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正しいことを伝えても動いてくれない人たちを動かす効果的な伝え方

2023.07.06PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

「みんなもやってます」と伝える

SDGsなど、社会的に「良いこと」を求めたいとき、あなたはどう呼びかけますか?

そんなときのヒントになるのが、アリゾナ州立大学のロバート・チャルディーニ教授やカリフォルニア州立大学サンマルコス校のウェスリー・シュルツ教授らが、2001年から約3年間、カリフォルニア州のサンマルコスで行った有名な実験です。

まず大学院生たちが1200世帯以上の家庭を1軒1軒訪問し、次の3種類の文章を書いたドアホルダーをランダムに配布しました。そして、その後の各家庭の電力使用量の変化を調査したのです。 さて、どの文が、一番効果があったでしょうか?

①省エネをしてお金を節約しよう
 エアコンではなく扇風機を使うと、月に約54ドル節約できます

②省エネをして環境を保護しよう
 エアコンではなく扇風機を使うと、温室効果ガスの排出量を月に262ポンド(lbs)減らせます

③省エネをして未来の世代のためになろう
 エアコンではなく扇風機を使うと、月の電気代が約29%減らせます

結果はなんと、「どの呼びかけもまったく効果がなかった」でした。研究者チームは、住民たちへの事前アンケートの結果から②の「環境問題を訴える」が一番省エネにつながるだろうと予想していましたが、実際はそうならなかったわけです。実は、研究者チームはこれらとは別にもう1種類、ドアホルダーを配布していました。それが次のものです。 

④ご近所と一緒に省エネしよう
 あなたの住む地域では、77%の住民がエアコンではなく扇風機を使っています

この④を配ったグループだけが、実は大幅に電力を節約していました。

これはつまり、人はみな自分では他人の影響を受けることなく自分の意思でいろいろな決断をしているつもりになっているが、実際には一番影響を受けるのは「他人がどんな行動をとっているか」だったということです。

このように、ある状況で自分の判断より周囲の人たちの判断に影響されてしまうことを、社会心理学では「社会的証明(Social proof)」と呼びます。「正しいこと」をことさら伝えるのではなく、「みんなやってます」と言ったほうが効果があるということですね。

【まとめ】
「正しいこと」はそのまま伝えず、「みんなやってる」と言うほうが効果的

 

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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