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提案を受け入れてほしい時は理由にならない理由でも付け加えて伝えたほうがいい理由

2023.08.01PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

理由や目的を明確にする

誰かに何かを提案したり依頼をしたりするとき、そこに明確な「理由」があると、相手はイエスと言いやすくなります。ちなみに次の2つの研究は、「話し言葉」がテーマですが、企画書や依頼文にも応用が可能です。 

ユタ大学コミュニケーション学部のヤコブ・ジェンセンらは、「目的」や「目標」をきちんと伝えることで、まわりの反応が大きく変わることを証明しました。たとえば彼らが行った、大学生を使って寄付を募る実験では、「私たちは500ドルを調達しようとしています」などと「目的」や「目標」を伝えて寄付を募ったチームのほうが、より多くの寄付金を集められることを発見しました。

理由や目的は、必ずしも多くの人が納得するものでなくてかまいません。

ハーバード大学の心理学者エレン・ランガーが1978年に行った有名な実験がそれを証明しています。これは、コピー機の順番待ちをしている列の先頭に行き、次の3通りの方法で頼んでみるという実験です。

①5枚だけなので、先にコピーをとらせてもらえませんか?(要求のみ)

②5枚なのですが、急いでいるので、先にコピーをとらせてもらえませんか?(明確な理由を示す) 

③5枚なのですが、コピーをとる必要があるので、先にコピーをとらせてもらえませんか?(理由にならない理由を示す)

これら3つの要求に応じてくれた人の割合は、次のとおりとなりました。

①60%  ②94%  ③93%

驚くべきは、ほとんどの人が「コピーをとる必要があるので」という、理由にもならないような理由でも割り込みを承認してくれたということです(並んでいる人は全員コピーをとる必要があるはずですよね)。

つまり、人にお願いするときは、単に「○○してもらえますか?」と頼むよりも、「××なので、○○してもらえますか?」と理由をつけてお願いすると、聞いてもらいやすいということです。ただし、これが「コピーを20枚とらせてほしい」というお願いになるとこのような結果になります。

①24%  ②42%  ③24%

つまり、大きなお願いになると、それなりにきちんとした理由が重要になるということですね。その点に注意して、伝え方を工夫してみましょう。

【まとめ】
提案を受け入れてほしいなら、理由にならない理由でも付け加えて伝えてみる

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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