30代以上の男女1400人に聞いた介護施設に「入居したくない」「入居させたくない」理由

2023.03.29

来る2025年には団塊の世代全員が後期高齢者になり、日本は高齢化の一途をたどっている。これに伴い、2024年の介護保険制度改定に向けて、自己負担割合の拡大などの議論が進んでおり、漠然とした介護不安を感じている人も多いのではないだろうか？

こうした背景を踏まえてLIFULL seniorではこのほど、全国30代以上の男女1400名を対象に「介護の実態および意識に関する調査」を実施し、その結果を発表した。

介護は「専門職の手を借りたい」が約8割。介護経験者ほど推奨意向が高い結果に

全回答者1400名を対象に介護に関する考え方について聞いた。「介護士など専門職の手を借りたほうがいい」と回答した人は、全体の84.2％だった。「介護保険サービスを利用したほうが良い」と考える人も全体の85.8%と、大半の人が専門職の手を借りたい、借りたほうが良いという結果に。

また、介護に携わったことがある人／ない人の意識差を見ると、「介護士など専門職の手を借りたほうがいい」が91.8％／78.5％（13.3ポイント差）、「介護保険サービスを利用したほうが良い」が93.7％／80.0%（13.7ポイント差）とそれぞれ約13ポイントの差があることがわかった。

これは、介護に携わった人のほうが、専門職や介護サービスの必要性を認識しているという結果と言えそうだ。かつては、家族や身内で介護をすることが当たり前の時代があったが、当たり前が変わったと言えるかもしれない。

※介護保険サービスとは、デイサービス、訪問介護、老人ホーム等を指す

親が要介護者の210名を対象に「親の介護をどのように行っているか」聞いたところ、デイサービス、訪問介護、施設入居などの何かしらの介護サービスを利用している人は全体の84.3％に。

内訳は「家族や身内で介護を行っているが、デイサービスも活用している」が33.3%、「介護施設などに入居して受けるサービスを活用している」が32.4%と、デイサービスと施設入居で二分されるという結果となった。

一方で、「家族や身内で介護を行っている（とくに介護サービスは利用していない）」はわずか9.5％と少数派のようだ。多くの人が親の介護を行うにあたり、介護サービスをうまく活用していると言えそうだ。

※“何かしらの介護サービスを利用している人”は、全体から「サービスを含めてとくに何も行っていない」「家族や身内で介護を行っている」人を除いた数値

親が要介護者の203名を対象に親の介護を家族のうち、誰がメインで行ったかを聞いた。最も多いのは「長男」で29.1％となった。以下、「長女」が20.2％、「親の配偶者」が14.8％、「次女」が10.3％、「次男」が8.9％と続いた。

かつて、親の介護者として筆頭で上げられていたいわゆる「長男の嫁」は8.4％と6番目のランクインとなった。「長男」がトップであるものの、2番目は「長女」と、生まれ順が早い“長男・長女”の合計値は49.3％と約半数を占めた。

「女性だけが担う仕事」とされてきた介護だが、近年では男女問わず子世代がいつかは直面する課題となっているようだ。

※直接的な介護を行っていない場合でも、手配・検討等をメインで行った人を回答