日産自動車は、R32型スカイラインGT-Rをベースに、日産の最新電動化技術を織り込んだ、R32 GT-R EVコンバージョンコンセプトモデルの製作を開始することを発表した。
日産には「GT-R」や「フェアレディZ」などが持つ、「走り」や「運転の楽しさ」そして「パワフルなエンジン」の魅力に憧れ、情熱を持って入社した多くの技術者が存在する。
そして現在、彼らは、入社当時と同じ情熱で最新の電動化技術の研究を行い、より安全で、ワクワクするドライビング体験を世の中にお届けするためにクルマ造りに日々邁進している。
このプロジェクトは、そんな技術者の「最高に好きなクルマに、今、自分が最高と思う技術を掛け合わせたら、世の中の人がもっとワクワクするクルマを作れるのではないか」という思いをきっかけとし、発想されたという。
ベースとするクルマは、日産の技術者が愛し、国内外の数々のレースで勝利を収め、今もなお世界中のファンから高い支持を頂いている「R32型スカイラインGT-R」を選択。
そこに日産の最新電動化技術を織り込むことで、世界でたった1台となるEVコンバージョン コンセプトモデルを製作する。
日産自動車では、当時のクルマに憧れて日産に入社した技術者が造る、最先端のEV技術をR32型GT-Rに搭載するEVコンバージョンモデルを通じて、多くの方々に、EVならではのワクワクする運転体験や魅力を伝えたいとしている。
この取り組みの様子は、3月28日より日産公式Twitter等で作業、進捗の様子も含めて発信していく。
【R32EV】vol.1
日産はR32型スカイラインGT-RのEV試作車製作に挑戦します。https://t.co/4eNjF3KdiI
この取り組みは、GT-Rに憧れて入社した技術者が「最高に好きなクルマに、今自分が関わる最新の電動化技術を載せて、もっとワクワクするクルマを造りたい」という思いから始まりました。#GTR #R32EV pic.twitter.com/pGBHqgeSBo— 日産自動車株式会社 (@NissanJP) March 28, 2023
R32型スカイラインGT-Rついて
8代目スカイラインとなるR32型は1989 (平成1)年5月に発売された。それから3か月後の8月には、実に16年ぶりの復活となった「GT-R」が登場し、大きな話題を呼んだ。GT-R のために専用設計された2.6L直列6気筒DOHCツインターボエンジン「RB26DETT型」は、当時の国産車最強の280馬力を発生。
駆動方式には、FRベースながら路面状況に応じた高度な電子制御で前後輪に自在に駆動力を配分する電子制御 トルクスプリット4WDシステム「アテーサE-TS」を採用している。
サスペンションも新開発の4輪マルチリンク方式に一新し、セダン派生型のスポーツカーとしては世界トップクラスの運動性能を実現した。
このGT-Rは、実戦でも期待通りの大活躍を見せ、1990 (平成2)年~1993 (平成5)年の全日本ツーリングカー選手権(JTC)では4 シーズン29戦29勝0敗という完璧な戦績を残している。同様に、ベルギー・スパ24時間などの海外レースでも高い評価を得た。
構成/土屋嘉久