結婚式の招待を受けたとき、さまざまな事情で欠席の決断をすることがあります。招待してくれた相手に不快な思いをさせないように、マナーを守った伝え方をしましょう。出欠の連絡方法や、ご祝儀の送り方などを紹介します。
結婚式欠席の返信をするときのポイント
結婚式を欠席するときは、どのように返信すべきなのでしょうか。間違った方法で伝えてしまうと、相手が気を悪くする可能性があります。失礼にあたらないよう、返信のポイントを見ていきましょう。
招待状の返信は届いてから1週間程度
欠席の返信ハガキを出すときは、招待状が届いてからおよそ『1週間後まで』に相手に届くようにしましょう。出席の場合は2〜3日以内の返信がマナーですが、欠席の場合は異なります。
即座に出してしまうと欠席の知らせが真っ先に届くことになり、相手をがっかりさせてしまうことがあるためです。
なお欠席の場合、返信をする前に直接会って伝えるか、電話で連絡を入れるとよいでしょう。郵便物のトラブルで返信ハガキが届かない可能性があるほか、「お祝いしたいのに出席できず残念だ」という気持ちが伝わるはずです。
欠席の理由は相手が納得できるものを
結婚式を欠席する理由はさまざまです。葬儀や別の結婚式が重なった場合、病気・金銭的な事情・旅行や遊びなどで欠席する場合は、欠席の理由はぼかした方がよいでしょう。
正直に伝えてもよいものは、出産・入学式などのお祝い事や以前から決まっている出張などです。相手側が納得できる理由なら、ありのままを伝えて構いません。
忌中・喪中、病気などの事情で欠席する場合は、『やむを得ない事情で』『どうしても外せない先約があって』というように、ぼかして伝えるのがマナーです。
大切な友人と良好な関係を保つためにも、欠席の理由は曖昧にした方がよい場合がある点を押さえておきましょう。
欠席の場合もお祝いの気持ちが伝わるメッセージを
欠席を決めたときも、返信ハガキに添えるメッセージは『結婚おめでとう』といったお祝いの言葉から始めましょう。メッセージ欄がある場合はメッセージ欄に、ない場合は余白に記入します。
【文例1】
ご結婚おめでとうございます
誠に残念ですが やむを得ない事情があり欠席させていただきます
お二人の末永いお幸せをお祈りしています
【文例2】
ご結婚おめでとうございます
せっかくお招きいただいたのですが 海外赴任が決まっているため欠席いたします
落ち着いたら改めてお祝いに伺わせてくださいね
最初にお祝いを述べた後、「参加できずに残念だ」という気持ちが感じられる言葉を続けましょう。最後に、祝福のムードがある言葉でまとめます。
出席連絡後、欠席することになった場合は?
出席の連絡をした後にトラブルや急用などで、欠席しなくてはならなくなるケースもあります。出席を伝えてから欠席しなくてはならない状態になったときの、対処法を見ていきましょう。
欠席が分かった時点でなるべく早く連絡する
招待状の返信ハガキを出席で出してしまっている場合、予定が変わった時点ですぐに電話などで連絡しましょう。相手は準備を進めているので、少しでも早い方がダメージを減らせます。
他にも、結婚式の招待状が届く前に、電話やLINEなどで相手から結婚報告を伝えられ、結婚式に参加すると約束しているケースがあるでしょう。
出席する意思を伝えている状態で欠席を決めたなら、なるべく早く連絡するのがマナーです。招待状を発送したタイミングになってしまうことがあるので、口頭で伝えた場合であっても、招待状が届いたら返信ハガキを出しましょう。
結婚式間近や当日に欠席することになったら
結婚式間近になって急病になってしまったり、アクシデントが起きたりして出席できなくなったときは、一刻も早く連絡することが肝心です。
急病や事故などが起きた場合、参加したくてもできません。『欠席することになった事情』も伝え、理解してもらえるように努めましょう。
早めに欠席する際は、病気や不祝儀などはぼかして伝えるのがマナーですが、結婚式が間近に迫ったときは事情を伝えた方が理解を得られます。
当日、式の準備などで本人と連絡がつかない場合は、式場に直接連絡をしましょう。友達などを通じて伝えると失礼だと感じさせてしまうので、注意します。本人もしくは式場に伝えた上で、友達にも伝えるのであれば問題はありません。
結婚式欠席の場合のご祝儀相場・渡し方は?
