最近、ネットニュースやSNSでも取り上げられることの多い「おっさんビジネス用語」。昭和のおじさん世代が職場で使うビジネス用語のことで、「ガラガラポン」も代表的なものの一つ。この「ガラガラポン」は、明るい語感とは対照的に、シリアスな場面で使用されることも多い。
そこで本記事では、ガラガラポンの意味や言葉の由来、使い方、ガラガラポンと併せて覚えておきたいおっさんビジネス用語まで解説する。ぜひこの機会にチェックしておこう。
ガラガラポンとは
まず、「ガラガラポン」の意味から見ていこう。併せて紹介する言葉の由来についてもぜひチェックしてほしい。
仕切り直すこと
ガラガラポンとは、組織の人員配置や、複雑になってしまった問題を仕切り直す、または今まで積み重ねてきた物事を一旦白紙に戻すことを意味する。使い方によっては、まとめきれない意見を集めてとりあえずの結論を出すことを指す場合もある。
由来
福引の抽選を行う回転式抽選器を「ガラガラ」と回し、そこから「ポン」と球が出る様子を擬音語で表したことが「ガラガラポン」の言葉の由来とされている。この他にも、賭け事の一つであるサイコロ賭博のかごの中にサイコロを入れて「ガラガラ」と振り、「ポン」と置く様子が擬音語になったという説もある。
いずれにしても、「当たりとはずれのどちらが出てくるかはわからないが、とにかくやってみよう」というニュアンスを含む言葉だ。
ガラガラポンの使い方
「ガラガラポン」の意味や由来について理解を深められたら、次に、この言葉の正しい使い方を見ていこう。使用シーンと例文を確認し、ぜひ表現の幅を広げてほしい。
使用シーン
「ガラガラポン」は、明るい雰囲気の語感である一方、政治に関するニュースや、ビジネスシーンにおいても比較的シリアスな場面を表す際に使われることが多い。
具体的な使用シーンの例としては、今後の展開を左右する重要な局面で、思い切りのある行動や決断が求められる場面が挙げられる。また、意表を突く人事異動を指して使われることもある。
例文
次に使用シーン別の例文をチェックしながら、具体的な言葉のニュアンスや適切な使い方を押さえよう。
【政治に関する話題】
「政策をガラガラポンして考える」
「選挙によって、ガラガラポンで政党が入れ替わることになった」
「新しい総理大臣が就任したことにより、内閣の議員がガラガラポンした」
【ビジネスシーン】
「このプロジェクト、今までのことはガラガラポンで考えよう」
「ガラガラポンでアイデアを出してみよう」
「人事がガラガラポンした結果、直属の上司が部署異動することになった」
気になるおっさんビジネス用語
若い世代にとっては馴染みが薄く、死語扱いされることもあるおっさんビジネス用語。最後に、「ガラガラポン」と同様、物事を仕切り直す際に使われる用語を紹介しよう。
1. 落としどころ
関係者の合意点、もめ事や話し合いの妥協点や対立した両者が納得できる条件のことを表す。
【例文】
「昨日の会議で解決できなかった議題の落としどころを見つけたい」
「今回の交渉の落としどころとして、仕入れ値を下げて、納期に余裕を持たせるのはどうだろうか」
「A社は買収される場合の落としどころとして、社長の座を現在のA社の社長に譲るよう提案した」
2. 座組み(ざぐみ)
プロジェクトの参加メンバーや所属会社の構成、プロジェクトの体制のこと。現在では、年代に関わらず、世間一般に普及している言葉だ。
【例文】
「この座組みだったら、プロジェクトはきっと成功するだろう」
「彼女を今回の座組みに入れれば、素晴らしいチームになるはずだ」
「あの座組みは他の団体からも評判が良かった」
3. バラす
仮抑えしたスケジュールをキャンセルすることを指して使われることが多い。
【例文】
「予約確定前だったら、無料でバラすこともできた」
「この日だと部署全員の予定が合わないため、一旦バラすことにしよう」
「バラした予定を再度調整しなければならない」
4. ざっくり
「大まかに」や「大体」を意味する。
【例文】
「次回の議題について、部長からざっくりと説明された」
「この資料作成は、明日までにざっくりやっておくように上司から指示された」
「ざっくりでいいので提案書を書いた方がいいと、先輩からアドバイスされた」
文/編集部