大阪大学
主な支援内容
起業に向けた学内補助金や起業資金の出資のほか、特許出願など知財戦略の構築や経営人材の紹介も実施。学内補助金制度を活用して19社が起業済。
考えるだけで機械を操る次世代インターフェイス
JiMED(ジーメド)
【医療】
設立/2020年 資本金/5000万円 従業員数/5名(2023年1月現在) 主な取引先/非公開
脳の電気信号を読み取り、外部機器を操作する、ワイヤレス埋め込み型のブレインマシンインターフェイス(BMI)システム『i WiLL』を研究・開発中。これが完成すれば、全身麻痺などで手足が動かせない状態、あるいは人工呼吸器などによって声を出すことが難しいケースであっても意思伝達を容易にするなど、看護・介護負担を軽減する一助になると大きな期待を集める。将来的には、メタバースなど仮想現実市場への参画も視野に入れている。
画像提供/毎日新聞社
埋め込み型BMIの開発は日本初
JiMEDの製品は、電極シートを脳表面に設置して使用する。直接的に脳に傷をつけることなく、また不測の事態の際には抜去も可能。高い安全性を担保しつつ、精度の高いデータを取得できる点は、『i WiLL』ならではの優位性といえる。
新規性/★★☆ 将来性/★★★ インパクト/★★☆
高感度で迅速かつ低コストで微粒子を計測
アイポア
【AI解析】
設立/2018年 資本金/2億176万円 従業員数/常勤5名(2023年1月現在) 主な取引先/非公開
半導体微細加工を駆使してナノサイズの細孔を施した計測機とAIを活用し、ウイルスや細菌などの微粒子を解析するシステムを開発。現在は理化学研究用として販売するほか、感染症の医療検査機器の上市に向けて注力。脳神経系疾患などを想定したバイオマーカー検査への応用を目指す。
小さな穴を通る微粒子をAIが解析
安い・速い・確実の三位一体は業界随一
検査の迅速性と低コスト、高精度を両立したことで、従来では困難だった計測診断の課題を克服。市販の妊娠検査薬などに用いるイムノクロマト法と同等の使いやすさだけでなく、PCR検査並みの感度を実現した。AIシステムの開発は独自、ICチップなどの消耗品は上場企業7社と共同開発している。
新規性/★★☆ 将来性/★★☆ インパクト/★☆☆
レーザー核融合で次世代のエネルギー産業を担う
EX-Fusion(EXフュージョン)
【エネルギー】
設立/2021年 資本金/6865万円 従業員数/10名(2023年1月現在) 主な取引先/非公開
光の究極の可能性、レーザー核融合によるエネルギー革命と産業の創出をミッションに掲げ、レーザー核融合商用炉の実用化を目指す国内唯一の民間企業。現在は高い開発リスクを受け入れながら技術開発を加速、最先端の光制御技術・知見を活用し、医療や宇宙分野など、幅広い分野の産業創出に貢献。
創業1年半で海外政府からオファー
創業からわずか1年半でオーストラリア政府が主導するレーザー核融合の実用化を含む多用途なレーザーの建設プロジェクトにも参画。同社の光技術はすでに多数の国から多くの関心を集めている。将来的に社会の基盤となる新光産業を創出し、高い技術力を日本から世界へ発信する計画だ。
新規性/★★☆ 将来性/★★★ インパクト/★★★
取材・文/簗場久美子
DIME最新号の特集は「最強のスタートアップ100」「家電の未来予報」、特別付録は自転車&バイク用スマホホルダー
日本におけるスタートアップが変革期を迎えつつある。メルカリ、ビズリーチ、ラクスル、BASEなど、急成長を遂げたこれらの企業に続くのはどこか。投資を目的に、協業を念頭に、転職先探しに、各分野で注目される企業など最前線を紹介する。