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相手におすすめのものを選んでほしい時に効果的な「デフォルト効果」とは?

2023.07.29PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

「デフォルト効果」を使う

選択肢がどのようなデフォルト(初期設定)にされているかで、人の選択は大きく変わります。たとえば脳死や心停止状態における臓器提供意思率は、国によって大きな差があります。

日本で臓器提供意思を記入している人の割合は、2017年の調査で約12.7%。一方、提供意思が99%を超える国もあります。なぜ、こんなに差があるのでしょうか?

もちろん文化や死生観の違いもありますが、実は選択肢のデフォルトの違いが大きいと考えられています。

コロンビア大学ビジネススクールのエリック・ジョンソン教授らは、2003年にサイエンス誌に発表した論文で、ヨーロッパ各国における「臓器提供意思」の割合を調べました。これによると、デンマーク・イギリス・ドイツは提供意思の割合が低く(20%以下)、フランス・オーストリア・ポルトガル・ハンガリーは提供意思の割合が高く(99%以上)、二極化していることがわかりました。

実はこれには理由があります。

前者が「提供する場合に意思を示す必要がある国(提供しないことがデフォルトになっている国)」であるのに対し、後者が「提供しない場合に意思を示す必要がある国(提供することがデフォルトになっている国)」なのです。日本も前者の方式ですから、提供意思表示率が低いのも納得です。

1990年代はじめに、アメリカのニュージャージー州とペンシルベニア州で自動車保険法が改定されたとき、保険加入の書類のデフォルトの違いで、両州に大きな差が出たことがありました。どちらの州も、自動車を持っている人間は、「安いけれど訴訟の権利に制限がある保険」と「高いけれど訴訟の権利に制限がない保険」の2種類から1つを選択することになりました。

ただこのとき、ニュージャージー州では「安い保険」が、ペンシルベニア州では「高い保険」がデフォルトになっていました。するとどちらの州も、75~80%の人が、デフォルトになっているほうの保険を選んだのです。

このように、デフォルト効果は人間の選択に非常に強く働きかけます。

でも、だからと言って、サービスの提供側だけに有利な選択肢をデフォルトにすることは、倫理上問題があるという考え方もあります。提供側はそこに注意するようにしてください。

一方、選ぶ側に立ったときは、相手側だけにメリットがあるデフォルトになっていないか、注意と確認をしてくださいね。 

【まとめ】
おすすめしたいほうをデフォルトに設定しよう

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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