Mantraなど東大発ベンチャーを輩出するOB・OG向けプログラムFoundXとは?
案内してくれた人
FoundXディレクター
馬田隆明さん
日本マイクロソフトを経て、2016年から東京大学へ。2019年から東京大学FoundXの立ち上げと運営に携わる。
横のつながりと助成金を狙えるアイデアを支援
大学のスタートアップに対する支援は2010年代以降に加速しており、珍しくない。だが「FoundX」は例外。何と起業直前直後のOB・OG向けの施策なのだ。
なぜOB・OGなのか?
「理由は2つあります。東京大学として卒業生に十分な支援ができていないこと。学内のインキュベーション施設を利用するために事業成長が必要なこと。起業志望者の支援が課題だったのです」(馬田さん)
「FoundX」は9か月を基本とする期間限定プログラムで、3か所の施設を開放する。参加を強制するイベントは最低限とし、社会的関係資本の形成を重視。つまり同じフェーズの起業家との交流だ。起業家同士の交流を育み、互いに学び合える環境作りに努める。
「FoundX」は、アクセラレータープログラムのように短期間のプログラムだが、投資や教育を目的としていない。自発的にアイデアを成熟し、横のつながりを広げることを重視する。
コワーキングスペースのほか、製品を試作するための工作室やチームで利用できる個室を無償で開放している。
取材・文/渡辺和博
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