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締め切りが迫って相手に催促をしたい時に便利!「ナッジ」の効果的な使い方

2023.03.31PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

すでにほとんどの人から返事をもらったことを伝える

仕事をしていると、書類や提出物の締め切りに遅れる人が必ずいます。でも、人に催さい促そくをするのって、案外いやな仕事ですよね。そんな、相手に催促をしなければならないときは、「ナッジ(nudge)」 のテクニックを使ってみるのがおすすめです。

「ナッジ」とは、行動経済学者リチャード・セイラーらによって提唱された考え方で、本来は「注意や合図のためにヒジで人をそっと突く」という意味の英語です。行動経済学では「強く主張せずよりよい選択に気づかせ誘導する手法」をいいます。

2008年、イギリスでは税金の未納者が多く困っていました。国税庁は督促状を送っていましたが効果は限定的。回収できた未納金はたった57%にすぎません。そこで国税庁は社会心理学者たちと相談し、督促状にある一言を添えました。するとどうでしょう。たったワンフレーズを加えただけで、回収率が86%に上がったのです。国税庁はさっそく、この手法をイギリス全土に展開しました。

すると回収できた滞納金は、前年よりなんと56億ポンド(約9296億円)も多くなりました。

さて、どんな文章を加えたのでしょうか? ちょっと考えてみてください。

実は、こんな言葉でした。

「大多数のイギリス国民は税金を支払っています」

「え? そんな簡単なこと? 信じられない」と思ったかもしれません。でもこれこそが「ナッジ」を使ったテクニックです。

人間は、大多数の人がやることを「規範」と考える傾向にあります。そしてこの規範に従わないと、居心地の悪さを感じます。こうした「多くの人間がとる傾向」を利用した誘導を「社会比較ナッジ」と呼びます。

この実験では「大多数の人が払っている」という「社会比較ナッジ」を使って、未払いの人に「自分も払わなきゃ」と思わせたというわけです。

その後、この実験は、イギリス政府直属の「行動インサイトチーム(BIT)」に引き継がれ、督促状の文面をさらに細かく変えることで、納付率がどう変化するかの調査が続けられました。その結果、ほとんどの国民が税金を払っていることに加え、「あなたは非常に少数派である」という強調文を加えると、より効果が高くなることが証明されたのです。

相手に催促をするときは、ぜひ「社会比較ナッジ」のテクニックを使ってみましょう。

【まとめ】
なかなか動かない相手でも、「みんながやっているなら、自分もやらなきゃ」と思ってくれる

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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