旺盛な知的好奇心を有し、新しい経験やものを受け入れる寛容さを示す「開拓性」の高い人が多い都道府県とは、いったいどこなのか?
ユーグレナはこのほど、同社の検査サービスブランド「ユーグレナ・マイヘルス」とジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとにした「開拓性が高めの遺伝子タイプが多い都道府県(出生地)ランキング」を公開した。
ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスは、個人の健康リスク・体質・祖先について300項目以上の遺伝子型を解析し、どのような病気にかかりやすいか、どのような体質の遺伝的傾向があるかについて結果を提供するものだ。
性格は遺伝するのか?
心理学において人の性格の特徴を捉える研究理論のひとつにビッグファイブと呼ばれる「性格の5因子」理論がある。性格の個人差を「情緒安定性」「外向性」「協調性」「開拓性」「勤勉性」の5つの因子で記述する考え方だ。
性格は、育てられ方や周りの人間関係など環境要因が多く影響していると考えられているが、遺伝要因も関係していることが研究で明らかになってきており、30~60%ほどが遺伝要因であるという研究結果もある。
「開拓性」とは?
「開拓性」は、知性・知的好奇心とも関係し、新しい経験やものなどを受け入れることへの寛容さを示す。
この傾向が高いと、知的好奇心が強く独創的な発想をし、芸術的な創造性を発揮する側面もあると言われているが、極端になると夢想・空想が過ぎて無謀な行動をとる場合がある。
一方で、この傾向が低いと、保守的で大きな変化よりも馴染んだものを好み、堅実な生活を送ると言われるが、時には伝統や権威にこだわる頑迷さにつながる場合もある。
今回調査した遺伝子解析項目「開拓性(SNP:rs6265)」には3つの遺伝子型があり、「開拓性が高めのタイプ(遺伝子型:GG)」、「一般的なタイプ(遺伝子型:AG)」、「開拓性が低めのタイプ(遺伝子型:AA)」に分けられる。
調査結果
今回は、「開拓性が高めのタイプ(遺伝子型:GG)」に該当する人の割合を都道府県(出生地)別に算出し、数値化した。上記の解析結果より、開拓性が高めの遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県は、1位 鳥取県、2位 山形県、3位 沖縄県、4位 佐賀県、5位 長崎県、6位 福島県、7位 高知県、8位 愛媛県、9位 山梨県、10位 熊本県となった。
また、日本人における遺伝子型の割合は「開拓性が高めのタイプ(遺伝子型:GG)」が34.2%だった。つまり、30位以下の地域は開拓性が高めのタイプが日本人の平均よりも少ないので、どちらかというと開拓性が低めのタイプの特徴である「保守的」「伝統にこだわる」「馴染みのものを好む」傾向がある地域と言える。
例えば、近畿地方の奈良県を除く6府県が30位以下に入っていることから、歴史のある神社やお寺など古き良き建造物や日本の伝統的な文化を近畿地方で維持できているのは、もしかしたら遺伝子が関係しているのかもしれない。
<調査概要>
調査方法:ゲノムデータの解析をもとに調査
調査対象:「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」、「ジーンクエストALL」の利用者
対象者数:ゲノムデータ:21,371人
調査時期:2023年2月
調査項目:ゲノムデータ「開拓性(SNP:rs6265)」の項目について、「開拓性が高めのタイプ(遺伝子型:GG)」に該当する人の割合を都道府県ごとに算出
出典元:株式会社ユーグレナ
構成/こじへい