小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

2週間で売り切れ!信用金庫のネットワークから生まれた「地域連携ビール」が人気

2023.03.21

ウィンウィンの地域連携プロダクトになった!

ビール醸造にかかるコストはどこから出るのか? というと、大麦、ホップなど主原料の材料費は羽田スカイブルーイングが負担し、ブドウの搾りかすや桜の葉といった副原料は各自治体が提供する。売り上げは羽田スカイブルーイングに入るが、その際、1本あたり100円が各自治体に寄付されるという仕組みだ。

自治体側からすれば、提供する副原料は、もともと規格外品だったり廃棄予定のものだったりと、原価は高くない。それが東京・羽田のブルワリーでクラフトビールになって、国内外のお客さんが買って行くのだから、ピーアール効果は大いに期待できる。まさに「ローリスク、ハイリターン」商品に人気は高まり、現在、「地域連携クラフトビール」醸造は順番待ちだという。

羽田イノベーションシティの羽田スカイブルーイング。この日はオリジナルの「ゴールデンエール」のほか、全国の人気ブルワリーのビールが8タップ。東京に来て初めて飲むクラフトビールがここ、という人も多いのでは。

一方、羽田スカイブルーイングにとってはどんなメリットがあるのか。

ブルワリーを運営する株式会社大鵬の大屋幸子代表は、2016年から大田区蒲田でクラフトビールが飲めるレストランを経営していた。その店では、大田区ゆかりの店や古くからある銭湯などとコラボレーションビールをつくって販売していた。もともと、「オリジナルのビールをつくることも大事ですが、地域のだれかと連携して相乗効果を生み出すことが楽しい。ビールの活用法に興味があります」という考え方の持ち主だ。

羽田イノベーションシティに出店するチャンスを得るも、コロナ禍に見舞われ「資金繰りがたいへん」な状況の中、「全国のいろいろな地域と新たなつながりができる」ことに価値を見出した。羽田スカイブルーイングには羽田空港発着のお客さんが、国内外から訪れる。ここに地域連携ビールが並ぶということは、日本各地のアンテナブルーバーにもなり得る。

「これまで9か所の地域とコラボしてきました。ゆくゆくは47都道府県すべてのコラボビールができればうれしい」と大屋代表と話す。

このように素材を提供する自治体側とブルワリー側、双方にメリットのあるウィンウィン関係で商品化できたことが、地域連携クラフトビール成功の理由だろう。今後、この中から定番化されるような、おいしいビールが生まれることも期待したい。

また、信用金庫の「よい仕事おこしネットワーク」は、クラフトビールのほかにも地域連携プロダクトを提案している。各地の農産物を長崎のカステラの老舗「菓秀苑・森長」で商品化したカステラプロジェクト。各地の酒蔵から出る酒粕を利活用する酒粕プロジェクトなど。自治体だけなく、メディア、大学など、多様な顔ぶれがそろう「よい仕事おこしネットワーク」は、新規事業やスタートアップにとっても利用価値がありそうだ。

羽田ブルーイングの店内。左のガラスの向こうがブルワリー。3月13日に仕込み式が行われた山口県長門市の「長門ゆずきち」は、副原料としてはポピュラーな柑橘類。「ペールエールかヴァイツェンか、考えどころですね」とブルワーの植浦恵介さん。

取材・文/佐藤恵菜

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。