フォーマルなレストランでは、お会計のマナーを守ることが大切です。合図の仕方や支払い方法など、注意点と併せて紹介します。そのほかの基本的なマナーについても確認し、実際に足を運んだときに、自信を持って振る舞えるようにしましょう。
レストランでのお会計マナーってある?
普段あまり意識したことがない人もいるかもしれませんが、レストランでのお会計にはマナーがあります。把握しておきたいマナーについて紹介します。
テーブル会計でのマナーを押さえておこう
カジュアルなレストランでは、自分でレジに出向いてお会計を済ませることが多いでしょう。しかし、フレンチ・イタリアンレストランなどフォーマルなレストランでは、テーブルでお会計を済ませるのが一般的です。
テーブル会計が主流なのは、客に快適に過ごしてもらうための店側の配慮が主な理由とされています。レジ会計のようにレジを探したり、順番を待ったりする必要がありません。会食相手との会話も途切れることがなく、スマートに会計を済ませられるでしょう。
日本はレジ会計が主流であるため、テーブル会計はマナーを知らないと戸惑うこともあります。事前に支払い方法やマナーをしっかり確認しておきましょう。
レストランでのお会計マナー【合図・伝え方】
お会計をお願いしたいときは、どのようにスタッフに伝えたらよいのでしょうか?具体的な合図や伝え方を紹介します。注意点についても、併せて確認しましょう。
食事後、近くにスタッフが来たら合図を
お会計のタイミングは、カップルの場合は女性が化粧室に立った際に済ませるとスマートな印象になります。グループの場合は、全員が食べ終えたタイミングがよいでしょう。
お会計をお願いしたいときは、席に座ったまま、近くにスタッフが来た際に合図で伝えましょう。合図は、軽く手を挙げる・視線を送る・財布を取り出すしぐさをするなどがあります。
財布を取り出すしぐさは、お会計をお願いする合図として使えるので、スタッフに席に来てもらってお会計したい旨を伝える手間が省け便利です。
大きい声で呼ぶのは避ける
スタッフを「すみません」と大きな声で呼ぶのは、基本的にマナー違反とされています。フォーマルなレストランでは、場の雰囲気を壊したり、ほかのお客さんに不快な思いをさせてしまったりすることがあるため、気を付けましょう。
ただし絶対に声を出して呼んではいけないというわけではなく、スタッフがなかなか合図に気付いてくれないときなどは、適度に声を出しても構いません。
また反対に、スタッフが来たと同時に無言でクレジットカードを出すなど、必要以上に意思表示をしないのもよいとはいえないでしょう。コミュニケーションを取ることもマナーの一環です。
なお、スタッフを呼ぶときだけに限らず、周囲に聞こえるように大きな声で話したり笑ったりするのもマナーに反するので気を付けましょう。
席に来たスタッフにお会計をお願いする
スタッフが席に来たら、お会計をお願いしましょう。複数の言い方がありますが、一番無難なのは「お会計お願いします」です。
「お勘定お願いします」「チェックをお願いします」でも伝わるので、自分が言いやすい言葉やその場の雰囲気に合う言葉を選びましょう。
また、フォーマルなレストランでは、雰囲気に合う言葉遣いをすることも大切です。「チェックで」「お勘定!」などとぶっきらぼうにならないように、スタッフにも丁寧に接することを心掛けましょう。
避けた方がよい合図・伝え方
指でバッテンをつくるジェスチャーは、お会計をお願いしたいという合図の一つです。しかし、スムーズにお会計をするためには、避けた方が無難でしょう。
基本的にお会計したい旨が伝わればよいのですが、比較的古いジェスチャーであるため、スタッフに伝わらない可能性があります。古いと思われ、スマートさに欠ける印象を与えてしまうこともあり得るでしょう。
また、寿司屋でお会計の意味で用いられる言葉『おあいそ』は、実は客側が使う言葉ではないとされています。『もてなしをすること』という意味があり、本来はスタッフ側が使う言葉といわれています。
隠語として使われているとしても、誤解を招くこともあるため、一般的な別の言葉を使いましょう。
レストランでのお会計マナー【支払い】
次は、支払い方法と注意点について紹介します。通常の支払いと異なる点もあるため、戸惑わないように詳細を確認し、スムーズにお会計できるようにしましょう。
チェックが来たら支払いをする
スタッフがチェックをテーブルに持ってきたら、支払いをします。チェックは、バインダーなどに挟まってくる場合もあります。まずは、レシート(明細書)の金額に間違いがないか確認しましょう。
支払い方法は、クレジットカード・現金のどちらでも構いません。ただし、現金の場合は、たくさんの小銭を出すともたついた印象になりスマートさに欠けるため、紙幣のみで支払うのが一般的です。
また、クレジットカードや紙幣をそのまま渡すのもマナー違反とされることもあります。バインダーもしくは、レストラン側の控えとなるレシートを二つ折りにして、それに挟んで渡すようにしましょう。
サービス料と海外のチップ制度もチェック
フォーマルなレストランでは、『サービス料』が加算されることもあります。日本独自の制度で、テーブルクロスやナプキンなどのリネン類のクリーニングや、化粧室のアメニティなどの費用に充てるものです。現金で支払う場合は、少し余裕を持ってお金を持っていくと安心でしょう。
また、海外のレストランでは、チップを支払う必要があるケースも珍しくありません。例えば、アメリカ・イギリス・カナダ・イタリア・ドイツなどではチップが必要です。チップの相場は国によって異なりますが、合計金額の10~15%程度です。
チップがすでに金額に含まれている場合もあるので、レシートで確認しましょう。
複数人でも支払いはまとめて
フォーマルなレストランでは、複数人でもまとめて支払うのがマナーです。
割り勘や一人ひとりでの支払いがよくないというわけではありませんが、スタッフの手を不必要に取らせてしまうことになるためです。ほかのお客さんへのサービスが行き届かなくなり、迷惑を掛けることになりかねません。
また、場の雰囲気を壊してしまうなど、スマートではないとみなされることも理由の一つです。複数人の場合は、誰か一人が代表してお会計をし、レストランを出てから清算しましょう。あらかじめおおよその金額が分かっている場合は、事前に清算しておくのもおすすめです。
レストランでのお会計マナー【会食の場合】
職種によっては、仕事関係の人と会食をする機会があります。大切な取引先との会食で失礼がないように、お会計のマナーを確認しましょう。領収書のもらい方についても紹介します。
仕事関係に限らず、さまざまな会食の場で生かせるので、把握しておくと役立つでしょう。
お会計は相手から見えないところで
取引先の人を接待するなど、自分が支払いをする側である場合は、相手に気付かれないようにお会計を済ませるのがマナーです。テーブル会計であっても、事情を説明すれば臨機応変に対応してくれるレストランも少なくありません。
例えば、タイミングを見計らってトイレに行くふりをするなどして、お会計を済ませることも可能です。レストランによっては、予約の段階で清算をしてくれることもあります。
相手の見えないところでスマートにお会計を済ませるには、現金よりも素早く支払えるクレジットカードがおすすめです。
領収書をもらう場合
レシートをもらえないことも多いため、領収書が必要な場合は、お会計をお願いする際に一緒に伝えるようにしましょう。レストラン側が領収書の宛名を確認しなくて済むように、クレジットカードや現金と一緒に名刺を渡すようにすると、スムーズです。
特に取引先の人との会食では、相手に気付かれずにお会計を素早く済ませることが大切です。お会計に時間が掛かり相手を待たせてしまったり、もたついた印象を与えたりしないためにも、予約時に領収書が必要なことや宛名を伝えておくのもよいでしょう。