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10年で50社が参入し急成長!家でできる「オンラインクレーンゲーム」が活況を呈する理由

2023.04.02

テレビゲームより古くから存在し、今ではゲームセンターで一番の稼ぎ頭である「クレーンゲーム」。

「クレーンで景品(プライズ)をつかんで獲得」という基本コンセプトはそのままに、キャッシュレス決済の導入や、「推し活」層を意識したプライズの取り揃えなど、地道な進歩で多くのファンをつなぎとめている。

そんな古くて新しいクレーンゲームのもう1つのトレンドが、「オンラインクレーンゲーム」(略称:オンクレ)だ。

こちらは、スマホやPCから遠隔でクレーンゲームを操作するというもの。クレーンゲームの筐体にカメラが据え付けてあり、その映像を見ながら、画面上のボタンでクレーンを操作するという仕組み。遠隔操作という点をのぞいて、通常のクレーンゲームと同様の遊び方となる。

ゲームセンターの臨場感はなくなるものの、いつでもどこでもスマホで遊べる手軽さがもてはやされ、2020年時点で国内市場規模は約200億円だという。もちろん、リアルなクレーンゲームの市場規模(約2200億円)には遠く及ばないが、近年急成長を遂げており、アミューズメント業界から熱視線を送られている。

約10年で50社が参入する業界に

そんなオンラインクレーンゲームの歴史は、まだ10年余り。

発祥は2011年、サイバーステップ(株)が「いつでもARキャッチャー」をリリースしたのに始まる。プラットフォームはブラウザ限定で、プライズは「ワンピース」や「新世紀エヴァンゲリヲン」などの人気キャラのフィギュアがメイン。遊ぶにはユーザー登録のうえ、「コイン」を購入し、その「コイン」を投入するごとに1プレイできる。獲得したプライズは、送料無料で自宅に届くというシステムであった。この仕組みは、現在の大多数のオンラインクレーンゲームにも踏襲されている。

元祖の「いつでもARキャッチャー」(写真:サイバーステップ)

「いつでもARキャッチャー」は、2012年に名を変えて「トレバ」へとリニューアルし、スマホでも遊べるようになった。当時は、クレーンゲーム筺体11台が用意されていたが、その台数は今や数十倍に増えている。

需要の高まりを受けて、他社も続々と参入。2020年には一般社団法人オンラインクレーンゲーム協会が発足し、理事・正会員を合わせ50社近くが名を連ねる。

バラエティに富むプライズの種類

オンラインクレーンゲームも多種多様なものが出ており、プライズの種類もバラエティに富んでいる。例えば、定番のキャラクターグッズやぬいぐるみのほかに、お菓子、冷凍惣菜、地域の特産食品、キッチンアイテム、さらにはティッシュペーパー5箱パックというのもある。「新潟県産コシヒカリ2kg」には驚いたが、重いものは現物をクレーンでつかむのでなく、代わりにピンポン玉をつかんで所定の場所に落とすというかたちになっている。

また、季節や記念日にあわせた期間限定モノもある。例えば、LINE(株)の「LINE ポケクレ」は、3月に「カヌレマニア」の人気カヌレなどがプライズに登場。これは、ホワイトデー需要をねらったものであった。

「LINE ポケクレ」ではホワイトデーに合わせたプライズを提供(画像:LINE)

プライズは何でもありに思えるが、風営法の定めにより、1プライズの上限価格は市価1000円までという縛りがある。射幸心を過剰にあおる高額商品を混ぜると、法的にはアウトなので、各社ともプライズには知恵を絞ることになる。

面白いと思ったのは、フードロス削減の一環として、賞味期限の近い食品をプライズにした(株)ピーナッツ・クラブの取り組みだ。プライズは、JA全農ブランドの「石川県産加賀野菜チップス五郎島金時芋&加賀れんこん」「九州産揚げぎんなん」の2種類。コロナ禍の影響で需要が低迷し、処分される運命にあった食品を活用した。2021年10月の1週間という期間限定ながら好評であったようで、同社は「サスティナブルオンラインクレーンゲーム」と銘打って、似た企画を数回実施した。

後発ながら一頭地を抜く勢いのDMMオンクレ

すでに述べたように50社近くが参入しているこの業界に、新たに乗り込んできたのが(株)DMMオンクレだ。

同社は、合同会社DMM.comが主体となり 昨年4月にスタート。アクセスが多くサーバダウンするほど人気で、サーバのメンテナンスのうえ6月に再始動した。当初はスマホアプリのみであったが、今年1月にブラウザ版も登場。PCの大きな画面で、アプリのインストールなしで手軽に遊べるようになっている。

DMMオンクレのプレイ画面の例

後発であるがゆえの強みはなんだろうか? 取材に対し、DMMオンクレの広報担当者の福田さんは、次のように話す。

「DMMオンクレは、ユーザーの獲得体験を大切にしており、500台の筐体の難易度を、それぞれの景品やクレーンに合わせ1台1台設定しています。また、業界初となるアシストゲージを搭載したことも大きな話題になりました。プレイごとにアシストゲージが溜まっていき、一定の回数プレイすると、スタッフがあと一押しでとれる位置に景品を移動するアシスト機能を実装しており、クレーンゲームにあまり慣れていない初心者の方でも安心してプレイしていただくことができます。

主なユーザーは20~40代の男女で、男女比は半々。仕事終わりにご自宅でプレイされたり、家事の合間にプレイしていただく方が増えており、現在景品数は1500点以上となっております。人気の景品はフィギュア、ぬいぐるみなどの定番品、DMMオンクレでしか取れないユーチューバーやアニメのオリジナルグッズのほか、最近は食品や日用品の展開にも力を入れております。

昨年の年末には、景品としておせちが登場したり、各店舗で仕込まれた麺とスープがそのまま冷凍された有名店のラーメンを取り揃えたりと、本来のクレーンゲームではなかなか取り扱うことのできない冷蔵や冷凍の商品なども展開。ラインナップを充実させている点も、DMMオンクレの強みです」

DMMオンクレの筐体がずらりと並ぶさまは圧巻(写真:DMMオンクレ)

ゲームセンターに行かずとも手軽にできるオンラインクレーンゲーム。認知度が各層に広がっていくにつれ、市場規模も人気も拡大し、より楽しめる工夫も創出されるにちがいない。ユーザーのみならずマーケッターとしても、注目しておきたいトレンドだろう。

取材・文/鈴木拓也

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