誤解2:サトウキビばかり作っている
真実2:じゃがいもや肉牛も作っている
文化的に沖縄県に近いと述べたとおり、奄美でもサトウキビの栽培が盛んだ。令和3年の収穫量では54万3700tと全国2位。ちなみに1位の沖縄県は81万5500tである(農林水産省『令和3年産さとうきびの収穫面積及び収穫量』より)。
実はそれ意外の農業もさかんだ。例えば、じゃがいも(馬鈴薯)の収穫量は北海道に次ぐ2位(農林水産省『ばれいしょをめぐる状況について』より。年によっては長崎県と3位が入れ替わる)。
ほかにも、奄美群島に属する「与論島」は、和牛「ヨロンアイランドビーフ」の産地としてその知名度を上げている。北海道でよく見る「牧草ロール」をこの南国の地でも見られたことはとても驚いた。
与論島を始め奄美群島の文化を残す民俗資料館「与論民族村」の館長・菊さんによれば
「昭和40年代の減反政策までは、コメも作っていた。”サトウキビが有名”というのはその通りだけど、それは島の産業の一側面です」
とのこと。島内の歴史や文化についてここでは語りきれないので、ぜひ与論民俗村を訪れてほしい。
屋外資料館の「与論民俗村」
茅葺き屋根の住宅が今も現存する
写真中央にあるのは「ゆりかご」。奄美・沖縄では本土と異なりゆりかごを天井から吊るすのが主流だったそうだ。
与論島内ではヨロンアイランドビーフを食すことももちろん可能だ。島内のメインストリート「与論銀座」にある居酒屋『かよい舟』では、肉寿司として味わうことができる。
肉の匂いと酢飯がケンカしてしまいがちな肉寿司だが、ヨロンアイランドビーフは臭みが少ないので寿司にしても旨い! 与論での”ザギンでシースー”を楽しんでほしい。