高級レストランでは、どのように振る舞ったらよいか分からず緊張してしまうものです。中でも、ナプキンを広げるタイミングや使い方が、いまいちよく分からないという人は多いでしょう。レストランでナプキンを使う際に、押さえたいマナーを紹介します。
レストランでのナプキンの基本マナー
高級レストランでは、布製のナプキンが1人1枚ずつ提供されます。いつ、どんなタイミングで使えばよいのか見ていきましょう。
乾杯の後もしくはオーダー後に広げる
ナプキンを広げるタイミングは、パーティーか食事会かによって微妙に変わります。オーダーをする必要がないパーティーでは乾杯の後、食事会などではオーダー後に広げるのが一般的です。
着席して即座にナプキンを広げると、「早く食事したい」と催促しているように受け取られてしまいかねません。基本的には、同席している年長者や、パーティーの主催者が広げるタイミングに合わせましょう。
後は食事をするだけという状態になったら、卓上のナプキンを取って膝の上に広げます。ナプキンを広げないままでいると、料理を皿の上に置けません。
ウェイターに「ナプキンをどうぞ」と促されてからではなく、最初の料理が運ばれてくるまでには広げるようにしましょう。
レディーファーストを意識して
女性を伴ってレストランで食事をする際には、『レディーファースト』を意識して行動しましょう。食事のマナーが合っていても、レディーファーストを怠るとスマートな振る舞いには見えません。
入店する際は、目上の人や女性を先に行かせます。高級レストランではウェイターが椅子を引いてくれるので、勝手に着席しないようにします。着席する順番は、目上の人や女性が先に座ってからです。
ナプキンも同様で、女性が先に広げます。もし彼女がナプキンを取るべきときに取っていなかったら、視線や手振りでさりげなく促してあげましょう。
使うタイミングは口元や指先が汚れたとき
ナプキンは指先や口元が汚れたときや、フィンガーボールで指を洗った後などに使います。フィンガーボールは、小鉢に水を入れたものが一般的です。手を直接使用して食べる料理が出たときに運ばれてきます。
水で洗って濡れた指先は、膝の上に置いたナプキンで拭きましょう。また、肉料理などの油っぽいものを食べた後にナプキンで口を押さえて、グラスに汚れが移らないようにしたいときにも使用します。
女性は口紅がグラスやカップなどに付かないように、食事前に軽く口元を押さえるのに使うとエレガントです。
ナプキンの適切な使い方をチェック
食事中や、やむを得ず中座する際、どこにナプキンを置けばよいのか迷うことがあります。適切な使い方を押さえておきましょう。
二つ折りにして膝の上に置く
ナプキンを広げたら二つに折って、折り目が自分の方に向くように膝の上に置きましょう。自分から見て折り目を手前にすると、膝の上から滑り落ちず安定しやすくなります。
ナプキンリングが付いている場合は外し、邪魔にならない位置に置きます。置き場所は特に決まっていないので、自分の近くにある空いているスペースに置いて構いません。
使用の際は『折りたたんだ面の内側』を使い、汚れた部分を見せないようにします。また、ナプキンを使うときや飲み物を飲むときなど、ほかのことをする際はカトラリーは置くのがマナーです。グラスやカトラリーはテーブルの上に置いてから、ナプキンを使いましょう。
中座する際は椅子の上に置く
料理が目の前にある状態で席を立つのはマナー違反とされるので、可能な限りしない方がよいでしょう。お手洗いや用事などは、できるだけ食事前に済ませておくのが基本です。
なるべく中座は控えたいものですが、しなければならないときもあるでしょう。その際は、ナプキンを軽くたたんで『椅子の上』に置きます。汚れた面が見えないように置けば問題ありません。
ただし、ナプキンを椅子の上ではなくテーブルの上に置くと、食事を終えたという意味になってしまうので注意しましょう。
食後はテーブルの上に置く
食後はナプキンを『軽くたたんだ状態』で、テーブルの上に置きましょう。きっちりとたたんでしまうと、料理に満足できなかったという合図になります。
ナプキンの端と端を少々ずらした状態にして、たたむ程度で構いません。これは、きちんとたたむことに気を回す余裕がないほど、料理がおいしかったという意味です。かといって、汚れた面を見せたり、ぐしゃぐしゃにした状態で置いたりするのも失礼にあたるので注意しましょう。
また、自分の食事が終わったタイミングですぐにナプキンを置いてしまうと、『早く帰りたい』という意味に受け取られる恐れがあります。同席している人が食事を終えるタイミングや、食事が終わり一息ついてから外すのが適切です。
実はマナー違反!NGなナプキンの扱い方
ナプキンを正しく扱うための注意点はほかにもあります。知らないと、ついやってしまいがちなNG例を見ていきましょう。
持参したハンカチやティッシュを使う
持参したハンカチやティッシュを使うと、『店のナプキンは汚くて使えない』という意味になります。店側が用意したものを、信頼できないとアピールすることになってしまうのです。
テーブルの上にハンカチやティッシュを出したままにしておくのも、同じ意味に受け取られてしまうので注意しましょう。
ただし、汗を拭きたい場合は自分のハンカチを使います。ハンカチは、指先や口元以外を拭く用途以外に使用し、使用後はポケットにしまうのが正解です。
落としたナプキンを自分で拾う
ナプキンやカトラリーが落ちたときは、ウェイターに拾ってもらいます。たとえ手の届く位置に落ちてしまったとしても自分で拾ってはいけません。
カトラリーを落とした場合も同様に、ウェイターを呼びます。店内が静かな高級店の場合、ウェイターを呼ぶときは『目くばせ』をするとスマートです。
大きな声を上げたり挙手をしたりすると、店の雰囲気を乱してしまうことがあるので、近くにいるウェイターが気付いてくれるのを待ちましょう。
構成/編集部