ロイヤルエンフィールドは、3月17日(金)からインテックス大阪で開催の「大阪モーターサイクルショー」において、カスタムバイク「Royal Enfield-改(ロイヤルエンフィールド・カイ)」を、世界初公開した。
このカスタムバイクを製作したのは、愛知県名古屋市を拠点とするカスタムファクトリー「AN-BU Custom Motors(アンブ・カスタムモータース)」の代表である藤田浩一氏。
スピード感あふれるスタイルにカスタム
この「Royal Enfield-改」は、カフェレーサースタイルと、排気量648cc空冷4ストローク並列2気筒エンジンを採用したロイヤルエンフィールド「Continental GT 650(コンチネンタル・ジーティー・ロクゴーマル)」をベースに製作。
「AN-BU Custom Motors」の藤田氏によって、1970年代から1980年代にかけて耐久レースなどで活躍したレーシングマシンが持つ、スピード感あふれるスタイルにカスタムされている。
アルミ鋼鈑から叩き出して成型したフューエルタンクは細く長く、どの角度から見ても美しいラインで構成。その燃料タンクを支えるフレーム上部は、タンク形状に合わせ、1970年代から1980年代に活躍したレーシングマシンのフレームレイアウトをモチーフに再構築されている。
しかしステアリングヘッド周りや、エンジンマウントを含むフレームのダウンチューブ、スイングアームのピボットポイント周りはスタンダード・フレームを流用している。またフロントフォークはKAYABA製で、80年代のレーシングマシンに多く採用されていた38mm径を選択。
そのフロントフォークとフレームを繋げる三つ叉は、そのKAYABA製フロントフォークに合わせて設計するとともに、藤田氏がイメージするスポーツライディングを実現するためにフォークピッチ(フロントフォークを配置する幅)やフォークオフセット(2本のフロントフォークとステアリングステムで構成する二等辺三角形の高さにあたる部分)も専用設計されている。
オリジナルで製作したカーボン製カウルには、AN-BUのカスタムバイクでは定番となっている、カウル中央からオフセットした場所にヘッドライトを配置。イメージソースは、80年代の耐久レーサー。しかしカーボン繊維を目立ちすぎないよう、そのカウル表面にはマットブラックの塗料が絶妙な濃度でペイントされている。
そのカウルから、少しだけエキゾーストパイプが見えるよう、カウルの形状や配置、エキゾーストパイプは藤田氏によって緻密にデザインされている。エキゾーストパイプは、管長を長く取るために、蛇がトグロを巻くように複雑なレイアウトでカウル中に収められている。
アジア太平洋市場担当事業責任者のAnuj Dua(アヌージ・ドゥア)氏は、日本におけるカスタムバイクの可能性について、次のようにコメントしている。
「世界中のカスタムバイクビルダーとプロジェクトを展開した我々から見ても、日本には優れたカスタムバイクと、それを製作する才能豊かなカスタムバイクビルダーが多数存在する魅力的な国です。今回AN-BUの藤田氏が製作したRoyal Enfield-改もそのひとつであり、それによってロイヤルエンフィールドのプロダクトが、カスタムバイクビルダーに対してクリエイティビティとイノベーションを与えていると確信しました。
またバイクに情熱を傾ける日本中のライダーたちによって、カスタムバイクを中心としたコミュニティが広がっていることも実感しました。シンプルな構造によって純粋にライディングを楽しむことができるロイヤルエンフィールドの各モデルは、そのコミュニティやカスタムバイクビルダーたちにとって、創造力を刺激する最適な素材であると考えています。そしてその創造力は車体デザインに限定することなく、エンジンやサスペンションと言ったバイクの機能面においても同様であると考えています。
そして今後も、日本ではAN-BUが初めて参加した、ロイヤルエンフィールドの公式カスタムプログラム/Custom World(カスタム・ワールド)が、日本のカスタムバイクビルダーの創造力を発揮する場になると確信しています」
昨年12月、ロイヤルエンフィールドは日本最大級のカスタムバイクおよびカスタムカーのイベント「ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー2022」に初めて参加。650ツイン・プラットフォームをベースにした2台のカスタムバイクと1台のレース用ファクトリーマシンを、日本のバイクファンに披露した。
この「Royal Enfield-改」は、東京、名古屋で開催されるモーターサイクルショーのロイヤルエンフィールドブースにおいても、日本で販売する最新のロイヤルエンフィールド・モデルともに展示される。
関連情報:https://www.royalenfield-tokyoshowroom.jp/
構成/土屋嘉久