値上げラッシュが続くなか、電気料金を少しでも節約したいと考える人は少なくない。しかし、毎月送られてくる請求書の内容や金額は確認していても、その料金がどのように算出されているのかや、詳しい内訳までは知らないという人は少なくないはず。
そこで本記事では、普段使っている家電製品の電気料金の計算方法、節約に繋がる対策までを解説する。ぜひこの機会に電気料金について知識を身に付け、日々の家計管理に役立てよう。
電気料金を計算するには
まずは、普段、家庭で使用している電化製品の電気料金の計算方法について解説する。計算式や、計算に用いる値についてチェックしていこう。
消費電力量と1kWh(キロワットアワー)あたりの料金単価を乗じる
家電の使用時に発生する電気料金は「消費電力量(kWh)×1kWhあたりの料金単価」で算定できる。この2つの項目のうち1kWhあたりの料金単価は、電力事業者や地域によって異なる場合がある。正確な料金単価を把握したい場合は、契約している会社のホームページを参考にしよう。
1kwh(キロワットアワー)とは?
電気料金の計算に使う「1kWh(キロワットアワー)」は、1kW(キロワット)の電力を1時間使った場合の消費電力量を表す単位のこと。また、消費電力量とは、電化製品を動かす時に使われる電力量を指す。
消費電力量は、「kW(消費電力)×時間(使用した時間)=kWh(電力量)」で求めることができる。
月々の電気料金の計算方法
次に、私たちが毎月支払っている電気料金の計算方法を解説する。1か月あたりの電気料金を計算し、支出管理にも繋げていこう。
電気料金の内訳から計算できる
毎月の電気料金に必要な情報は、以下の5つ。
- 基本料金
- 電化製品の電気使用量に電気料金単価を乗じて計算された電力量料金
- 燃料費調整単価
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金単価
- 消費税
月々の電気料金を計算する際は「基本料金+電力量料金単価×使用量+燃料費調整単価×使用量+再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×使用量+消費税」の計算式を用いる。
電気料金の内訳であるこの5つの項目について、それぞれチェックしていこう。
1. 基本料金
電気の使用量に関わらず、毎月必ず請求される料金のこと。基本料金には「アンペア制」と「最低料金制」の2種類のプランが存在する。
アンペア制は、契約するアンペア容量をもとに基本料金の金額が決まり、アンペア容量が大きいほど基本料金の金額も高くなるプランだ。これに対して、最低料金制は一律の基本料金額が設定されており、アンペア容量の大きさと基本料金の金額は比例しない。
2. 電力量料金(従量料金)
電気の使用量に応じて請求される電気料金のこと。1kWhあたりの単価が設定されており、この単価に1か月分の電気使用量を乗じることで電力量料金を算出できる。1kWhあたりの単価は電気使用量によって3段階に分けられており、、使用量が多ければ多いほどトータルの電気代も高くなる仕組みとなっている。
3. 燃料費調整額
原油、液化天然ガスなど発電の燃料となる原材料の価格変動を、毎月の電気料金に反映させるもの。3か月の平均燃料価格が基準としていた燃料価格よりも高騰した場合は電気料金に加算され、急落した場合は電気料金から減算される。
4. 再生可能エネルギー発電促進賦課金
電気事業者が太陽光、風力、水力、地熱やバイオマスなどの再生可能エネルギーによって発電した電気を買い取り、その費用を電気の使用量に応じて電力使用者全員が負担するもの。
5. 消費税
電気料金に対しても消費税が10%課税される。
電気代の平均はいくら?
最後に、さまざまな項目から成り立っている電気代の平均金額を確認していこう。平均金額を知ることで、推奨される電気使用量の把握や節電対策にもつながるため、ぜひチェックしておこう。
1か月の電気代平均
総務省統計局の家計調査によると、2021年度の電気代1か月平均は、総世帯で9,032円、2人以上の世帯で10,868円、一人暮らしで5,715円と報告されている。この電気代平均の結果から、世帯人数が多いと電気代も高くなる傾向にあることがわかるが、世帯人数が少ない場合でも電力の使い方によって電気代が高くなる可能性があるため、使いすぎには注意しよう。
地域や季節で異なる電気代平均
電気代平均は、住んでいる地域や季節の移り変わりによって変動する。総務省統計局の家計調査によると、2020年度で電気代平均が高かったのは、4~6月・1~3月は北海道、7~9月は沖縄、10~12月は四国となっていた。北海道では冬の暖房代として、沖縄では夏の冷房代として電力が消費されていることがわかる。
電気代を節約するには
最後に、電気料金を安く抑える方法を2つ紹介しよう。
電気料金プランの見直し
1つ目は契約中の電力事業者が提供している電気料金プランを見直す方法だ。どの時間帯にどのような電化製品を使っているか、自身や同居している人の電力使用の傾向を把握し、生活状況に応じたプランを選択しよう。
また、契約プランを決定する前に料金のシミュレーションを行ったり、契約中の電力事業者に問い合わせて相談したりするのもおすすめだ。
電化製品の使用時間の短縮
冷蔵庫や洗濯乾燥機などの電力消費量が大きい電化製品の使用頻度を減らし、使用時間を短くする方法だ。冷蔵庫をエコモードにしたり、洗濯乾燥機の乾燥機能は雨天時や冬場のみ使用したりすることで、使用電力量を減らすことができる。
また、温度調整ができるサーモスタット付きの暖房器具を選べば、過度な温度上昇を抑えることができ、電気代の節約にも繋がる。
※データは2023年3月下旬時点のもの。
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文/編集部