携帯電話の使い方はヒントになる
子どもとのかかわりの中で、特に子どものことを知ることができるのが、携帯電話の使用状況だという。
「日頃の子どもの様子を観察する際に、子どもの携帯電話の使い方は大きな手がかりになります。料金の大きな変化や、携帯を見ている時間の変化なども子どもの悩みに関係していることがあります。友人関係が上手く行っていない、恋愛でもめているなどです。その変化の理由を子どもに聞き出すことは悩みを知るきっかけになりますが、責めるのではなく、『なんか、最近携帯あまり使ってないみたいね』など切り出すのも良いです。両親のどちらがどんな風に悩みを聞き出すのかも夫婦で話し合って決めると良いですね」
子どもが自ら親に悩みを打ち明けるようになるためには?
理想は、子供が自ら親に悩みを打ち明けられるような関係づくりと言える。親は日ごろからどんな風に子どもと付き合っていれば良いだろうか。山脇氏は次のように締めくくった。ぜひ参考にしたい。
「大事なのは、子どもが“怒ったりせずに、ちゃんと話を聞いて、力になってくれそう”と普段のコミュニケーションから思えることです。心配し過ぎて過干渉するのはよくありません。
そして子どもが何か悩みを抱えている様子が伺えたら、『お父さんにできることがあれば言えよ』と声をかける、そして子どもが悩みを打ち明けだしたら、仮にそれがやめさせたい内容であっても、『そんなことしちゃだめだろ』などや、やるべきことをやっていないときなども『ちゃんとやらなきゃだめだろ』など、子どもが“否定された”と感じてしまう発言はしないことです。
先々、子どもをさとす必要があっても、まずは『話してくれてありがとう』と、詳しく悩みの内容を聞くことが重要です」
【取材協力】
山脇 由貴子氏
横浜市立大学心理学専攻卒。都内の児童相談所に心理の専門家(児童心理司)として19年間勤務したのち、『山脇由貴子心理オフィス』を開設。以降、女性の生き方アドバイザー、家族問題カウンセラーとして活動する傍ら、映像メディアにも多数出演、国内外で講演活動も行っている。著書には現代のいじめ問題を扱ったベストセラー『教室の悪魔』(ポプラ社)などがある。
【参考】中外製薬「サステナブルードットライフ」
取材・文/石原亜香利