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自社商品と他社商品の違いをわかりやすくアピールするテクニック

2023.07.25PR

コピーライターとして、テレビやラジオのCMをつくったり、企業のブランディングを手掛けてきたコピーライターの川上徹也さんはうまく伝わらないのは、あなたの考えが間違っているからではなく、伝え方次第で、生じることのなかった誤解やすれ違いをなくすことができる、人はもっとわかり合うことができると言います。川上さんがハーバードやスタンフォードなど世界中の研究から、日常に取り入れやすいものを選んでまとめた伝え方の法則を、著書「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」から一部抜粋・再構成してお届けします。

ささいな違いを特長にして打ち出す

似たような商品を、似たような特長を訴えて、競合同士が販売していることがあります。

以前、ある家電メーカーと仕事をしたときのことです。最初の面談で、その会社のテレビは「黒の鮮やかさ」が最大のセールスポイントだと教えてもらいました。しかし、帰りに家電量販店の売り場をのぞいてみると、ほぼすべてのテレビメーカーが「黒の鮮やかさ」を最大のセールスポイントとして訴えているのを発見して愕然とした覚えがあります。

これではいくら自社商品をアピールしても、消費者には同じに見えてしまいますよね。では、どうすればいいのでしょう?

あなたが売りたい商品が、同じような特長を持つ競合商品であふれる市場にあるときは、他社とは違う特長を打ち出して、「希少性」をアピールする必要がありそうです。

アレクサンダー・シャーネフ教授らノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院の研究グループは、作為的に「希少性」をつくることで、それまであまり売れなかったものが売れることを証明しました。

教授らはインターネット販売を使った実験で、被験者が2つのソファのどちらを評価するかを調べました。それぞれ違うメーカーの商品ですが、デザインや価格はほぼ同じです。ただし、クッションだけは次の特長があります。

A 柔らかく座り心地がいい
B 頑丈で耐久性がある

すると、A=42% B=58%という結果で、頑丈で耐久性のあるBのほうがやや評価されました。

次に、別のグループにはC、D、Eという3種類のソファを追加して、5種類の中から選んでもらう実験を行いました。ちなみにC、D、Eの商品は、A、Bと比べると多くの点で劣っています。しかしBと同じく頑丈で耐久性があるのが特長です。つまり、5つの商品の中で「柔らかく座り心地がいいのが特長のソファ」はAだけになったのです。

結果は大きく変わりました。なんと全体の77%の人がAを評価するようになったのです。これは「柔らかく座り心地がいい」特長を持った商品がAだけになったことで「比較希少性」が生まれ、Aがよりよく見えた結果だと考えられます。

このように、競合と比べた違いをわかりやすく打ち出すことで、他とは違う価値が伝わるようになるのですね。

【まとめ】
似たようなものよりも、違いがよくわかったほうが選んでもらえる

☆ ☆ ☆

「最新の知見」や「新しい視点」のヒントが詰まった「面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則」。やみくもに大きな声で叫んでも、伝わらない。相手に伝わるからこそ対話は成り立ちますし、そうでなければただのひとりごとになってしまいます。どうにかして、この気づきをわかりやすく役に立つ形で伝えられないかというところからこの本の制作は始まったそうです。伝え方を工夫することで、相手とのコミュニケーションがうまくいく可能性があるなら、手に取って学んでみる価値は十分あるのではと思います。

面倒なお願いでも、気持ちよく相手に届く伝え方は?人を動かす伝え方50の法則
著者/川上徹也
発行/株式会社アスコム

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所 代表/コピーライター
大学時代、霊長類学や社会心理学の研究に没頭。世界中の論文との出会いを求めて図書館に通いつめ、狭いアパートの部屋を学術論文のコピーでいっぱいにして暮らす。「人の心を動かす」仕事に興味を持って、広告代理店に入社。大阪支社で暗黒の営業局時代を経て、29 歳で転局しCMプランナーに。しかしそこでも芽が出ず、会社を辞め何のあてもなく上京。フリーランスという名のフリーターをしながら通った広告学校の講師から、コピーライターとしての才能を見いだされ、TCC 新人賞を受賞。その後、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞などを多数受賞する。現在は、ブランドの魅力を物語にして伝える「ストーリーブランディング」という手法を確立し、企業や団体のマーケティング・アドバイザーとして活動。ジャンルの垣根を越えて、様々なものの魅力を伝え続けている。『物を売るバカ』『1行バカ売れ』( 角川新書)、『ザ・殺し文句』(新潮新書)など著書多数。海外へも広く翻訳されている。

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