小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

実は日常会話でもよく使われる「誼」の読み方と正しい使い方

2023.04.08

『誼』は、『よしみ』『ぎ』などと読まれる漢字です。字面だけ見ると難しそうですが、『近所の誼』『幼なじみの誼』など、日常で使われることも少なくありません。『誼』の意味や使い方、さらには熟語や類義語まで紹介します。

「誼」の読み方と意味、使い方は?

『誼』という文字だけを見ると、読み方に悩んでしまう人も多いでしょう。まずは、『誼』の正しい読み方や意味、使い方を紹介します。

読み方は「よしみ」または「ぎ」

『誼』の読み方は、『よしみ』『ぎ』の2種類です。『よしみ』と読む場合は、『人との縁・つながり』 を指します。単なるつながりというよりは、深い親愛があり、とりわけ親しい間柄で使われるのが一般的です。

また、『ぎ』は『義』と似たような意味として用いられます。意味は、『正しい道筋』『よいこと・よしとしていること』などです。『誼』はごんべんの横に『宣』に似た字が使われていることから、『せん』と誤読されるケースが多々あります。紛らわしい読み方ですが『ぎ』と覚えておきましょう。

なお、ごんべんの横に宣を配した『諠』の読みは『けん』です。意味は『やかましい』『うるさい』などがあり、『誼』とは全く異なります。

参考:誼 | 漢字一字 | 漢字ペディア
参考:よしみ | 言葉 | 漢字ペディア

「誼」の使い方を例文で紹介

『誼』の使い方は、以下の例文をチェックしましょう。

  • ○○君が困っているらしいから、同郷の誼で助けてあげたい
  • 彼の父親はこの町の有力者なので、誼を通じておいて損はない

『同郷の誼』とは、『同じ故郷のつながり』『故郷を同じくする者同士』などの意味になります。同郷以外にも、『同じクラスの誼』『同じチームの誼』などと言い換えて使うことが可能です。

また『誼を通じる』とは、『親しくなろうと働きかけること』を意味します。『親しくなっておいて損はない』『親しくしておくと有利だ』というときに、『誼を通じておいて損はない』と使うとよいでしょう。

「誼」を使った熟語もチェック

辞書とペン

(出典) pixta.jp

『誼』は、ほかの言葉と合わせて熟語としても使われています。教養の一つとして、読み方や意味を知っておくことは有益でしょう。『誼』を使った熟語を紹介します。

古いなじみ「旧誼」

『旧誼』は『きゅうぎ』と読みます。『旧』は『古いこと・昔・過去』などを意味する言葉です。

『誼』と合わさると、『古くからなじみのある間柄』『長く続く親しい関係』などの意味となります。どちらかというと古くかしこまった言い回しで、日常生活で使うことはまれです。

  • 君の顔を見れば、彼も旧誼を思い出すだろう
  • 今回のことは、君と私の旧誼に免じてゆるすことにしよう

『旧誼を思い出す』とは、『昔親しく付き合っていたことを思い出す』という意味です。縁遠くなった友人に会うとき、緊張する人は少なくありません。「君の顔を見れば、彼もすぐに昔を思い出すよ」と言いたいときに使えます。

親しい付き合い「厚誼」

『厚誼』と書いて『こうぎ』と読みます。文字通り、『情のこもった親しい付き合い』を指す言葉です。

『厚誼』は、ビジネスシーン・冠婚葬祭などで多用されますが、『厚誼』のみで使われることはありません。使う場合は『ご厚誼』とし、必ず『ご』を付けましょう。

  • これからも変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます
  • 生前は格別のご厚誼にあずかり、遺族一同心より感謝申し上げます

このように、目上の相手・格式のある場面で使うのが一般的で、取引先へのビジネスメール・冠婚葬祭の挨拶などに適した言い回しです。

なお、『厚誼』と似た言葉に『交誼』があります。どちらも同じ読みですが、『交誼』は『友人や仲間との親しい交わり・関係』を指す言葉です。同格の相手に対して使う言葉とされており、目上の人に使うと失礼に当たりかねません。書面で挨拶をしたためるときは、『厚誼』との書き分けに注意しましょう。

「誼」の類義語・関連語も併せて覚えよう

机での勉強

(出典) pixta.jp

『誼』と同様に、人のつながりや親しい付き合いを示すのが『縁故』『宥和』『修好』などの言葉です。『誼』と併せて、類義語・関連語もチェックしておきましょう。

特別なつながり「縁故」

『縁故』は『えんこ』と読みます。一般的には、『血縁や姻戚関係でつながった人・その人たちとの関係』を指します。

『人と人との特別な関わりを示す』という点で、『誼』と通じる意味を持つ言葉です。縁故を使った例文は、以下のとおりです。

  • 祖父の代からの縁故で、誰もが憧れる大手企業に入社できた

例文を使うシチュエーションは、試験ではなく縁・つてで就職が決まったときです。企業の役員などと親しいつながりのある人は、その縁により採用が決まることも珍しくありません。縁故による採用は『縁故採用』といわれ、ごく一般的な就職ルートの一つです。

大らかに付き合う「宥和」

『宥和』と書いて『ゆうわ』と読みます。『宥』は『なだめる』『ゆるす』などの意味を持つ言葉です。

『宥和』には『対立する相手に寛大な心で接して親しくする』『相手の態度を大目に見て仲良くする』といった意味があります。

誰かと親しく付き合うという点で、『誼』と『宥和』は似ています。ただし、『誼』には『ゆるす』『なだめる』などの意味はありません。『誼』と比較して、『宥和』の方は相手との関係に若干の緊張を含んでいます。

『宥和』が頻出するのは、国際政治の場面です。例えば『宥和政策』というときは『外交上の譲歩をし、戦争を避けようとする政策』を意味します。1938年のミュンヘン会談にて、イギリスのネヴィル・チェンバレン首相が取った政策として有名です。

主に国家間の友好関係を指す「修好」

『修好』は『しゅうこう』と読みます。『誼』と同様に『親しく交わること』を意味しますが、個人間の関係で使われることはほぼありません。『修好』というときは、国と国との関わりを指すのが一般的です。

『修好』を使った言葉としては、『日米修好通商条約』がよく知られています。日米修好通商条約とは、1858年に江戸幕府とアメリカの間で締結された条約です。

関税自主権や治外法権など日本に不利な内容で締結されており、いわゆる不平等条約として認識されています。後の明治政府は、日米修好通商条約の改正のため、多大な労力を注ぎ込むこととなりました。

このほか、国家間の付き合いが一定期間を超えたときは『日タイ修好135周年』『日加修好90周年』などといいます。

構成/編集部

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。