ビー・エム・ダブリューは、BMW Motorradにおいて初めてのMモデルとした登場した「M 1000 RR(エム・セン・アールアール)」の新型モデルを、3月23日(木)より予約注文の受付けを開始する。納車開始は、本年夏頃を予定している。
M 1000 RRは、BMWのサブ・ブランドであるMの名を冠した、BMW Motorrad初のMモデルとして、S 1000 RRをベースとし、徹頭徹尾、カスタマー・スポーツからWSBK(スーパーバイク世界選手権)まで、モーター・スポーツのあらゆる要件に対応できる唯一無二のモデルとして、2021年1月に日本において、初代モデルが発表されている。
今回発表の新型M 1000 RRは、BMWの揺るぎない野心、熱い情熱、精巧な技術力を結集させ、特に、エアロダイナミクスの開発に重点を置き、風洞実験とロードテストに多くの時間を費やし、エンジン出力を変えずに、最高速度を大幅に向上させ、さらに、コーナーでのバンク時にもダウンフォースを大幅に増加させている。
M 1000 RRベースモデルとコンペティションモデルを設定
M 1000 RR(スタンダード)
M 1000 RRには、燃料タンク、タンク・サイド・パネル、エアボックス・カバー、リア・セクションをライト・ホワイトの色で仕上げたベースモデルと、燃料タンク、タンク・サイド・パネルをブラック・ストーム・メタリックの色で仕上げたコンペティションモデルがある。
M 1000 RR M Competition Package(プレミアム・ライン)
カーボンファイバーのエアボックスカバーと後部セクション、着色されたフロントスクリーンは、どちらのモデルも、Mデザインデカールが付いたカーボンファイバー製であり、軽量で精巧に作られたフェアリングを特徴としている。
エンジンおよびシャシー
M 1000 RRに搭載の4気筒エンジンとシャシーは、レーストラックで使用できるように調整が施されている。レース用、特にスーパーバイク世界選手権用に設計された水冷並列4気筒エンジンが搭載され、最高出力156kW(212PS)/14,500rpm、最大トルク113Nm/11,000rpmを発揮し、最高回転数は15,100rpmである。
最適化されたピストンリングを備えた軽量2リング鍛造ピストン、細くて軽量なカムフォロア、全てをCNC加工とした吸気ポート、バルブタイミングとバルブリフトを変化させるためのBMWシフトカムテクノロジーを備えている。
レーシングエンジンに不可欠なその他のコンポーネントは、チタンバルブ、最適化されたカムシャフト、Pankl(パンクル社)製の長いチタンコネクティングロッドとなり、摩擦力の低減と軽量化を実現し、吸気システムは、高回転域での吸気を最適化するために、より短い吸気ファンネルを備えている。
シャシーはアルミ製のブリッジフレームを中心に据えており、倒立フォークとフル・フローター・プロ・キネマティクスを備えたリアサスペンションストラットによって補完されている。レーストラックにおいて可能な限り最高のラップタイムを達成させるため、レーストラック向けとして妥協なく設計すると共に、スポーティなライディングにも理想的なシャシーとサスペンションとしている。
さらに、フェアリング、Mウィングレット、統合されたMブレーキダクトを備えたフロントホイールカバー、Mエアロ・ホイールカバーの新設計により、ダウンフォースが大幅に増加し、最高速度を大幅に向上させている。
テクノロジー、エアロダイナミクス、デザイン
M 1000 RRは、風洞での最適化、レーストラックでのテストを通じ、フェアリングの開発を徹底的に行っている。より高いフロントスクリーンを備えたカーボン製の新しいフェアリングは、ライダー周りの最適化された気流と相まって、最高速度を大幅に向上させている。
新しいフェアリングのもう1つの効果は、Mエンジン・カバーに統合された保護である。このフェアリングは、特に軽量でありながら剛性の高いカーボンファイバー製のフェアリングフロントビームも使用している。
フロントインジケーターライトのケーブル接続へのアクセスを改善したことで、レーストラックで使用できる状態にするための変更が、さらに迅速化。トップスピードの向上とダウンフォースの向上という相反する目標は、空気力学的に関連するすべてのコンポーネントを巧みに全体的に開発することによって、新しいレベルに引き上げられている。最高速度は、先代モデルと比較して、306km/hから314km/hに向上させることに成功。ライダー周りの気流の大幅改善により、身体への負担が大幅に軽減されている。
そしてエアロダイナミクス全体を最適化するため、前輪回りの改良を施し、BMW Motorradの歴史上初めて、カーボンファイバー製のブレーキ冷却エアダクトを採用している。フォークボトムとブレーキキャリパーの周りの空気の流れを改善するため、最適化された新しいフロントマッドガードに統合され、レーストラックにおいては、Mブレーキの温度を最大10℃低下させ、さらに高いパフォーマンスの達成も可能にしている。
さらにMエアロ・ホイール・カバーもカーボン・ファイバー製で、特に250km/h以上の速度域での走行抵抗をさらに低減している。
Mコンペティション・パッケージ
M 1000 RRコンペティション・パッケージは、レーシング・テクノロジーの機能美、洗練されたコンポーネントの魅力的な組み合わせを提供。 M GPSラップトリガー・ソフトウェアと関連するアクティベーションコードに加え、コンペティションパッケージには、Mビレット・パッケージ、Mカーボン・パッケージ、クリアアルマイト処理された220g軽量のスイングアーム、DLCコーティングされたMエンデュランスチェーンが含まれており、ピリオンパッケージにはハンプカバーが含まれている。
Mビレット・パッケージのコンポーネントは、高強度アルミニウムから削り出され、アルマイト処理されたブレーキレバーとクラッチレバーの他、重要な機能に特化させ、重量が最適化された新しいライダーフットレストシステムとブレーキレバーガードである。Mカーボン・パッケージには、クリアラッカーでコーティングされた高品質のビジブルカーボン製のリアフェンダー、ドライブスプロケット、チェーンガード、左右のサイドおよびタンクパネルが含まれている。
【メーカー希望小売価格】
M 1000 RR(スタンダード) 3,849,500円(税込)
M 1000 RR M Competition Package(プレミアム・ライン) 4,488,500円(税込)
関連情報:https://www.bmw-motorrad.jp/ja/home.html
構成/土屋嘉久