岸田首相が2月に「自己都合退職による失業給付のあり方を見直す」と発言したことが話題を呼んだ。
現在は自己都合で離職した後、原則2ヶ月間受給できない制限措置があるが、改善された際には実際に労働移動の円滑化に影響するのだろうか。
また、自己都合退職の実態や現状の失業給付のあり方について、ビジネスパーソンはどのように考えているのだろうか。
ライボはこのほど、社会人男女423人を対象に「自己都合退職の実態調査」を実施し、その結果を発表した。
全体の89.1%が自己都合退職の経験あり
「会社を退職した経験」について尋ねたところ、「経験あり」と回答した人の割合が71.4%、「退職経験なし」と回答した人の割合が28.6%となった。
退職経験のある302人に「退職の種類」を聞くと、89.1%の人が「自己都合退職」の経験があると回答し、「会社都合退職」と回答した人は21.5%だった。
自己都合退職に対する印象、82.1%が「不利だと思う」と回答
自己都合退職の経験がある292人に実際の退職理由を聞くと、20.2%が「実際は会社都合だった」と回答し、「実際に自己都合だった」と回答した人の割合は79.8%だった。
回答者全体の423人に失業者にとっての自己都合退職に対する印象を聞くと、「とても不利だと思う」が19.2%、「不利だと思う」が20.5%、「どちらかといえば不利だと思う」が42.4%となり、合算した82.1%が不利だと思っていることがわかった。
自己都合退職の処理について64.5%の人が「会社から口頭での説明がなかった」と回答
退職経験のある302人を対象に、自己都合退職時の会社側の対応について聞くと、「全く説明がなかった」が46.7%で最多となり、このほか、「口頭での説明はなく書面で確認した」が13.2%、「口頭での説明はなく書面でも確認できなかった」が4.6%で、これらを合算すると、自己都合退職時に64.5%が口頭での説明がないことがわかる。
自己都合退職経験のある292人を対象に、会社側の具体的な対応について聞くと、「会社側から説明なく自己都合退職にされた」が38.2%で最多になり、次いで「会社側から説明はあったものの自己都合退職に促された」が12.7%、「ほぼ強制的に自己都合退職にされた」が13.9%となった。このことから64.8%が自己都合退職に不服を感じていることがわかった。