東急新横浜線が3月18日に開業した。
この新路線は、「羽沢横浜国大駅」-「新横浜駅」間の相鉄新横浜線と、「新横浜駅」-「日吉駅」間の東急新横浜線で構成され、東急東横線・目黒線から直通運転をする東京メトロ南北線・副都心線、都営三田線、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線、東武東上線まで乗り入れを行う。
相鉄線沿線に居住する人の都心方面へのアクセスが飛躍的に高まるだけでなく、「新横浜駅」へもダイレクトアクセス可能で東海道新幹線も利用しやすくなる。そして、交通利便性が高まれば当然居住ニーズも高まることが想定され、住宅価格や賃料にも影響が出る。
そんな中、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」はこのほど、相鉄新横浜線・東急新横浜線(以降、新横浜線)の開業に伴い、賃料の上昇が続く相鉄本線・相鉄いずみ野線各駅の賃料上昇率を調査し、「賃料が上がっている相鉄線の駅ランキング」を発表した。
賃料が上がっている相鉄線の駅ランキング、1位「ゆめが丘」、2位「相模大塚」、3位「南万騎が原」
LIFULL HOME’Sに掲載されている各駅から徒歩10分以内/築30年以内/30㎡未満(ワンルームタイプ)の居住用賃貸物件の平均賃料について、昨年からの上昇率の高い順に並べた「賃料が上がっている相鉄線の駅ランキング」は、1位「ゆめが丘」(上昇率:+24.6%、平均賃料:54,975円→68,493円)、2位「相模大塚」(+23.7%、51,960円→64,297円)、3位「南万騎が原」(+19.6%、46,595円→55,710円)、4位「緑園都市」(+13.0%、58,571円→66,194円)、5位「弥生台」(+12.6%、50,624円→56,984円)という結果になった。
TOP5中4駅が「相鉄いずみ野線」の駅
特に相鉄線の支線である相鉄いずみ野線は、「湘南台」が終着でその先の接続がなく、横浜方面に出る以外の移動手段がなかったが、今回のJR線および東急線との一連の相互乗り入れにより、飛躍的に交通利便性が向上したことによって、特に賃料の上昇率が大きくなったことがわかる。
相鉄本線は終着の「海老名」で小田急線と接続しており、新宿方面へのアクセスを想定した賃貸ニーズが多いこともあって、+6.3%、3,892円の上昇に留まっているのとは対照的だ。
また、横浜市と相鉄ホールディングス株式会社は平成25年4月に「相鉄いずみ野線沿線の次代のまちづくりの推進に関する協定」を締結した。「誰もが暮らしたいまち」「誰もが活力あるまち」の実現を目指し、様々なイベントや町づくりが進められていることが功を奏し、街への注目度が高まっていることも背景にある。
ランクインした駅はどんな街?
1位の「ゆめが丘」は、LIFULL HOME’Sの「まちむすび」(※)によると「田んぼや川が近くにあり、静かに暮らしたい人に向いている」一方で、住んで残念だと思ったところに関して「娯楽施設が少ない」「買い物が不便」という回答が見受けられた。
新横浜線の開業に伴う駅周辺の開発も期待される。一方で自然豊かな環境を残しつつ開発を進めるとの意向もあり、当面は交通利便性が向上した長閑な街を楽しむことができそうだ。
2位の「相模大塚」はTOP5の中で唯一の相鉄本線の駅としてランクインした。小田急江ノ島線も通り、交通利便性の高い「大和」(平均賃料63,429円)まで1駅という立地条件で、これまで「大和」より賃料水準が安価だったのだが、今回の開業に合わせて賃料が急上昇し、「大和」とほぼ同じ水準まで上昇している。また「相模大塚」はファミリータイプの賃貸物件が多いことも魅力の1つだ。
3位の「南万騎が原」は横浜市と相鉄グループによるリノベーションプロジェクトによって駅周辺の開発が進められており、豊かな自然と良好な住環境の双方を享受することができるのが魅力となっている。
※:「まちむすび」は、気になる「まち」や知らなかった「まち」のことを実際に住む人の声や各種データから知ることができる、街の情報がつまったサービス。
「ゆめが丘」
出典元:株式会社LIFULL
構成/こじへい