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持ち家より賃貸、貯金より投資、投資系YouTuberぽんちよさんに聞くコロナ下で起こった金融意識改革

2023.04.04

2020年に世界で流行したコロナウィルスによる感染症により、リモートワークの普及・Zoomなどのビデオ会議システム・マスク社会など、我々の生活は一変しました。

そして、今ではコロナによって余儀なくされた変化が「当たり前」になり、「ビデオ会議で済むなら出社の必要はない」「会社の飲み会ってそもそも不要だったよね」など意識も変わりつつあります。

このようなコロナの社会に与えた影響は、我々の仕事の在り方・日常生活だけにとどまらず、私たちの金融意識にも変化を与えたと示唆されるデータが、先日の「家計の金融行動に関する世論調査2022年」により明らかになってきました。

コロナをきっかけに「持ち家は不要」と気づき始める?

「いつかはローンを組んでマイホームを」、このような高度経済成長期から見られる家庭の理想像を思い描き、仕事に勤しむ人も数多くいます。ただ経済合理性を考えれば、資産価値の下がる可能性が高い日本の住宅を購入するというのは、ローンという負債を抱えることにすぎません。

2人以上世帯における借入金の目的(出典:家計の金融行動に関する世論調査2022年)

ただそれでも持ち家信仰は根強く、いままで2人以上世帯における借入金目的の60%以上が住宅の取得費用でした。ただ2021年以降、借入金の目的が住宅ローンである世帯の割合は50%以下まで急激に下がっています。

もちろん、コロナ不況により給料・残業代の減少などの金銭事情によりローンを組めなかったなどの原因も考えられます。ただ今回のデータというのは、むしろ住宅ローンを組んでまで持ち家を建てようとする世帯が減ったということが示唆しているでしょう。

つまり、これはステレオタイプ的な「持ち家信仰」からようやく日本人の目が覚め、経済合理性を考え始めた、あるいは、コロナによる金融不安から経済合理的な選択をとるような世帯が増えたといえるのではないでしょうか。

もちろん「マイホームを建てたい」という個人の願望を否定するわけではありません。ただ従来の問題点としては、ローンを組むことのデメリットをそもそも認知しないまま、そして、デメリットを天秤にかける機会すらなく、家を建ててしまうということでした。それがコロナを通し、マイホームの魅力とローンのデメリットを天秤にかけた上で、しっかりと選択できる人が増えたことはよいとことといえるでしょう。

貯金信仰からの脱却。貯金から投資への意識も急激に向上

持ち家信仰とともに日本では、貯金信仰というのは今でも根強いでしょう。バブル期は定期預金だけでも5~7%の高い金利がつき、元本割れせずお金が増えていく最も手堅い資産形成であったことは間違いありません。

ただ、今現在、銀行金利はほぼつかず、2022年には円安に伴うインフレにより、貯金の価値は大きく目減りしました。そろそろ日本人は「貯金だけが手堅い資産形成ではない」ということを気づかないといけないステージかもしれません。

そんな中、コロナ下では株価が暴落したことにより、これをチャンスと見て急激に証券口座開設数も伸び、投資ブームを迎えました。もちろん、投資で一攫千金を狙うという考えで投資を始めた人も多いと思いますが、一方でコロナをきっかけに資産形成に向きあった、向き合わざるを得なくなったため、金融知識を学び始め、投資の必要性を知り、結果的に投資を始めた人もいたことでしょう。

2人以上世帯における金融商品に対する意識(出典:家計の金融行動に関する世論調査2022年)

実際に今回の世論調査では、コロナ下を境に「元本割れするような商品」に対して肯定的な考えをもつ世帯が、2019年19.6%→2022年49.3%まで増えています。従来、単身世帯の場合には元本割れするような商品にも比較的肯定的でした。

一方で家族を抱えるような2人以上の世帯では、安定感のある貯金が重視され、元本割れするような金融商品には否定的でした。ただこのコロナ下でそのような世帯でも、元本割れするような商品に対して肯定的になってきたことで、かなり「貯金から投資へ」の意識改革が進んでいるように思います。ただ、まだ半数以上の人が、投資に対して否定的であるのも事実です。

今回のコロナは我々の日常生活・仕事に影響を与えただけではなく、我々の金融意識をも変えていくものでした。その中で根強く残っていた「持ち家信仰」「貯金信仰」を見直すきっかけになったでしょう。それでも、まだ投資へ否定的な人は多く、今後も日本人全体のマネーリテラシー向上が必要と言えるでしょう。

文/ぽんちよ
投資系YouTuber。2019年10月からYouTubeチャンネル『投資家ぽんちよ』を開設し、投資や副業、セミリタイアに関わることを発信している。サラリーマンとして働きながら活動していたが、2022年3月にFIRE達成。YouTubeチャンネルはこちら

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