっていましたし、大学では体育教師の免許も取ったほどのスポーツ好き。街おこしにもつながる新しいボールパークの誕生と聞いて、パナソニックとしてぜひ参加させていただきたいと思いました」

馬杉氏は北海道の定例会議で、各事業会社に向けてグループ横断型の「ボールパークワーキンググループ」の立ち上げを提案。「パナソニックグループとして、複数のカテゴリーに対してコンペティションに立候補しよう」と働き掛けたという。

「当然、取り組む領域やお客様が異なりますので、それぞれの事業領域ごとに文化の違いといったものはあります。でも、そこで足踏みしていてはいけない。

私たちが最初に提出した企画書は1枚だけのシンプルなものでした。でもそこに、パナソニックグループとして実現可能な、幅広い領域での多彩なソリューションをできる限り盛り込んだんです」

選手・観客・顧客の視点に寄り添った提案

馬杉氏は、プロジェクトリーダーとしての役割を果たしながらも、自社で扱う照明機器の提案にもこだわり抜いた。

「野球、サッカー、ラグビー……国内の複数のスタジアムをファイターズさんと視察させていただきました。どんな照明が何台あるかということ以外に、スタジアム運営そのものについても勉強させてもらいました。

通常、スタジアムの照明というと500~700台ほど設置されますが、エスコンフィールドの場合は開閉式ドームということもあり、照明を外野側とバックネット側にしか置けないという制約がありました。その上で、明るさを確保する必要がありました」

限られた設置面積で必要な明るさを確保するための解決策としては、そこに従来よりも大きめの照明機器を置くことが考えられる。しかし照明1台当たりのサイズが大きくなれば、プレーする選手にとってはまぶしさが増すことに直結する。

そこで馬杉氏は他のメンバーと検討を重ね、2種類のLED投光器を組み合わせ、搭載する機器を1台ずつ制御することで、明るさを確保しながらも、まぶしさを抑える照明設計を提案。プレーヤーファーストを考慮したソリューションを実現した。

スタジアムに納入されたLED投光器は、2kW相当のものが226台、1kW相当のものが128台。このサイズ違いの製品を組み合わせた照明設計が高く評価された。

今回採用されたLED照明は従来のHIDランプと比較して省エネな上、個別に点灯・消灯できるため、試合以外での利用においても柔軟な演出が可能。

また今回のために新たにフィールド上を光が駆け巡る演出手法を開発し、354台の照明を個別に制御。これまでにない照明演出を実現している。

スタジアムの一体感・没入感を実現するKAIROSを軸とした総合演出システム

エスコンフィールドでは映像・照明・音響を一元的に制御する「統合マネジメントシステム(S-CMS)」との連携により、スタジアム全体をICTでシームレスにつなぎ、場内約600台のデジタルサイネージに、ほぼリアルタイムに映像を映し出し、照明・音響と連動したエンターテインメント性の高い観戦体験を提供する。

例えば、ホームランやファインプレーの際、従来型のスイッチャーであればその瞬間を狙って複数のスタッフが同時に操作する必要があるが、KAIROSではシステム連携により、ワンオペレーションでのリアルタイム演出を実現できる。

観客席はもちろんのこと、サウナやホテルの部屋からと、これまでにない多様な観戦スタイルが可能となる。

パナソニック コネクト 現場ソリューションカンパニー (社会イノベーション事業統括) 映像メディアソリューション事業本部 加藤暁之氏

この現場でキーパーソンとなったのが、パナソニック コネクト 現場ソリューションカンパニーの加藤暁之氏だ。エスコンフィールドにおける「KAIROS(ケイロス)」を軸とした総合演出システムの導入を担当したSE(システムエンジニア)の一人になる。

KAIROSはパナソニック コネクトが2020年9月に発売したIT/IPプラットフォーム。映像フォーマットなどの制約なく、自由に大型映像やサイネージコンテンツの制作が可能で、現場の「撮る・創る・映す」を革新する次世代のソリューションとして開発された。

プロスポーツ、コンサートなどの各種イベントおよび放送局の映像制作・会場演出・映像配信の用途に向けて、ライブ映像制作のクオリティと生産性を飛躍的に向上させる映像制作システムサービスだ。

「長年、映像系のSEを担当してきました。基本的には映像制作会社様など、お客様の現場にご一緒させていただいて、現場に求められる最適解をシステムとして構築していく仕事です。今回は2020年ごろからプロジェクトに参加して、放送局を中心にKAIROS導入の実績を重ねながら、初のスタジアムへの導入をプランニングしていきました」

導入するKAIROSの心臓部はこれまでの放送局への納入実績と同じもの。しかし今回は、新たに統合マネジメントシステム(S-CMS)を軸に、周辺のシステムと連動するシステム構築にチャレンジし、パナソニックグループとして画期的なソリューションを実現している。

「エスコンフィールドには世界最大級の大型ビジョンが2つあります。この両面をいかに効率的に運用いただくか。どうすればスタジアムの一体感・没入感を生み出せるか、それは図面を引いただけでは表せない部分です。よって私も現場に通わせてもらって、ボタンアクションなど含め、お客様にさまざまなご提案をしています。

KAIROSは演出の自由度が高いので、お客様ご自身でカスタムいただけるところもメリットの一つ。お客様とのやり取りを通じて、私自身も勉強させてもらっています」

「Fビレッジにおける街づくりの面では、馬杉さんをはじめとしたエレクトリックワークス社が先行して取り組んでおり、われわれも追随していきたいと思っています。

KAIROSは、放送業界のベテランと若手の間を取り持って、世代を超えたコミュニケーションから新しい文化を創出していく、そんなポテンシャルを持った技術だと思っています。

この技術を街づくり、街おこしのカギとしてどんどん活用いただきたい。地域の皆さんが集まる場所の中心にスポーツがあり、その現場をKAIROSがサポートすることで、あらゆる世代が交流して楽しめる、そんな空間を増やしていくことができればと思います」

関連情報
https://news.panasonic.com/jp/stories/14005

構成/清水眞希

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