今日もムダな会議が行われている……
そう感じているビジネスパーソンも多いのではないだろうか。
わざわざ会議でする必要のない報告から意味のない議題の数々。会議後、誰もがグチってしまうような慣習化した時間に、生産性を感じないという声も度々耳にする。
世界の成功者たちはそれがムダであることを知っている。
iPhoneの生みの親スティーブ・ジョブズも会議の規模は小さいほうがいいという信念だった。必要最小限のメンバーで十分という考えだ。
また、会議ではパワーポイントの使用を嫌い、会議の参加者にタスクを与えて自身の役割を全うさせるシステムを好んだ。
アマゾン創業者のジェフ・ベゾスもムダな会議はしない。彼のミーティングは資料の黙読からスタートさせる。時間にして15分。しかも沈黙のまま。参加者全員が資料の内容を理解してから始めることで無駄な時間が省けるという。
そんな成功者たちの独特な会議スタイルは多くの日本企業にも影響を与え、会議の在り方を見直すきっかけとなっている。そこで、今までにない斬新なアイデアを取り入れた話題の会議をいくつか紹介しよう。
ニッポンの凄い会議 ディベート形式、バーチャルオフィス、ギャルマインド
Web3時代のファンプラットフォーム「Gaudiy Fanlink」を提供する、株式会社Gaudiy。話題になっている会議が「蠱毒」(こどく)だ。
これは議題に対し、参加者2名以上がディベートを行い、限られた時間内に結論へと導くというもの。意思決定スピードと質が爆上がりし、Gaudiyの新しい文化として定着しつつあるという。
しかし、「1つの問題を2〜3人で考えることは結果的に効率が悪いのでは?」という意見があるそうだが、それはないという。
これまでも、意思決定までに複数人が何度も議論を重ねていたため、労働効率としては大差ない。「蠱毒」最大のメリットは意思決定の質を高めることだからだ。
ちなみに蠱毒とは古来中国に伝わる動物を使った呪術の一種。「それぞれが持ち寄ったプランの中で勝ち残った最後のひとつが最強のプランになる」という意味を込めて名付けたという。
そして、最近のリモートワークの定着化などにより“オフラインのようなオンラインコミュニケーション“を実現している企業も。
人材総合サービスなどを展開するエン・ジャパンでは2020年からバーチャルスペース「oVice(オヴィス)」を導入したバーチャル会議を行なっている。
「オヴィス」はウェブ上のアバター同士で会話やコミュニケーションが簡単にできる2次元のバーチャル空間サービス。会議はもちろん、バーチャルオフィスの開設も可能な今大注目のサービスだ。
そもそもエン・ジャパンがオヴィスを導入したきっかけは、コロナ禍で社員の小さな変化に気付きにくくなったためだという。
業務自体はSlackやZoomにより支障はないものの、社員の些細な相談事や体調変化、チームの動きが見えにくくなったのだとか。
そんなエン・ジャパンはオヴィス導入後どう変わったのか?今回、広報担当に話を聞いた。
–オヴィス導入後の変化を教えてください
「まず、コロナ前の対面会議と比べると会議室の大きさにとらわれないので、20名以上の会議も開催しやすくなり、会議をするまでもないことはバーチャル上ですぐに確認できるので、そもそも無駄に会議を開かなくなりました」
「また、バーチャルオフィスではルームにいくだけで良いのでZoomのようにURL発行の必要性がなく会議開催がとにかく楽です」
現在もバーチャルオフィスでの会議を積極的に行っているというエン・ジャパン。たとえ出社していてもバーチャルでつなぐ方が仕事がしやすい場合もあるとか。
–バーチャルオフィス導入による効果は?
「一つは仕事のスピードUP。以前はちょっとした相談・確認はテキストベースが多く、文章でまとめるまで時間がかかっていましたが、バーチャルではすぐその場で声をかけることができ、離席モードもあるため応対できるできないも明確です。突発的な質問・相談が早くできるようになりました」
「もう一つは成長スピードの変化です。特に新入社員は、先輩社員を見て・聞いて真似ることが大事なんですがバーチャルオフィスではそれが可能になりました」
「顧客との電話対応など同じ空間にいなければ分からないことも、バーチャルオフィスでつなぎながら仕事をしていれば自然とそこから学ぶことも多いです。入社1年目社員の立ち上がりも早くなっています」
さらに、組織、拠点を超えた社員ともつながり、協業のしやすさにもつながっているという。
そして、こんな利点も。
「雑談によるアイディア創出も増えました。完全在宅勤務になった当初は雑談する機会が減り、新しいアイディアが生まれることも少なかったんですが、バーチャルオフィスでは仕事をしながら自然と雑談が生まれるので、そこから新たな発見につながることもあります」
対面式のムダな会議が減少し、なおかつ普通のオンライン会議では得られなかった他部署との繋がり、仕事を超えた雑談がバーチャルオフィスでは大きなメリットとなっているようだ。