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一度は味わいたい本格的なトリュフ料理が楽しめる専門フレンチ3選

2023.03.29

トリュフ

トリュフ

 バブル期でさえ、一部の美食家のものでしかなかった高級食材トリュフ。今では、トリュフ塩やトリュフオイルの普及のおかげで、そこらの居酒屋がトリュフ味のポテトフライを出すわ、コンビニが日清のラ王発売30周年記念トリュフ醤油味(500円もする割に具材が一切なく、とにかく味をトリュフに特化したカップ麺)を棚に並べるわ──日本の若者が普通にトリュフ味を口にする時代になりました。

 そもそもトリュフは、外皮が薄くしっとり柔らかい白トリュフ(収穫は10月下旬〜12月末)と、外皮が硬くカチカチの黒トリュフ(主に12月上旬〜3月上旬)に大きく分けられ、価格は黒が白の約5分の1。

 白トリュフはイタリアや東欧諸国でしか取れませんが、黒トリュフは本場フランスのみならず世界各国で収穫されており、特にここ3〜4年、雲南省(ベトナムやミャンマーに接した中国の南西部)産の黒トリュフが一気に普及しました。

 フランス産の黒トリュフの香りがまったりした妖艶な感じなのに対し、雲南省産の香りはアルコールっぽく刺激的なので、昔からトリュフを使ってきた料理人にはやや違和感があるそうですが、最近の雲南省産は香りも味も十分豊か。なのに価格はフランス産の半分以下で、安定しているといわれています。

 雲南省産だけでなく、今では南半球のオーストラリアやチリも質の良い黒トリュフを出荷しており、基本的に通年で質の良い黒トリュフを入手することができます。こうした産地の広がりが、トリュフを一般に普及させた原動力なのでしょう。

トリュフ

 トリュフも黒トリュフも、春頃、地表下15〜20cmの樹木の若い根に胞子が付着して生まれます。胞子はいくつもの菌の複雑な相互作用で成長するので人工栽培が難しく、そのため、自然に地中にできたものを鼻の利く犬やメス豚に捜させるのが一般的だそうです(4コマ漫画参照)。

 胞子はやがて、8〜9月に降る雨で内部に水分を蓄え、秋に熟成し、収穫されます。トリュフの中身は、7割が水分で、特に白トリュフは外皮が薄い分、一度掘り出すと水分が飛ぶのが早く、1日に5〜8%減っていくそうで、いくら保存に気を使っても、賞味期限は収獲から最大1週間。

 しかも、白トリュフは近年の異常気象で右肩下がりで収獲量が減少しており、10年前はキロ当たり50万円だと聞いて腰を抜かしていたのが、今シーズンはその3倍の150万円。収穫量は少ないけど、出来はかなりいいそうで、本来は12月末で終わるはずが、1月に入ってもいいものが入ってきているそうです。

 黒トリュフも今シーズンの状態はよく、出だしの12月初めは過去イチ値段が高かったそうですが、年が明けてから値段は落ち着いてきているといいます。黒トリュフのシーズンは,地域によってはあとひと月あるので、この機会にぜひ一度、専門店で今シーズンの味をご賞味ください。

 黒トリュフは、そのまま料理に削ってかける白トリュフと違い、少し火を入れたほうが香りが立つといいます。ただし高温は禁物で、せいぜい60〜70℃。コンソメスープに入れるとか、卵の中に細かく切って入れてオムレツにするのが一番。卵のほか、相性がいい食材はチーズ、じゃがいも、牛肉・豚肉──となると、料理はやっぱりフレンチですね(主要産地もフランスですし)。

 東京にはトリュフ料理専門のフレンチが3店あります。一つめは、ニースに本店を持つトリュフ料理専門店を日本の外食大手のワンダーテーブルが、2008年に六本木ヒルズ内に招聘し、2012年に南青山に移転させた『テール・ド・トリュフ』。高級感のある店で、コースの価格は3店の中で一番。二つめが、パリのマレ地区にある店を、スティルフーズが2017年に六本木の東京ミッドタウン内に招聘した『アルティザン・ドゥ・ラ・トリュフ』。こちらは『テール・ド・トリュフ』よりずっとカジュアルな店で、価格もほぼ半分です。

 残る店が、西麻布の『マルゴット・エ・バッチャーレ』。店名の「バッチャーレ」はイタリア語で「キスする」という意味で、コースにはパスタも出てくるのでイタリアンっぽいですが、シェフの加山兄弟はフレンチの出身で、料理は基本フレンチ。ちなみに「マルゴット」は、実業家のオーナーが、別の店でトリュフを削ってもらった時、「え? たったこれだけ?」と思った経験から、「まるごと」1個思う存分かけられる店を作ろうとつけた名前だそうで、現にこの店では、客が自分で選んだまるごと1個のトリュフを好きなだけ料理にかけられる仕組み。食べログの採点はこの店が一番上です。

 欧米ではトリュフは昔から一種の媚薬と考えられてきました。なので、東京のトリュフ料理専門店が、街全体が媚薬といえる六本木周辺に集中しているのは、なかなか興味深い事実。

 とにかくおいしいトリュフ料理を食べるなら、六本木周辺にお出ましください。

『アルティザン・ドゥ・ラ・トリュフ』

『アルティザン・ドゥ・ラ・トリュフ』は、『PIZZERIA1830』やフレンチ『ブノワ』を経営する(株)スティルフーズが、パリ4区マレ地区にあるフランス版東急ハンズ「BHV(ベーアッシュべー)」内のトリュフ料理専門レストランを、六本木の東京ミッドタウンのガーデンテラス1階に招聘したトリュフ料理専門レストラン。店内は木の茶色と黒のツートーンで、落ち着いた大人の雰囲気。約40席ある広いテラス席がウリ。ディナーコースはプリフィックスで8000円から。◆住所:港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス1階 ◆電話:03・5413・3830

『マルゴット・エ・バッチャーレ』

『マルゴット・エ・バッチャーレ』は、『ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション』『カンテサンス』出身の加山賢太と、レストランオマージュ出身の加山順平兄弟がシェフを務める、西麻布の裏通りのトリュフ料理専門店。赤い間仕切りのポップな内装が印象的。季節に応じたトリュフを、木のケースに入れてフロア係が客席にうやうやしく運び、客にまるごと1個選ばせ、料理にかけるシステム。コースは1万4520円から。有名人の客も多数。◆住所:港区西麻布 4-2-6 菱和パレス西麻布1階 ◆電話:03・3406・8776

トリュフ

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【秘訣】客単価を上げるカギは、一も二もなくトリュフ!

取材・文/ホイチョイ・プロダクションズ

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