ガーデニングやDIYなど、ここ数年の自粛生活の間に自宅で楽しめる趣味が増えたという人は少なくありません。
コロナ禍をきっかけに家庭菜園をはじめたという人も多く、「タキイのタネ」ことタキイ種苗によるアンケート調査によるとコロナ禍2年目で新たに家庭菜園をはじめた人は全体の約3割になるのだとか(※)。
自粛生活が明けた今も家庭菜園のブームは続いており、子供の食育やエシカル消費にも繋がると人気を集めています。
そこで今回の記事では、家庭菜園のなかでも注目度急上昇中の「袋栽培」についてご紹介。特徴やメリットデメリットに加え、初心者にもおすすめのトマト苗の袋栽培のやり方をまとめました。
※参考:若年層を対象に「春の家庭菜園に関する調査」を実施 | タキイ種苗株式会社
野菜の袋栽培とは?
袋栽培とは、培養土の入った袋や土のう用袋などで野菜を育てる栽培方法のことです。
地植え以外で野菜を育てる場合、本来はプランターや鉢を用意して、土や肥料を入れた後に植え付ける必要があります。しかし袋栽培の場合は直接袋に苗や種を植え付けるので、手間やコストをカットすることができます。
大きな庭やバルコニーがなくてもOKなことから、初心者や1人暮らしでも気軽に家庭菜園デビューできると話題になりました。
手軽な割にしっかり育てれば意外なほど野菜が実るので、収穫や食べる楽しみもばっちり味わうことができるんです。
袋栽培のメリット
①プランターを用意する必要がない
袋栽培では野菜用の大きなプランターを用意する必要が無いため、比較的安いコストではじめられます。
②手間が少ない
培養土の袋に直接植え付けるため土づくりの手間がなく、収穫後は袋を畳んで捨てるだけなので片付けの手間も減ります。
②マンションやアパートでも育てやすい
日当たりさえ良ければ小さなベランダや玄関などで育てることができるのもメリットです。省スペースで家庭菜園をはじめることができるので、1人暮らしや都心に暮らしている人にもおすすめです。
袋栽培のデメリット
①安定感が悪くなりがち
培養土の袋は立てておくことを想定したつくりになっているわけではないため、野菜の苗が育って背が高くなった時に安定感が悪くなってしまうことがあります。風にあおられて危険な場合は強風を避けられる場所に移動するか、袋ごとフェンスに括りつけるなど安定感を高める工夫をしましょう。
②水はけの悪さや高温で根が痛むことがある
培養土の袋栽培はどうしてもプランターに比べて通気性や排水性が劣るため、中で蒸れて根腐れを起こしやすくなります。対策としては、まず排水用の穴をしっかり確保すること。どこかに水が溜まってしまわないように袋の底全体にバランスよく穴を開けて、水やりのときにはしっかり排水されていることを確認しましょう。
袋栽培に限ったことではありませんが、水のやりすぎも根腐れの原因になります。水やりは「土の表面が乾いたら底から水が出てくるくらいたっぷりやる」のが基本です。底から水が出てくるまであげるのは、汚れた水が袋内に滞留するのを防ぐ役目もあります。
また、袋栽培は直射日光による影響を受けやすいのもデメリットです。プランターに比べて薄いため土や土壌内の水が高温になりやすかったり、日光にさらされて袋自体が傷んでもろくなってしまうこともあります。