結婚式を欠席することになっても、ご祝儀を渡すとお祝いの気持ちが伝わります。欠席することになったタイミング次第で、渡すべき金額が変わる点に注意しましょう。ご祝儀の相場や渡し方を紹介します。
出席する場合の半分から1/3程度が目安
早めに欠席の意思を伝えたのであれば、全額を包む必要はありません。出席する場合の『半分から1/3程度』が目安となります。例えば、友達への結婚式のご祝儀は3万円程度が目安なので、欠席の場合は1万円程度が適切です。
相手との関係性ごとに、ご祝儀のだいたいの目安を以下にまとめました。
- 友達:出席3万円/欠席1万円
- 会社の同僚:出席2~3万円/欠席1万円
- 部下や上司:出席3~5万円/欠席1~3万円
- きょうだいや従兄弟:出席3~10万円/欠席1~5万円
きょうだいや従兄弟など血縁関係がある場合、親族に相談した上で決めるのが無難です。従兄弟へのご祝儀の金額は、親同士の関係性によっても変わってくるので、相談してみましょう。
また、地域によってもご祝儀の相場が変わる場合があります。心配なときは、周囲に合わせると失敗しません。
直前の欠席の場合は全額
結婚式まで1カ月を切ったタイミングでは、すでに大方の準備が進んでしまっている状態です。『キャンセル料や準備にかかった時間』などを考え、出席する場合と同額を渡しましょう。
前述の通り、相手が友達のケースでは、3万円程度が目安です。飲食代が1〜2万円程度で引き出物が5,000円程度と考えると、実際にお祝いの気持ちとして新郎新婦の手元に残るお金は、5,000〜1万5,000円程度という計算になります。
直前での欠席となると、すでに料理や引き出物などを発注してしまっているので、新郎新婦に大きな負担をかけないように、全額を払うのがマナーです。
渡し方の基本は手渡し!現金書留もOK
欠席する連絡をした後にご祝儀を渡したい場合は、『結婚式の前』に届くように手配します。本来は手渡しがよいですが、現金書留でもOKです。
結婚式前は準備に追われて、まとまった時間が取れないものですし、遠方に住んでいるケースもあります。気軽に会えない事情があるなら、現金書留でも失礼にはなりません。
現金を入れたご祝儀袋だけでなく、お祝いの言葉を書いた手紙を同封して気持ちを伝えましょう。
【文例】
拝啓
春爛漫の季節を迎え ますますお元気でご活躍のことと存じます
この度はご結婚おめでとうございます
参加できず誠に残念ですが せめてものお祝いの気持ちを送らせていただきます
落ち着いたらぜひ新居に招いてくださいね
その際は結婚式の写真も見せていただけたら嬉しいです
お二人の末永いお幸せを心よりお祈り申し上げます
敬具
祝電を送るときのマナーと文例
結婚式を欠席する際、祝電を送ってお祝いの気持ちを伝える方法もあります。祝電を送るときのマナーや文例を見ていきましょう。
宛名は新郎新婦で前日までに結婚式場へ
祝電は、お祝いの気持ちを伝えるために効果的な方法です。当日参加できなくても、結婚を祝福する気持ちを伝えられます。
出席できないことへのお詫びの気持ちも込めるとよいでしょう。余裕を持って、式の前日までに披露宴会場に届くように手配します。
宛名は新郎新婦の氏名を『フルネーム』で記載しましょう。すでに婚姻届を提出している場合も、旧姓にするのが一般的です。結婚式らしい、華やかなデザインのものを選ぶと喜ばれます。
忌み言葉は使わずに気持ちを伝える
祝電は会場で読み上げられることを意識し、内容に注意しましょう。親しい間柄であれば堅苦しい内容でなくとも構いませんが、独身時代に羽目を外した思い出などを書くのは、新郎新婦を傷つける恐れがあるので避けます。
また、苦しみ・悲しみ・再び・切れるなどの『忌み言葉』は、記載しないようにします。区切りや終わりを意味する句読点も使用しません。
欠席することへのお詫びを述べるのではなく、お祝いの気持ちと出席できず残念という気持ちを伝えることが大切です。
【文例】
ご結婚おめでとうございます
今日はお二人の晴れ姿を見られず残念です
これからはお二人ですてきな家庭を築いてください
末永くお幸せに